勘当された少年と不思議な少女

レイシール

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 間章

第77話 山道

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 アリーに挨拶をしてから、俺は馬車引きにも声をかけた。

「馬車引きさん、おはようございます」

「おう、よく眠れたか?」

「はい……おかげさまで、ぐっすりでした」

 俺たちは礼を言ってから、気になっていたことを聞いてみた。

「あと、どのくらいで次の町に着きそうですか?」

「ん?あぁ、何事もなけりゃ夕方ごろには着くはずだよ」

「そうなんですね。ありがとうございます」

 アリーが続けて、興味ありげに聞いた。

「あっ、その町では……馬車の乗り換えってできますか?」

「うーん、行き先によるかな?」

 馬車引きがそう言うのを受けて、俺が口を挟んだ。

「最終的な目的地は、ハンテットなんです」

「なるほどな。だったら、次の町で一度降りたほうがいいな」

「えっ、別の行き方があるんですか?」

 アリーが身を乗り出すようにして聞き返すと、馬車引きは少し言いにくそうな表情になった。

「あぁ……確かに早く着く道はあるけどな。そっちは山道だ」

「山道?」

 アリーが首をかしげる。

「そう。俺の馬車は街道沿いを行く。でも次の町で乗り換えれば、山道を使うルートに行ける。ただ……ガタガタ揺れるし、登ったり下ったりが多い。体にこたえるかもしれないぞ」

 俺はなるほどと頷きながら、アリーに視線を向けた。

「……どうする?」

「私はどっちでもいいけど……ランは、どっちがいいの?」

「俺?うーん、山道って聞くとちょっと興味はあるけど、無理してまで乗りたいわけじゃないな」

 そう答えると、アリーはにこっと笑って言った。

「じゃあ、山道にしようか」

 その一言に、俺は思わず絶句した。

「え、アリーって……馬車が揺れても平気なの?俺、けっこう酔うかもって思ってたんだけど……」

「平気だよ。私、もともと山の多いところで育ったから、ああいう道には慣れてるの。逆に……ランの方が平気か心配だけど……」

「ゔ……はじめてだから分からない。でも……乗ってみたい気持ちは、あるんだ」

 そう言うと、アリーは小さく笑いながら、ぼそっと何かを呟いた。

 ……でも、その言葉は小さすぎて俺には聞こえなかった。


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