現代にダンジョンが出来たけど思ったより馴染んでいるようです

二兎凛

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第一章「チュートリアルダンジョン」

第十一話「その頃、部屋では」

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肇がダンジョンの2層でダンジョンウルフと戦っているその時、肇の部屋に佳乃が入ってきた。

「お兄ちゃーん!ってあれ?いない?」
私はお兄ちゃんに聞きたい事があったから部屋に来たのはよかったんだけど肝心のお兄ちゃんが部屋にいなかった。

もしかするとダンジョンに行ったのかも!
と考えているとお兄ちゃんの机の上に変な本が置いてある事に気が付いた。

「なんの本だろ?読むくらいならいいよね!」
いつもお互いに漫画貸し借りしてるから読んだところで怒られないし、私も怒らないし大丈夫!

そうして私は本を読み始めた。

「あれ?何て書いてあるのかわかんな」
その瞬間に本が光はじめ、私の頭の中に大量の情報が流れ込んできた。

(ファイヤー、ウォーター、ウインド、ライト、ダークを取得しました。)
ダンジョンで聴こえてきた謎の声が私の中で響いた。

私の持っていた本がボロボロとなって気が付けば消えてしまっていた。

私、やっちゃった?

とりあえず情報を整理しなきゃ!

多分私が覚えたのは魔法だと思うんだけど、本を読んだ時に流れ込んだ情報だと5つの魔法を覚えたんだと思う。

それと魔法の使い方も3種類あるみたいで詠唱をしない無詠唱
これは心の中でその魔法を使いたいと念じる事で使えるみたいだけどその分威力が抑え目になっちゃうみたい。

その次は簡易詠唱で魔法の名前をそのまま言うだけでいいみたい。
威力はこれを基準で考えればいいみたい。

最後は完全詠唱で最初の魔法なら完全詠唱しても簡易詠唱と詠唱自体はあんまり変わらないみたい。
でも威力はこっちのほうが大きいらしいから威力が欲しいならこっちかも!

私の頭の中にある完全詠唱はこの5つで
『燃え盛れ、ファイヤー』
『湧き出せ、ウォーター』
『吹き荒れろ、ウインド』
『光よ照らせ、ライト』
『闇に包め、ダーク』
ぶっちゃけ中二病だこれ!!!
簡易詠唱のほうだと最初の中二病部分を消すだけでいいみたい!
あとは、詠唱の言葉をただ喋るだけじゃなくて、魔法を使うという事をちゃんと意識した上で詠唱しないと意味がないみたい。
暴発の心配は無いから安心かな?

魔法を試してみたいところだけど、魔法を使っても大丈夫なのかが分からないから、お兄ちゃんが戻って来たら頼んでみようかな?

それよりも勝手に本読んだ事怒られるかな。

机におきっぱにしたお兄ちゃんがいけないんだ、うん、そういうことにしとこう!
「って言いたいところだけど・・・」
流石に消えるなんて予想してなかったし、素直に謝っておこう。

と言うよりも消えるなんて想定出来る方がおかしいかな?
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