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20 別視点
ずっと何かが足りないと求めていたが、その求めているものが何かも分からず、もどかしさを抱えて生きてきた。
気が付いた時には周りに同族はおらず独りだった。それから今まで数回、同レベルの強さを持つ者に会うこともあったが、自らが求めているものとは違う。
違う事だけはハッキリしている。
違う事が分かっていれば関わることも、近づくことにも抵抗があり、向こうがどんな目的でも関係なく遠ざけてきた。
不思議だった、近づいてくる者は力を得るため闘いを求めてくる者や、強い後継を残したいと望む者など様々な理由があるようだったが、自身にはそんなものに対する興味も関心もない。
ただズルズルと時が過ぎ、気付けば300年以上。さすがにもう求めても得られないだろうと徐々に諦めていた。
そんな時に突然感じた心を震わせる何かの存在。
―― なんだ? これは これか? どこに? ――
微かな感覚を頼りに急いで駆けつける。
―― 早く! 急がなければ! もしも消えてしまったら ――
これまでの訳も分からず感じてきた喪失感を、たった一瞬で消し去る何か
―― 失いたくない 失うわけにはいかない! ――
丸1日走り続け徐々に近づく不思議な気配。
このまま近づいて恐れて嫌われたらどうしよう、ふとそんな考えが頭を過ぎり、柄にもなく怯えてしまう。
どうするべきか。まずは気付かれないよう慎重に気配を探ってみる……と、どうやらかなり頑丈な結界に守られているようで、神獣として強大な力を持つ自身でさえも、はっきりと掴むことが出来ない。
ただとてもチグハグで、気配はとても小さいのに、魔力は膨大なように感じる。
近づくたびに期待と不安でいっぱいになり、もしもを考え念の為少し離れた所で待機、こちらに気付いてもらえるのを待つことに。
今までの訳の分からない不安に比べたら、〈求めていた存在が近くに在る〉ただそれだけで心が満たされる気がする。
夜が明けしばらくすると、ほんの少しだが気配が強くなり、思わず身体が反応してしまう(し、尻尾が……)
なんてことだ、ここまで自身の感情の制御が出来ないのは初めてのことで困惑してしまう。
いきなり姿を見せて怯えさせない様に動かず時を待つしか出来ない事に歯痒さを感じるが、敵意が無いことを分かってもらい、傍にいさせて貰う……いや、契約をしてもらおう!
そのために必要な事ならばどんな事でも耐えてみせる!
ようやくその目に映ることが出来た。これほどの喜びとは。
その存在はとても小さな人の子でありながら膨大な魔力を持っていた。動かずじっとしていた事が功を奏したのか、怯えられる事はなく一安心したが……ん? 待て待て、どこを気にしている?
うっかり人の子にばかり意識が集中していて、気付いたら人の子にほど近い所にオークが一匹! 気付いた時には小さな人の子の魔法でオークは瞬殺……。
視線が逸らされる度にショックを受けていたなど神獣でありながら、小さな人の子に申し訳がなさすぎる。
契約してもらうためには、役に立つことを証明しなければ! 手伝いを申し出てみよう。
フフフ……こんなにも満たされた幸せを感じる事が出来るとは。願いが叶い契約して貰うことが出来た。
小さな人の子の名は《エア・ルミナード》、契約している者を(家族)として大事にしてくれる、とても優しく小さくとっっっても可愛いのだ! 今も小さな身体で色々採取すると言ってあっちにこっちに忙しく動いている。
んん? ……エアよ、今何をした? ……魔法? そ、そうか……初めて見る使い方だ……不思議な子だ。
ちょっと待て、あまり手をサワサワと動かすな。ちょ、ちょっと、ホントに力が抜けるからやめて。
エアの口から寂しかったという言葉が出て来てビックリしてしまった。
出会ってから僅かな時間だが、ニコニコと可愛く笑って小さな身体を感じさせない位チョコチョコと動き働いていたのでウッカリしていた。
いきなり知らない世界に1人きりでさぞ不安を感じていただろう。
これからは傍にいて何があっても守ってやるから心配ないぞ。安心して笑っていてくれ。
ただ、出来ればサワサワするのは、時と場合により控えてくれると有り難いのだが?
気が付いた時には周りに同族はおらず独りだった。それから今まで数回、同レベルの強さを持つ者に会うこともあったが、自らが求めているものとは違う。
違う事だけはハッキリしている。
違う事が分かっていれば関わることも、近づくことにも抵抗があり、向こうがどんな目的でも関係なく遠ざけてきた。
不思議だった、近づいてくる者は力を得るため闘いを求めてくる者や、強い後継を残したいと望む者など様々な理由があるようだったが、自身にはそんなものに対する興味も関心もない。
ただズルズルと時が過ぎ、気付けば300年以上。さすがにもう求めても得られないだろうと徐々に諦めていた。
そんな時に突然感じた心を震わせる何かの存在。
―― なんだ? これは これか? どこに? ――
微かな感覚を頼りに急いで駆けつける。
―― 早く! 急がなければ! もしも消えてしまったら ――
これまでの訳も分からず感じてきた喪失感を、たった一瞬で消し去る何か
―― 失いたくない 失うわけにはいかない! ――
丸1日走り続け徐々に近づく不思議な気配。
このまま近づいて恐れて嫌われたらどうしよう、ふとそんな考えが頭を過ぎり、柄にもなく怯えてしまう。
どうするべきか。まずは気付かれないよう慎重に気配を探ってみる……と、どうやらかなり頑丈な結界に守られているようで、神獣として強大な力を持つ自身でさえも、はっきりと掴むことが出来ない。
ただとてもチグハグで、気配はとても小さいのに、魔力は膨大なように感じる。
近づくたびに期待と不安でいっぱいになり、もしもを考え念の為少し離れた所で待機、こちらに気付いてもらえるのを待つことに。
今までの訳の分からない不安に比べたら、〈求めていた存在が近くに在る〉ただそれだけで心が満たされる気がする。
夜が明けしばらくすると、ほんの少しだが気配が強くなり、思わず身体が反応してしまう(し、尻尾が……)
なんてことだ、ここまで自身の感情の制御が出来ないのは初めてのことで困惑してしまう。
いきなり姿を見せて怯えさせない様に動かず時を待つしか出来ない事に歯痒さを感じるが、敵意が無いことを分かってもらい、傍にいさせて貰う……いや、契約をしてもらおう!
そのために必要な事ならばどんな事でも耐えてみせる!
ようやくその目に映ることが出来た。これほどの喜びとは。
その存在はとても小さな人の子でありながら膨大な魔力を持っていた。動かずじっとしていた事が功を奏したのか、怯えられる事はなく一安心したが……ん? 待て待て、どこを気にしている?
うっかり人の子にばかり意識が集中していて、気付いたら人の子にほど近い所にオークが一匹! 気付いた時には小さな人の子の魔法でオークは瞬殺……。
視線が逸らされる度にショックを受けていたなど神獣でありながら、小さな人の子に申し訳がなさすぎる。
契約してもらうためには、役に立つことを証明しなければ! 手伝いを申し出てみよう。
フフフ……こんなにも満たされた幸せを感じる事が出来るとは。願いが叶い契約して貰うことが出来た。
小さな人の子の名は《エア・ルミナード》、契約している者を(家族)として大事にしてくれる、とても優しく小さくとっっっても可愛いのだ! 今も小さな身体で色々採取すると言ってあっちにこっちに忙しく動いている。
んん? ……エアよ、今何をした? ……魔法? そ、そうか……初めて見る使い方だ……不思議な子だ。
ちょっと待て、あまり手をサワサワと動かすな。ちょ、ちょっと、ホントに力が抜けるからやめて。
エアの口から寂しかったという言葉が出て来てビックリしてしまった。
出会ってから僅かな時間だが、ニコニコと可愛く笑って小さな身体を感じさせない位チョコチョコと動き働いていたのでウッカリしていた。
いきなり知らない世界に1人きりでさぞ不安を感じていただろう。
これからは傍にいて何があっても守ってやるから心配ないぞ。安心して笑っていてくれ。
ただ、出来ればサワサワするのは、時と場合により控えてくれると有り難いのだが?
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