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死後の世界
再会。Ⅲ
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ミノルは大声を出さずに入られなかった。これまで自分を苦しめ、悩ませ続けた相手が今ここに現れたからだ。
しかし同時に彼との生前の関係上やはり、うれしさも堪えずにはいられなかった。
「悟!やっぱりそうだと思ったんだ!なぜ死んだ!?なぜ微笑みながら死んだ!?なぜ今ここにいるんだ!?」
ミノルの感情があふれ出た。今まで溜まりに溜まった疑問とそして最後には彼との再会を喜んだ。
ミノルの頬から涙がはじけ飛ぶ。おお!おぉ!彼は叫んでいた。そして最後に湧き出る感情はどうしても親友という関係上から来るうれしさだった。
「よかった・・・また会えた・・・話したいことが山のようにあるんだ。」
涙声になりながらミノルは言う。一方のサトルはただ微笑んでミノルを見ているだけであった。
「そうか。君も来たんだね。僕も会えてうれしいよ。」
サトルの声は冷静だった。しかし、その中はやはりミノル同様うれしさが含まれていた。
この二人の一瞬のやり取りにナオミは混乱した。このやり取りから二人は、降って来た男という共通点以外にも共有する関係を持っていると読み取れたからだ。
「まって!サトルさんとこの人は知り合いなの!?」
ナオミはこの奇跡に興奮した。自分が助けた二人の男が共通の知り合いだという。やはり降って来た人は天からの贈り物なのかもしれないとナオミは思った。
「ごめんね。ナオミちゃん。ちょっと外で話してくるよ。男同士の話し合いってやつさ。中で本でも読んでてよ。」
サトルはナオミに優しい声色で伝えるとミノルにアイコンタクトを取ってきた。ミノルは親友の意図を察知し、サトルと共に家の外から少し離れた場所まで歩いていった。
ミノルはナオミに声が聞こえないであろう位に距離をとってからその抑えきれない感情を爆発させた。彼はサトルに抱きついた。サトルはそれを優しく受け止めた。
「ごめんね。悪かったよ。僕のせいだね。」
サトルはそういいながらミノルの背中を優しい手つきでなでた。ミノルはおいおいと泣いた。
その涙には、親友に対する少しの恨みと大きな喜びが含まれていた。彼は元居た世界では、サトルの”死”について考えることで大いに苦しみ悶えたが、今、親友の姿を目の前にし抱擁を交わすとその苦しみはすぐにしぼんで小さくなっていった。
「あぁ!お前のせいだ・・・でも、もういい!やっと会えたんだ!」
ミノルはずっと彼に会いたがっていた。彼の”死”について考えるとき必ず、再会したいと思っていながら苦悩していた。そしてきっと死の理由や状況について問いたださなければならないと考えていた。
二人は抱擁を終えると、お互いを眺めた。最初に口を開いたのはサトルだった。
「またいつもみたいに二人で話そうか。」
彼の姿を眺めると元の世界の彼、そのままの姿であった。色は白く、背はミノルよりも少し小さい。黒い髪の毛、黒のスキニーに白いワイシャツ。そしてなによりも、世の中を儚んだようなその瞳がまさしくサトルであると証明していた。
そして彼は微笑んだ。
しかし同時に彼との生前の関係上やはり、うれしさも堪えずにはいられなかった。
「悟!やっぱりそうだと思ったんだ!なぜ死んだ!?なぜ微笑みながら死んだ!?なぜ今ここにいるんだ!?」
ミノルの感情があふれ出た。今まで溜まりに溜まった疑問とそして最後には彼との再会を喜んだ。
ミノルの頬から涙がはじけ飛ぶ。おお!おぉ!彼は叫んでいた。そして最後に湧き出る感情はどうしても親友という関係上から来るうれしさだった。
「よかった・・・また会えた・・・話したいことが山のようにあるんだ。」
涙声になりながらミノルは言う。一方のサトルはただ微笑んでミノルを見ているだけであった。
「そうか。君も来たんだね。僕も会えてうれしいよ。」
サトルの声は冷静だった。しかし、その中はやはりミノル同様うれしさが含まれていた。
この二人の一瞬のやり取りにナオミは混乱した。このやり取りから二人は、降って来た男という共通点以外にも共有する関係を持っていると読み取れたからだ。
「まって!サトルさんとこの人は知り合いなの!?」
ナオミはこの奇跡に興奮した。自分が助けた二人の男が共通の知り合いだという。やはり降って来た人は天からの贈り物なのかもしれないとナオミは思った。
「ごめんね。ナオミちゃん。ちょっと外で話してくるよ。男同士の話し合いってやつさ。中で本でも読んでてよ。」
サトルはナオミに優しい声色で伝えるとミノルにアイコンタクトを取ってきた。ミノルは親友の意図を察知し、サトルと共に家の外から少し離れた場所まで歩いていった。
ミノルはナオミに声が聞こえないであろう位に距離をとってからその抑えきれない感情を爆発させた。彼はサトルに抱きついた。サトルはそれを優しく受け止めた。
「ごめんね。悪かったよ。僕のせいだね。」
サトルはそういいながらミノルの背中を優しい手つきでなでた。ミノルはおいおいと泣いた。
その涙には、親友に対する少しの恨みと大きな喜びが含まれていた。彼は元居た世界では、サトルの”死”について考えることで大いに苦しみ悶えたが、今、親友の姿を目の前にし抱擁を交わすとその苦しみはすぐにしぼんで小さくなっていった。
「あぁ!お前のせいだ・・・でも、もういい!やっと会えたんだ!」
ミノルはずっと彼に会いたがっていた。彼の”死”について考えるとき必ず、再会したいと思っていながら苦悩していた。そしてきっと死の理由や状況について問いたださなければならないと考えていた。
二人は抱擁を終えると、お互いを眺めた。最初に口を開いたのはサトルだった。
「またいつもみたいに二人で話そうか。」
彼の姿を眺めると元の世界の彼、そのままの姿であった。色は白く、背はミノルよりも少し小さい。黒い髪の毛、黒のスキニーに白いワイシャツ。そしてなによりも、世の中を儚んだようなその瞳がまさしくサトルであると証明していた。
そして彼は微笑んだ。
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