8 / 15
北欧の章
北欧の章-3…雪原横断記
しおりを挟む
雪と氷と真っ青な空がほぼ永遠に続いていきそうなこの雪原を、翔はロキの案内の元に歩を進めていく。そして翔はふと気になった事があって隣の少年へと問いかける。
「そういえば…此処って何処なんですか?」
「……え?」
その問いかけにロキは驚いて、翔の方を振り向いた。それはある意味当然の反応なのではあろう…何故なら海から流れ着いてきた、或いは長旅の果てに此処に辿り着いたという訳でも無いのに自分の居る場所を把握出来ていない、ということは……
「もしかして君って、記憶喪失だったりする…?」
「いえ、自分が何者かはハッキリと分かりますし、それにここ数日の記憶もちゃんとありますから」
「それなら何故…」
戸惑っているロキに対して、翔は少しだけ苦笑しながら答えを出す。
「…どうやら僕、別の世界から飛ばされて来たみたいなんです……」
「そんな事って、あるんだね。ビックリしちゃったや」
信じてくれるだろうか…と迷いながら言った一言は、此方が拍子抜けしてしまうほどにアッサリと目の前の少年に受け入れられる。
「疑ったりはしないんですか?だって、僕らまだ出会ってから間もないのに…」
「まぁ、僕って結構嘘を見破るのは得意だからね…その手のものなら楽勝だよ、それにね」
そう言って、笑いながら彼は翔を眺め回している。まるで動物園の珍獣になったような気分でドキドキしながら彼はロキの次の言葉を待つ。
「こんな服装の人を見るのは僕も初めてだからね、是非とも元いた世界のことを教えて欲しいなぁ」
興味津々に尋ねてくるロキに対して、翔はなるほど、と納得して自分が今来ている部屋着のパーカーを改めて見返してみる。なんら変哲も無い普通のパーカーだ、しかしこれではこの氷原を乗り越えるのは困難であろう…だが、何故だか寒さを感じることはない。不思議なこともあるものなんだなぁ…と思いながら、日に銀髪を煌めかせて翔は笑って、僕の元いた所は特に面白いものがあるわけでもないですよ、と答えるが白雪に映えるような紫色の髪の少年の興味は尽きることがなく、次々と別方向の質問が飛んでくる。
流石にこれには耐えかねたのか翔はとうとう苦笑いになり、再び尋ねて流れを断ち切ることにした。
「それで…結局ここは何処なんでしょうか?」
その一言を聞いて、そういえばそうだったね…話が逸れちゃったや……と少しだけ笑いながら、ロキは自身のあまり広くない両腕を広げながら教えてくれた。
「此処はミッドガル、城壁に囲まれながら暮らす人々の為の世界さ」
「…ミッド……ガル?」
全く聞き覚えのないようなこの世界の名前に頭を傾げながらさらにもう一つ聞いてみる。
「それではあの木は一体…?」
「あれはユグドラシル…世界樹、なんて呼ばれるこの世界を支える樹の枝の一つさ」
「枝……?!あの大きさで、ですかっ?!」
あまりにも規格外すぎるスケールだ…と翔はただただ驚くことしか出来ない…そしてそれを何処か笑顔でロキは見ていた。
「そういえば…此処って何処なんですか?」
「……え?」
その問いかけにロキは驚いて、翔の方を振り向いた。それはある意味当然の反応なのではあろう…何故なら海から流れ着いてきた、或いは長旅の果てに此処に辿り着いたという訳でも無いのに自分の居る場所を把握出来ていない、ということは……
「もしかして君って、記憶喪失だったりする…?」
「いえ、自分が何者かはハッキリと分かりますし、それにここ数日の記憶もちゃんとありますから」
「それなら何故…」
戸惑っているロキに対して、翔は少しだけ苦笑しながら答えを出す。
「…どうやら僕、別の世界から飛ばされて来たみたいなんです……」
「そんな事って、あるんだね。ビックリしちゃったや」
信じてくれるだろうか…と迷いながら言った一言は、此方が拍子抜けしてしまうほどにアッサリと目の前の少年に受け入れられる。
「疑ったりはしないんですか?だって、僕らまだ出会ってから間もないのに…」
「まぁ、僕って結構嘘を見破るのは得意だからね…その手のものなら楽勝だよ、それにね」
そう言って、笑いながら彼は翔を眺め回している。まるで動物園の珍獣になったような気分でドキドキしながら彼はロキの次の言葉を待つ。
「こんな服装の人を見るのは僕も初めてだからね、是非とも元いた世界のことを教えて欲しいなぁ」
興味津々に尋ねてくるロキに対して、翔はなるほど、と納得して自分が今来ている部屋着のパーカーを改めて見返してみる。なんら変哲も無い普通のパーカーだ、しかしこれではこの氷原を乗り越えるのは困難であろう…だが、何故だか寒さを感じることはない。不思議なこともあるものなんだなぁ…と思いながら、日に銀髪を煌めかせて翔は笑って、僕の元いた所は特に面白いものがあるわけでもないですよ、と答えるが白雪に映えるような紫色の髪の少年の興味は尽きることがなく、次々と別方向の質問が飛んでくる。
流石にこれには耐えかねたのか翔はとうとう苦笑いになり、再び尋ねて流れを断ち切ることにした。
「それで…結局ここは何処なんでしょうか?」
その一言を聞いて、そういえばそうだったね…話が逸れちゃったや……と少しだけ笑いながら、ロキは自身のあまり広くない両腕を広げながら教えてくれた。
「此処はミッドガル、城壁に囲まれながら暮らす人々の為の世界さ」
「…ミッド……ガル?」
全く聞き覚えのないようなこの世界の名前に頭を傾げながらさらにもう一つ聞いてみる。
「それではあの木は一体…?」
「あれはユグドラシル…世界樹、なんて呼ばれるこの世界を支える樹の枝の一つさ」
「枝……?!あの大きさで、ですかっ?!」
あまりにも規格外すぎるスケールだ…と翔はただただ驚くことしか出来ない…そしてそれを何処か笑顔でロキは見ていた。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる