勘当された少年と不思議な少女

レイシール

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 第6章 旅館

第146話 他人の案

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「ベルクさん、他人の案がばれた理由って、何がきっかけだったの?」

 ティアナがふと何かに気づいたように尋ねた。確かに……。

「確かに……私たちも言わなければわからないのに、どうやってバレたんだろう?」
 アリーも同じ疑問を抱いたようで、首を傾げる。そこで俺も口を開く。

「ベルクさん、どうしてそれがばれたんですか?」

「あぁ……僕の国ではね、自分で案を作ったら、いろいろ質問されるんだ。そこで何か一つでも答えられなかったら『他人の案かもしれない』って疑われる」

「そうなの?」

「うん。だって他人がどうしてその案を作ったのかなんて、本人じゃなきゃわからないだろ? ただ、なんでその案を“もらった”のかは聞かれるけど……」

「あぁ……そっか。もし理由もなくもらってたら、奪ったり脅したりした可能性があるってことか?」
 俺がそう言うと、ベルクがコクリと頷いた。

「そう。昔、一度そういう事件があったんだ。それ以来、ちゃんと理由を確認するようになった」

「なるほど……そういうことか」

 俺が納得していると、今度はアクオスがベルクへ視線を向ける。

「じゃあさ、自分の案を他人に渡すのは問題ねぇのか?ほら……目立ちたくねぇから他人に譲るって話、聞いたことあるぞ?」

「あぁ、それ。渡すときは『この人に譲る』っていう書類を書くんだよ。偽造できない特別な紙でね」

 なんだか難しい話だが……。

「要は、大事な書類には偽造できない紙を使うってことで合ってるか?」

 俺が確認すると、ベルクは少し気まずそうに笑いながら、

「まぁ……そんな感じで合ってるよ」

 と返してきた。

 その答えに、俺たちは顔を見合わせ、ほっと息をつく。

「じゃあ……そんな事が見つかったら、結構な罰を受けるの?」

「まあね。軽くて鉱山2年、重いと鉱山10年に……罰金10万円」

 えっ!?
 俺の背中に嫌な汗が流れた。顔から一気に血の気が引いていく。

「そ、それは……金持ちや貴族ならともかく、平民だと一生かけても返せないかもしれないな……」

 口にした途端、ひゅっと空気が冷えた気がした。
 みんなも俺につられたように、同時に青ざめていく。

「……マジかよ……」
 アクオスの低い声が、妙に耳に残る。

 罰の重さに、誰も言葉が続かなかった。



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