まさか転生? 

花菱

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「なあ……ちょっとで良いからキレイにしないか?」

「……そうですね、ちょっと酷すぎます」


 わたしは早々に4人の汚れを諦めて(所詮は他人事なので!)距離をとっていたんだけど、やっぱり当人達は耐えられなかったらしい(まぁ、気持ちは分かる)。
  
 便利な魔法(クリーン)があるんだから使えば良いのにね? と軽く考えていたんだけど、どうやら皆のクリーン魔法は完璧ではないらしく表面的にしかキレイにならないんだって!

 魔法にはイメージが重要って事を知ってからは何度も練習する事で多少の改善は出来たそうなんだけど、わたしの魔法ほどの効果はないそうで今回のような場合、表面はキレイになるけど中が汚れたまま。(なにそれ意味がない……)


「エアちゃ~ん、お願いします!」

「はいは~い。ついでにみんなキレイにしちゃおうか、全員集合♪ 行くよ《クリーン》!」

「ほわぁ~、やっぱり全然違うね~。1回で完璧スッキリさっぱりだよ」

「さすがですね。もっと練習しなければ」





 ベトベトもなくなりスッキリしたら、スライムの倒し方講習をしながら1人で待たせているシエルの所へみんなで移動。

「一突きで良いなんて……」

「でもその狙うべき場所が難しそうだ……だが、数がいる今が練習に向いているのも確かだ」

「シエルちゃんの所で確実に身につけるぞ~」

「……汚いのはもう嫌だ!」

 おぅ……ライルさん本当に嫌なんですね……まぁ、その気持ちは分かるけど。



「シエル~、ごめんねお待たせ。さてどこに……ってホントに多いね。これって最近依頼を受ける人がいないのかな?」

 目の前のスライムはどう見ても20匹以上いるように見える……これだけいるとちょっと気持ち悪い。



「簡単なだけに安いから、もしかしたら……受ける奴らがいないのか?」

「ですがコレでは暴食の被害が始まりかねません」

「やっぱりこれは要報告だね~」

「でもスライムの魔石も使い道は色々あるのに、こんなに大量に増えるほど放置するなんてもったいないね~。ザックさん、この魔石わたしが少し買ってもいい?」

「……なにするの?」

「ん~? まだ決めてないけど、何かできないかなって思ってね。魔道具とかって、私は魔力だけで強引にしちゃうけど普通は魔石も使うんでしょ?」

「詳しい事はよく分からんが、確かそうらしいぞ? あと魔石は好きにして良いからな?」

「冒険者の防具とかでも色々な素材を混ぜ込むと聞きますし、魔道具も同じでしょう」

〔エア、まだ倒しに行かないのか?〕

〔〔〔〔〔〔まだ~?〕〕〕〕〕〕

「そうでした! さてザックさん達、スライムの倒し方よく見ててね~。
 まずはこのように手頃な棒切れを持ちます、注意すべき事は木の毛羽立ち等で手を怪我しない事です。
 狙うは大体スライムの中心にある核。そこを……ていっ! このように正確に打ち抜く事が出来れば反撃される事もベトベトになる事もなくキレイに倒せるんですよ♪」

「「「「おお~!」」」」

「打ち抜く力もそれほど強くなくて大丈夫。身体から核が抜ければ良いからね」

「なるほど…よし、やってみるか!」

「エアちゃん、もし『こうした方が良い』って事があったら教えて~?」

「は~い。ビャク達も見て何か気付いたら教えて?」

〔〔〔〔〔〔まかせてっ!〕〕〕〕〕〕




 それからスライム討伐実戦訓練の結果。4人とも最初は失敗ばかりだったのに徐々に的中率が上がって、最終的にはほぼ成功。おそらく次回スラムと対峙する事になった時は完璧に討伐できるだろうと思えるまでになった。

 この倒し方が冒険者に広まれば、それこそ登録したての新人さんには楽に稼げる美味しい依頼になるだろう。(だって武器は棒切れだから!)
 もちろん危険は付きものなので油断は禁物だけど、そこは冒険者として皆さん頑張ってください!




「たった2カ所でこの量ですか……スライム討伐は常設依頼、ですがなかなか受ける冒険者がいない事は気付いていました。それがこれほどの数にまでなっているとは、油断していましたね。
 他にもこの様なところがないか調査の依頼を出しましょう」

 外から戻ってきて一番にした事は勿論ギルドへの報告! 報告を聞きサブマスのハンスさんは大反省で、ギルマスさんはといえば……。

「スライムなぁ~、強くはないが汚れるし報酬が安いってんで人気がないんだよなぁ~。
 大体魔石つってもスライムは小さいから他の魔物から取った方が量も質も良いってんで、大概が新人の仕事なんだがそれもすぐにしなくなるんだよなぁ」

 なるほど。生きていくためには受けても儲けにならない依頼より、少しでも儲かる方に手を出すのは当然の事か。


「あ、それだけど、スライムってキレイに倒せるぞ」

「「………………は?」」 

「エアさんは一度も汚れてませんからね」

「あれには驚いたよ~。終わってみたらエアちゃん1人、本人も周りもキレイなんだもん」

「「…………え?」」


 ザックさん達から突然投げられた言葉。簡単な内容だけど今までの常識を覆す内容に頭が追いつかず、さすがのハンスさんまでポカ~ン顔になっちゃった!?
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