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1章
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しおりを挟むゆっくり目を開ければ振り上げた母親の腕を掴む優人さんの姿
そしてかずさんが俺に近付き「なつ!大丈夫?怪我はない?」と俺の顔を覗き込む
それに頷けば「よかった」と安心した表情になる。
すると母親はすぐにハッとして自分の腕から優人さんの手を振り払う。
「何なのあんた達!勝手に人の家に入って!出ていきなさいよ」
なんて大声で叫ぶ
するとかずさんが俺の前に立ちながら言う
「なつくんと一緒に来たんです。この状態で出て行く事は出来ません。」
それを聞いた母親は
「あんた、、、こんな人達連れてきてどういうつもり!」
そう言いながら俺に向かって来ようとする
それを俺の前に立っているかずさんが阻止する
こわくて手が震える、、、
するといつの間にか隣にきていた優人さんが俺の手を握ってきた
それだけで安心感が俺を包んだ
そうだ、、、今の俺には心強い味方がいる
この生活から抜け出す為にも俺が終わらせないと.....
〈俺はもう身体を売る事をしたくない。あなたの言いなりになりません。〉
そう書かれた紙を母親に渡す
それを見た母親は紙を破り捨てながら叫んだ
「産んでやったんだからお前が私にこれぐらいするのは当然だろ!それなのにもうやらないなんてふざけんじゃない!お前みたいな役立たずはずっと股ひらいて男に媚び売っとけばいいんだよ」
すると俺の隣にいた優人さんが怒鳴る
「産んでやったんだから当然だと?ふざけんのも大概にしろよ、、、ろくに愛情も与えずに暴言暴力浴びせといてよくそんな事が言えるな。なつはお前の操り人形なんかじゃない。」
アルファである優人さんの圧に母親は一瞬怯んだ様子を見せたがすぐにニヤッと笑えば
「オメガのこいつなんかに愛情が芽生えるわけないだろ。あーなに?お前もこいつと寝たの?それで欲しくなった?目障りで消えて欲しかったからいいよ、お前にくれてやるよ。ただし金は貰うから。」
そんな母親の言葉に優人さんの手が震えているのが見えた
顔を見上げれば今にも殴りかかりそうなのを必死に抑えているようだった
そんな優人さんの手を反対の手でもそっと握ると優人さんの視線が俺に向く
"大丈夫.....俺は大丈夫だから....."
そう思いながら優人さんの目を見れば、まだ怒りを含んでいるけれど辛そうな泣きそうなそんな顔をする。
そして僕を抱きしめると震える声で言った
「どうせ大丈夫とか気にしないでとかそんな事言いたいんだろうけど、なつは今、傷付いた辛い悲しいそんな顔してるんだよ。」
そんなわけがない。だって物心ついた時から母親はあんなで愛情なんて貰えないと分かっていた。あんな暴言当たり前だったんだから、、今更あんな事言われて傷つくわけが、、、
そう思っていれば次々溢れ出してくる涙
おかしいな、、、なんで泣いてるんだろう
そう思って必死に目を手でこする
するとそっと離れた優人さんがその手を掴み「そんなに擦ったらダメだ、、、」そう言いながら自分の胸元に引き寄せた
そして俺に話しかけた声とは随分違う低い声で「消えて欲しかったって言うけど消えるのはお前の方だよ。」そう言い放った
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