ニイノ カケルの巻き込まれ神話大戦

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北欧の章

北欧の章-2…世界樹と神と

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光の中を抜けると、そこは一面の銀世界だった…と、何処かしらで聞いたことのあるようなないような光景を翔はため息をつきながら眺めていた。
「確か、神を模した『鍵』を5つ集めて欲しい…だったけか……ここまで来て断ることも出来ないだろうし、探しますか…」
しかし、こんな広大な大地の中から鍵を探せ…と言われても脳裏に浮かんだのは、見つからないままに凍てつく雪の園の中で氷像の一体となる様だけであった。つまりは闇雲に鍵を見つけに行こうが、ただ単に凍死する確率を高めるだけなのだ…それならば、まずは鍵について何か知ってる人を見つけないといけないな、と彼が思い立ったのはいいもののこの氷に閉ざされた世界でその事を知っている人を見つける方が絶望的なのでは…と気づく。全く面倒な事になってしまったなぁ…とつくづく自分の巻き込まれ体質を恨みながら辺りを見渡そうとすると、ソレはずっと奥の背後にそびえ立っていた。
「なんだ、この木…こんな大きさにまで育つものなのか…?!」
恐らく翔の間の距離は10km以上はあるであろうが、その木は全くぼやけることもなくハッキリと彼の目の前で見ることが出来たのである。そうなるとこの木の高さは一体どの位になるんだろう…と圧倒されながら無意識的に彼は近づいていきながら見つめている…と
「「…っ?!」」
どうやら彼は木を見上げながら歩いていたらしい、そのせいで前方に誰かがいることにも気づかずに、またぶつかられた彼も彼で木を見ていたのか背後からの接近に気づくこともなく、ついに二人は激突してしまう。見上げていた翔の顎部と立ち止まっていた少年の後頭部に衝撃が走り二人は悶絶する。
「痛たぁ……はっ!すいません、前が見えてなくて…!」
「あ…あぁ……僕は平気だよ、大丈夫大丈夫。まぁ、あんなに大きな樹があったら僕なんて見えないだろうしねぇ…」
そこでようやく、誰かにぶつかったのだ、と翔は知覚して自分の前にいた少年へと頭を下げる。すると彼は後頭部をさすりながらも気にしなくてもいいよ、と笑顔で答えてくれる。そして再びすいません、と謝りながら翔は運任せに本題を目の前の少年へと聞いてみる。
「あ…そうだ、その…いきなりで失礼ですが『鍵』という言葉に聞き覚えはありませんか…?」
『鍵』という言葉に、彼は一瞬だけ反応を示すがすぐに何もなかったように首を傾げる。
「そうだなぁ…僕は聞いたことないなぁ……それよりも、何のためにソレを探しているんだい?」
「それは…その……いきなり半強制的に頼まれてしまって…」
「…それは、災難だったねぇ」
半分嘆くような声で説明する翔とそれに同情する少年、そして何の手がかりも得ることが出来なかった翔は意気消沈して歩きだそうとする、と少年は翔の顔を覗き込みながら言う。
「よかったら、人がいるところまで連れて行ってあげようか?」
そっちの方角に行くとまたしばらく氷漬けの道が続いているだけだしね、と付け加えて聞いてきた彼の誘いは正に渡りに船であった。
「それではお願い出来ますか…あっ、僕は新野 翔と申します」
「へぇ、カケル君かぁ…僕はロキ、よろしくね」
嬉しそうに頭を下げる銀髪の少年と、にこやかに笑っている紫髪のロキと名乗った少年は、銀世界に染まっただだっ広い雪原の中で出会ったのであった。
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