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北欧の章
北欧の章-3…雪原横断記
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雪と氷と真っ青な空がほぼ永遠に続いていきそうなこの雪原を、翔はロキの案内の元に歩を進めていく。そして翔はふと気になった事があって隣の少年へと問いかける。
「そういえば…此処って何処なんですか?」
「……え?」
その問いかけにロキは驚いて、翔の方を振り向いた。それはある意味当然の反応なのではあろう…何故なら海から流れ着いてきた、或いは長旅の果てに此処に辿り着いたという訳でも無いのに自分の居る場所を把握出来ていない、ということは……
「もしかして君って、記憶喪失だったりする…?」
「いえ、自分が何者かはハッキリと分かりますし、それにここ数日の記憶もちゃんとありますから」
「それなら何故…」
戸惑っているロキに対して、翔は少しだけ苦笑しながら答えを出す。
「…どうやら僕、別の世界から飛ばされて来たみたいなんです……」
「そんな事って、あるんだね。ビックリしちゃったや」
信じてくれるだろうか…と迷いながら言った一言は、此方が拍子抜けしてしまうほどにアッサリと目の前の少年に受け入れられる。
「疑ったりはしないんですか?だって、僕らまだ出会ってから間もないのに…」
「まぁ、僕って結構嘘を見破るのは得意だからね…その手のものなら楽勝だよ、それにね」
そう言って、笑いながら彼は翔を眺め回している。まるで動物園の珍獣になったような気分でドキドキしながら彼はロキの次の言葉を待つ。
「こんな服装の人を見るのは僕も初めてだからね、是非とも元いた世界のことを教えて欲しいなぁ」
興味津々に尋ねてくるロキに対して、翔はなるほど、と納得して自分が今来ている部屋着のパーカーを改めて見返してみる。なんら変哲も無い普通のパーカーだ、しかしこれではこの氷原を乗り越えるのは困難であろう…だが、何故だか寒さを感じることはない。不思議なこともあるものなんだなぁ…と思いながら、日に銀髪を煌めかせて翔は笑って、僕の元いた所は特に面白いものがあるわけでもないですよ、と答えるが白雪に映えるような紫色の髪の少年の興味は尽きることがなく、次々と別方向の質問が飛んでくる。
流石にこれには耐えかねたのか翔はとうとう苦笑いになり、再び尋ねて流れを断ち切ることにした。
「それで…結局ここは何処なんでしょうか?」
その一言を聞いて、そういえばそうだったね…話が逸れちゃったや……と少しだけ笑いながら、ロキは自身のあまり広くない両腕を広げながら教えてくれた。
「此処はミッドガル、城壁に囲まれながら暮らす人々の為の世界さ」
「…ミッド……ガル?」
全く聞き覚えのないようなこの世界の名前に頭を傾げながらさらにもう一つ聞いてみる。
「それではあの木は一体…?」
「あれはユグドラシル…世界樹、なんて呼ばれるこの世界を支える樹の枝の一つさ」
「枝……?!あの大きさで、ですかっ?!」
あまりにも規格外すぎるスケールだ…と翔はただただ驚くことしか出来ない…そしてそれを何処か笑顔でロキは見ていた。
「そういえば…此処って何処なんですか?」
「……え?」
その問いかけにロキは驚いて、翔の方を振り向いた。それはある意味当然の反応なのではあろう…何故なら海から流れ着いてきた、或いは長旅の果てに此処に辿り着いたという訳でも無いのに自分の居る場所を把握出来ていない、ということは……
「もしかして君って、記憶喪失だったりする…?」
「いえ、自分が何者かはハッキリと分かりますし、それにここ数日の記憶もちゃんとありますから」
「それなら何故…」
戸惑っているロキに対して、翔は少しだけ苦笑しながら答えを出す。
「…どうやら僕、別の世界から飛ばされて来たみたいなんです……」
「そんな事って、あるんだね。ビックリしちゃったや」
信じてくれるだろうか…と迷いながら言った一言は、此方が拍子抜けしてしまうほどにアッサリと目の前の少年に受け入れられる。
「疑ったりはしないんですか?だって、僕らまだ出会ってから間もないのに…」
「まぁ、僕って結構嘘を見破るのは得意だからね…その手のものなら楽勝だよ、それにね」
そう言って、笑いながら彼は翔を眺め回している。まるで動物園の珍獣になったような気分でドキドキしながら彼はロキの次の言葉を待つ。
「こんな服装の人を見るのは僕も初めてだからね、是非とも元いた世界のことを教えて欲しいなぁ」
興味津々に尋ねてくるロキに対して、翔はなるほど、と納得して自分が今来ている部屋着のパーカーを改めて見返してみる。なんら変哲も無い普通のパーカーだ、しかしこれではこの氷原を乗り越えるのは困難であろう…だが、何故だか寒さを感じることはない。不思議なこともあるものなんだなぁ…と思いながら、日に銀髪を煌めかせて翔は笑って、僕の元いた所は特に面白いものがあるわけでもないですよ、と答えるが白雪に映えるような紫色の髪の少年の興味は尽きることがなく、次々と別方向の質問が飛んでくる。
流石にこれには耐えかねたのか翔はとうとう苦笑いになり、再び尋ねて流れを断ち切ることにした。
「それで…結局ここは何処なんでしょうか?」
その一言を聞いて、そういえばそうだったね…話が逸れちゃったや……と少しだけ笑いながら、ロキは自身のあまり広くない両腕を広げながら教えてくれた。
「此処はミッドガル、城壁に囲まれながら暮らす人々の為の世界さ」
「…ミッド……ガル?」
全く聞き覚えのないようなこの世界の名前に頭を傾げながらさらにもう一つ聞いてみる。
「それではあの木は一体…?」
「あれはユグドラシル…世界樹、なんて呼ばれるこの世界を支える樹の枝の一つさ」
「枝……?!あの大きさで、ですかっ?!」
あまりにも規格外すぎるスケールだ…と翔はただただ驚くことしか出来ない…そしてそれを何処か笑顔でロキは見ていた。
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