232 / 411
新学期!!
嫌な現実
しおりを挟む
「複数人が夜通し性交する会です。夜会の準備、僕らは仕込みと言いますが、そのターゲットをゲストと呼び、毎回誰を餌食とするか話合います。参加者は毎回違うのに、誰もが一番最初に君の名前を上げる、ここまで言えば分かりますね。君が恨みを買っていると思っている相手は、大半が君を殴りたいのではなく、犯したいと思っているのですよ」
信じたくない事実に後悔しかないが、胸くその悪さを口には出さず、柏木に尋ねる。
「……先輩が……過保護って、どういう意味なんだ」
夜会だか何だか知らないが、その一端は香月たちの絡みで夏休みに経験済みだ。だが、冗談で言っているように見えない柏木の言い方が不気味で……慣れる気のない不快感を消したくて、先輩の事を持ち出す。
「入学初日に金城先輩と面識を持てたのは、君にとって何よりの幸運だったと言えます」
柏木に言われなくても知っている。先輩と出会えたのは、オレの人生最大の幸運だ。そう胸を張って同意すると「それは何よりです」と軽く流されてしまった。
「僕の実体験を語るとですね、君を気に掛けていらした金城先輩に、仕込みの最中、何度も遭遇しては注意を受けました。『セイシュンはお前らとは違うぞ』と」
仕込みの最中って……知らない所で、お前につけ狙われてたのか。
「君をゲストにと望む声が多かったのもありますが、僕としては是非会長に夢を叶えて頂きたかったのですよ。君をこちら側に引きずり込めば、金城先輩もお付き合い下さるのではと思いまして」
どうやらオレは、変態の宴の供物として拉致られる所だったらしい。柏木との実力差を考えると、先輩がいなかったら確実にその夜会のゲストとして、夏休みに見てしまったビデオに録画された向田のような悲惨な目に遭っていただろう。ぞっとしながらも、そこから考えられる最悪の事態に気付き、オレは柏木に詰め寄った。
「注意って、まさか、先輩お前を何か、その、殴ったり……したのか?」
一人で出歩く時に感じた居心地の悪さを思い出す。柏木の言う事が事実に近いなら、オレが今の今まで無事に過ごせているのは全て先輩のおかげだ。オレを見ていた奴らが何もしてこなかったのは先輩の影があったから。
笹倉の件だけでも十分ヤバイのに、一人や二人ではなさそうな、変態のクソ野郎共を全部、全員先輩が押さえつけていたなんて……久保に知られたら何もかも終わってしまう。
「大丈夫ですよ。その心配は無用です」
きっと真っ青な顔をしているだろうオレに、柏木は穏やかな表情を向けてきた。パッと見、無関係の人間を拉致って変態共の餌食にしようと画策する人間だとは思えないが、間違いようもない極悪人は、オレの不安を理解した上で口を開いた。
「君を夜会にお誘いしようと狙いを定めていますと、後ろから肩を叩かれるんですよ。金城先輩がしたのはソレだけです。恐らく、僕以外のよこしまな輩にも同じ事をされたのではないでしょうか」
「かたを……肩を叩かれるって、こうか?」
手を伸ばして柏木の肩を全力で叩いてやる。柏木は避ける事も出来ただろうに、それをせず、にこやかに「もっと、ソフトにです」と答えた。
「僕は多少腕に自信がある方なのですが、金城先輩の気配は全く気付けませんでした。きっと、ずっと君を見守っていたんでしょうね。何度も肩を叩かれては、懇懇とお説教されて、君の事は諦めさせられました」
ずっと見守っていた……なんて、こいつの口からじゃあなかったら、素直に喜べたのに! いや違う、どれだけ先輩に迷惑かけてんだオレは。
「話を戻しましょうか。君を山野辺君が見つけたのは、六岡君がそうなるよう仕向けたのだと思います。それは、手帳を盗んだのが六岡君だという証拠でもあります」
自己嫌悪となんとも言えない高揚感の間で、ふわっふわしていたオレを『手帳』という単語が現実に引き戻した。
メイドが手帳を盗んだのは確定か。なら、会長の手に渡る前に取り戻せばセーフだな。あのメイドが相手なら、それは容易だろう。善は急げと奴を捜す為、立ち上がろうとしたオレを柏木は制した。
「既に六岡君の手に手帳はないでしょう。言っておきますが、今回の件は会長とは無関係ですよ」
「どういう意味だ?」
焦る気持ちを抑えて慎重に尋ねると、柏木は何かを誤魔化すように、困り顔で笑うばかりで口を閉じてしまった。
「会長が関係ないなら、誰が関係してるんだ。今、誰が手帳を持っているのか、頼む教えてくれ」
極悪人にも多少の情けはあるようで、こちらが必死に頭を下げると、迷いながらも再び口を開いた。
「先ほど、会長がご説明されたお怒りの理由を覚えていますか?」
先輩にとって大切な手帳を一日と経たず紛失した事に怒ったんだろ。オレが会長だったら、オレの事なんかあの場でぶっ殺してたよ。
「随分と激しい反省ですね。いえ、そちらではなく、今お話したいのは一つ目の理由についてです」
最初に言われた事を思い出す。確か『一つは私に恥をかかせた』だったかな。二つ目は全ての言葉に打ちのめされたが、最初に言われた方は全く意味が分からなかった。手帳を託してくれた会長の信頼を裏切った事が、会長のプライドを傷付け、恥や屈辱に繋がってしまったのだろうか。
「一つ目は君の事ではありません。会長は六岡君の事を言っていたのです」
柏木が何を言いたいのか分からず、オレは首を傾げる。メイドの件が原因で、会長はオレに激怒したって事か?
「君は意図せず、六岡君の裏切りを会長に告げたんです。会長は六岡君に手帳を奪えと指示は出していません。君が手帳を持っている事も知らせてはいませんでしたが……偶然目にする機会でもありましたか?」
手帳の扱いが適切であったか、冷たい目を向けられ、思わず呻いてしまった。
「先輩に手紙、書くのに、手帳を一枚破った……から、その時に見られたかも」
「『かも』は必要ありませんね」
会長だけでなく、目の前の男も静かにお怒り中だった。声と表情は穏やかなくせに、目だけが笑っていない。
「裏切りって事は、誰かに寝返ったのか……メイドは会長ではなく他の奴の為に手帳を盗んだ?」
「状況から考えるとそうなります。今、手帳を持っているのは、葛見光樹でしょう」
聞き覚えのある名前だったが、すぐには思い出せなかった。すると、柏木が旧館の寮長の事だと補足してくれる。
「なんで、寮長が手帳を欲しがるんだよ。訳分かんねぇ」
全く読めなかったが、あの手帳には一体何が書いてあったんだ。理解が追いつかず、オレは頭を抱えた。
「僕も詳しくは知りません。ただ、彼と……六岡君自身もですね、彼らと金城先輩には浅からぬ縁があるようです。山野辺君の様子を見るに、あまり親しいとは思えませんし、あの手帳を六岡君が回収したと言う事は、圏ガクに来る前の金城先輩と何らかのトラブルがあったのかもしれないと僕は推測しています」
「会長は事情を知らないのか?」
食堂で二人が顔を合わせた時の事を思い出す。あの険悪な空気は、互いに相手が気に食わないというレベルではないだろう。もし、その原因が先輩にあるなら、会長は寮長と先輩の事情を知っているのではと、オレは単刀直入に尋ねる。
「ご存じだと思います。けれど、僕はその件について何も聞かされていませんので、君に与えられる情報を持っていません」
なら、聞いてくれ。そう口から出そうになったが、なんとか堪えた。きっと、それは無駄だ。オレは会長の信頼を裏切ったばかりなのだ。どの面を下げて頼めると言うのか。
「君はもう、会長のお力を賜る事は叶いません。それは理解していますね」
柏木の言葉に黙って頷く。
「僕自身、会長のご意向に背く行為は、例えこの命が尽きようともするつもりはありません。ですから、君への干渉もこれが最後です」
今、こうして話してくれている事に、オレは僅かだが柏木に対して感謝の気持ちが生まれつつあった。
オレにとって不快以外の何物でもなかったが、夜会だ何だの話は、柏木の本心からの忠告に思えた。今はオレが先輩を守らないといけないんだ。オレを守ってくれる先輩はいないんだ。
恐らく、こうしてオレと話している事は、既に会長のご意向とやらに背いている。
会長が吐き捨てるように言った言葉は、オレを捨て置けと言ったも同然だからだ。
「ただ、僕は会長の本当の望みを叶える為ならば、手段は選びません。夷川君」
向かいに座る男を正面から見る。オレの目がぶっ壊れているのか、人のケツを公衆便所代わりにしようとした奴には見えなかった。
「君が金城先輩を無事に取り戻せたら、またゆっくり生徒会室に遊びに来て下さい。昼の生徒会は意外と健全なんです」
柏木に見送られ、生徒会室を出ると、予鈴と「お、出て来たか」皆元の声に出迎えられた。
下駄箱での騒ぎを誰かに聞いたようで、念の為に生徒会室の外で様子を覗ってくれていたらしい。大丈夫かと言う皆元の言葉に、軽く礼を返し、教室へ二人で走る。
柏木のおかげで手帳の行方が分かり、今すぐにでも取り戻しに行きたかったが、二年の教室に乱入して、大勢の前で手帳について問答するのは止めておいた。てか、そんな事をやらかした日には、多少まともになった柏木の認識をまた丸ごと書き換える状況になるのは必至。刃物を持った柏木に追いかけ回されるのは全力で避けたい。
寮長と話しをするなら、旧館に戻ってからの方がいいだろうと、逸る気持ちを抑え放課後を待つ。
本当なら少しでも頭の中を整理して、しっかり手帳奪還作戦を立てるべきなのだろうが、手帳を取り戻すまで冷静になれる気がしなかったのでスッパリ諦める。
「おい夷川、今度はどこに行く気だ」
行き当たりばったりだが、今のオレにはそれしか方法がなく、放課後に旧館で待ち伏せという、今朝の状況と重なる部分に嫌な予感も結構したが、覚悟を決めて教室を出ようとした所、またも皆元に捕獲されてしまった。
信じたくない事実に後悔しかないが、胸くその悪さを口には出さず、柏木に尋ねる。
「……先輩が……過保護って、どういう意味なんだ」
夜会だか何だか知らないが、その一端は香月たちの絡みで夏休みに経験済みだ。だが、冗談で言っているように見えない柏木の言い方が不気味で……慣れる気のない不快感を消したくて、先輩の事を持ち出す。
「入学初日に金城先輩と面識を持てたのは、君にとって何よりの幸運だったと言えます」
柏木に言われなくても知っている。先輩と出会えたのは、オレの人生最大の幸運だ。そう胸を張って同意すると「それは何よりです」と軽く流されてしまった。
「僕の実体験を語るとですね、君を気に掛けていらした金城先輩に、仕込みの最中、何度も遭遇しては注意を受けました。『セイシュンはお前らとは違うぞ』と」
仕込みの最中って……知らない所で、お前につけ狙われてたのか。
「君をゲストにと望む声が多かったのもありますが、僕としては是非会長に夢を叶えて頂きたかったのですよ。君をこちら側に引きずり込めば、金城先輩もお付き合い下さるのではと思いまして」
どうやらオレは、変態の宴の供物として拉致られる所だったらしい。柏木との実力差を考えると、先輩がいなかったら確実にその夜会のゲストとして、夏休みに見てしまったビデオに録画された向田のような悲惨な目に遭っていただろう。ぞっとしながらも、そこから考えられる最悪の事態に気付き、オレは柏木に詰め寄った。
「注意って、まさか、先輩お前を何か、その、殴ったり……したのか?」
一人で出歩く時に感じた居心地の悪さを思い出す。柏木の言う事が事実に近いなら、オレが今の今まで無事に過ごせているのは全て先輩のおかげだ。オレを見ていた奴らが何もしてこなかったのは先輩の影があったから。
笹倉の件だけでも十分ヤバイのに、一人や二人ではなさそうな、変態のクソ野郎共を全部、全員先輩が押さえつけていたなんて……久保に知られたら何もかも終わってしまう。
「大丈夫ですよ。その心配は無用です」
きっと真っ青な顔をしているだろうオレに、柏木は穏やかな表情を向けてきた。パッと見、無関係の人間を拉致って変態共の餌食にしようと画策する人間だとは思えないが、間違いようもない極悪人は、オレの不安を理解した上で口を開いた。
「君を夜会にお誘いしようと狙いを定めていますと、後ろから肩を叩かれるんですよ。金城先輩がしたのはソレだけです。恐らく、僕以外のよこしまな輩にも同じ事をされたのではないでしょうか」
「かたを……肩を叩かれるって、こうか?」
手を伸ばして柏木の肩を全力で叩いてやる。柏木は避ける事も出来ただろうに、それをせず、にこやかに「もっと、ソフトにです」と答えた。
「僕は多少腕に自信がある方なのですが、金城先輩の気配は全く気付けませんでした。きっと、ずっと君を見守っていたんでしょうね。何度も肩を叩かれては、懇懇とお説教されて、君の事は諦めさせられました」
ずっと見守っていた……なんて、こいつの口からじゃあなかったら、素直に喜べたのに! いや違う、どれだけ先輩に迷惑かけてんだオレは。
「話を戻しましょうか。君を山野辺君が見つけたのは、六岡君がそうなるよう仕向けたのだと思います。それは、手帳を盗んだのが六岡君だという証拠でもあります」
自己嫌悪となんとも言えない高揚感の間で、ふわっふわしていたオレを『手帳』という単語が現実に引き戻した。
メイドが手帳を盗んだのは確定か。なら、会長の手に渡る前に取り戻せばセーフだな。あのメイドが相手なら、それは容易だろう。善は急げと奴を捜す為、立ち上がろうとしたオレを柏木は制した。
「既に六岡君の手に手帳はないでしょう。言っておきますが、今回の件は会長とは無関係ですよ」
「どういう意味だ?」
焦る気持ちを抑えて慎重に尋ねると、柏木は何かを誤魔化すように、困り顔で笑うばかりで口を閉じてしまった。
「会長が関係ないなら、誰が関係してるんだ。今、誰が手帳を持っているのか、頼む教えてくれ」
極悪人にも多少の情けはあるようで、こちらが必死に頭を下げると、迷いながらも再び口を開いた。
「先ほど、会長がご説明されたお怒りの理由を覚えていますか?」
先輩にとって大切な手帳を一日と経たず紛失した事に怒ったんだろ。オレが会長だったら、オレの事なんかあの場でぶっ殺してたよ。
「随分と激しい反省ですね。いえ、そちらではなく、今お話したいのは一つ目の理由についてです」
最初に言われた事を思い出す。確か『一つは私に恥をかかせた』だったかな。二つ目は全ての言葉に打ちのめされたが、最初に言われた方は全く意味が分からなかった。手帳を託してくれた会長の信頼を裏切った事が、会長のプライドを傷付け、恥や屈辱に繋がってしまったのだろうか。
「一つ目は君の事ではありません。会長は六岡君の事を言っていたのです」
柏木が何を言いたいのか分からず、オレは首を傾げる。メイドの件が原因で、会長はオレに激怒したって事か?
「君は意図せず、六岡君の裏切りを会長に告げたんです。会長は六岡君に手帳を奪えと指示は出していません。君が手帳を持っている事も知らせてはいませんでしたが……偶然目にする機会でもありましたか?」
手帳の扱いが適切であったか、冷たい目を向けられ、思わず呻いてしまった。
「先輩に手紙、書くのに、手帳を一枚破った……から、その時に見られたかも」
「『かも』は必要ありませんね」
会長だけでなく、目の前の男も静かにお怒り中だった。声と表情は穏やかなくせに、目だけが笑っていない。
「裏切りって事は、誰かに寝返ったのか……メイドは会長ではなく他の奴の為に手帳を盗んだ?」
「状況から考えるとそうなります。今、手帳を持っているのは、葛見光樹でしょう」
聞き覚えのある名前だったが、すぐには思い出せなかった。すると、柏木が旧館の寮長の事だと補足してくれる。
「なんで、寮長が手帳を欲しがるんだよ。訳分かんねぇ」
全く読めなかったが、あの手帳には一体何が書いてあったんだ。理解が追いつかず、オレは頭を抱えた。
「僕も詳しくは知りません。ただ、彼と……六岡君自身もですね、彼らと金城先輩には浅からぬ縁があるようです。山野辺君の様子を見るに、あまり親しいとは思えませんし、あの手帳を六岡君が回収したと言う事は、圏ガクに来る前の金城先輩と何らかのトラブルがあったのかもしれないと僕は推測しています」
「会長は事情を知らないのか?」
食堂で二人が顔を合わせた時の事を思い出す。あの険悪な空気は、互いに相手が気に食わないというレベルではないだろう。もし、その原因が先輩にあるなら、会長は寮長と先輩の事情を知っているのではと、オレは単刀直入に尋ねる。
「ご存じだと思います。けれど、僕はその件について何も聞かされていませんので、君に与えられる情報を持っていません」
なら、聞いてくれ。そう口から出そうになったが、なんとか堪えた。きっと、それは無駄だ。オレは会長の信頼を裏切ったばかりなのだ。どの面を下げて頼めると言うのか。
「君はもう、会長のお力を賜る事は叶いません。それは理解していますね」
柏木の言葉に黙って頷く。
「僕自身、会長のご意向に背く行為は、例えこの命が尽きようともするつもりはありません。ですから、君への干渉もこれが最後です」
今、こうして話してくれている事に、オレは僅かだが柏木に対して感謝の気持ちが生まれつつあった。
オレにとって不快以外の何物でもなかったが、夜会だ何だの話は、柏木の本心からの忠告に思えた。今はオレが先輩を守らないといけないんだ。オレを守ってくれる先輩はいないんだ。
恐らく、こうしてオレと話している事は、既に会長のご意向とやらに背いている。
会長が吐き捨てるように言った言葉は、オレを捨て置けと言ったも同然だからだ。
「ただ、僕は会長の本当の望みを叶える為ならば、手段は選びません。夷川君」
向かいに座る男を正面から見る。オレの目がぶっ壊れているのか、人のケツを公衆便所代わりにしようとした奴には見えなかった。
「君が金城先輩を無事に取り戻せたら、またゆっくり生徒会室に遊びに来て下さい。昼の生徒会は意外と健全なんです」
柏木に見送られ、生徒会室を出ると、予鈴と「お、出て来たか」皆元の声に出迎えられた。
下駄箱での騒ぎを誰かに聞いたようで、念の為に生徒会室の外で様子を覗ってくれていたらしい。大丈夫かと言う皆元の言葉に、軽く礼を返し、教室へ二人で走る。
柏木のおかげで手帳の行方が分かり、今すぐにでも取り戻しに行きたかったが、二年の教室に乱入して、大勢の前で手帳について問答するのは止めておいた。てか、そんな事をやらかした日には、多少まともになった柏木の認識をまた丸ごと書き換える状況になるのは必至。刃物を持った柏木に追いかけ回されるのは全力で避けたい。
寮長と話しをするなら、旧館に戻ってからの方がいいだろうと、逸る気持ちを抑え放課後を待つ。
本当なら少しでも頭の中を整理して、しっかり手帳奪還作戦を立てるべきなのだろうが、手帳を取り戻すまで冷静になれる気がしなかったのでスッパリ諦める。
「おい夷川、今度はどこに行く気だ」
行き当たりばったりだが、今のオレにはそれしか方法がなく、放課後に旧館で待ち伏せという、今朝の状況と重なる部分に嫌な予感も結構したが、覚悟を決めて教室を出ようとした所、またも皆元に捕獲されてしまった。
0
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
貢がせて、ハニー!
わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。
隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。
社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。
※この物語はフィクションです。
※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8)
■2025.12.14 285話のタイトルを「おみやげ何にする? Ⅲ」から変更しました。
■2025.11.29 294話のタイトルを「赤い川」から変更しました。
■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました!
■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。
■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる