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圏ガクの夏休み
本の敵
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奉仕活動組を乗せたバスが出て行く音を聞いた後、オレと矢野君はそのまま先輩の部屋で仮眠を取った。オレの血痕がデカデカと残る布団を勧めたが、ありえないという顔をされてしまった。
矢野君が先輩の椅子に座りながら舟を漕ぎだしたので、遠慮無く布団に横になる。自分の血だと分かっているので、気持ち悪いとかそういう感覚が非情に薄くなっているのだ。小吉さんと一緒に使った時みたいに裏返せばよかったのか、そう気付いた時には意識はゆっくり溶けていった。
次に目が覚めたら昼だった……を二日連続やらかす訳にはいかない。いくら霧夜氏が温厚そうに見えても、担任に報告されたら、ひとたまりも無いのだ。
しかし、絶対に起きるという気合いで起きられたら、誰も苦労はしない。オレは二日連続でやらかす所だった。スマホのアラームは人を起こす気がないのだろう。起床予定時間を過ぎてもオレは眠り続けていた。それを見かねた小吉さんが起こしに来てくれたおかげで、なんとか約束の時間までに図書室に滑り込む事が出来た。
ちなみに薄情な矢野君は、眠り続けるオレを放置して冷蔵庫に朝飯を食いに行っていた。
課題の『当て』は出来たので、ラノベを読み漁る必要はなくなった。けれど、霧夜氏にバレたら面倒だと思い、本を読む振りで謹慎中をやり過ごそうとしたのだが、その退屈さは際限なく眠気を引き寄せ、気を抜けば氏の前で爆睡してしまいそうになる。自分の限界を見極め早々に読書の振りは止め、体を動かす事をやろうと隣の第二図書室へと足を向けた。
オレと同じく読書に向かない体質らしい稲継先輩が先に居座っていて、部屋に入るなり「何しに来た」と言わんばかりの視線に射貫かれたが、チラリと女神の話を口にすると「お前はそっち側を片付けろ」とぶっきらぼうな声でご一緒するお許しが出た。
女神の情報に相当飢えているのか、かなりがっついてくるので、霧夜氏から得られた分では全く足りず、オレの想像力でだいぶ水増ししたが、まあバレる事はないだろう。稲継先輩の人見知りは筋金入りだ。本人にはもちろん、霧夜氏に確認を取る事さえ難しそうだからな。それを物語るように、その日の午後には、遠回しにアレを聞けだのコレを聞いてこいだの言ってくるようになった。
「女神と霧夜先生が愛人関係にあるのか聞いてこいって事でいいですか?」
女神のスリーサイズを聞いてこいと言い出した無駄に持久力のある童貞にそう聞き返すと
「どう聞き間違えればそうなるッ! あの人が干物ジジイなんぞ相手にするわきゃねーだろがッ!」
人の胸ぐら掴んで怒鳴りやがるので
「どこの世界にただの教え子のスリーサイズ暗記してる教師がいるってんだ! そんなの知ってるとしたら、ただの変態だろが!」
頭突きくらいの勢いをつけて睨み返してやった。
例え常識が働かなくなった童貞が相手でも、勢いよく言い返してしまうのはよろしくなかった。
生意気な後輩に手を出し足を出す稲継先輩、そして理不尽な怒り方をする先輩の暴力に応戦するオレ。この二つが揃ってしまっては、もはや1+1の答えくらい明確に、本日の片付けの成果を無に帰した。も一つ残念な事にそれだけでは済まず、無事に残っていた山も全て崩してしまった。
騒ぎに気付いたらしい霧夜氏が、第二図書室の様子を見に来た時には、責任の押し付け合いがエスカレートして、雪合戦ならぬ本合戦を繰り広げている真っ只中で、今までは穏やかだった氏の仮面は剥がれ落ち、大目玉を食らった。
図書室での蛮行は担任にも報告され、その日はオレだけでなく稲継先輩も反省室に放り込まれる事になった。香月たちの件で入った時は単に寝る場所だったが、今回は完全に本来の目的、反省室として機能しており、一片の慈悲すら与えられなかった。
残りの謹慎期間を反省室で過ごす事になってしまったのだ。謹慎中は、第二図書室で起こした騒ぎの反省を文章にまとめろ、との事だった。勿論この反省文、かわいらしい量ではなく、霧夜氏直々に真っ新な封すら切っていないコピー用紙を手渡された。
「今までに読んだ本の感想文でも構いませんよ」
元に戻った穏やかな表情で分かりにくいが、その下では怒りが燻っているように思える。コピー用紙が二人で一つではなく、一人につき一つ用意されていたからな。読書より反省文の方がいいとぼやいていた時が既に懐かしい。
缶詰の食事を取る気になれず、担任が戻ってくるまでの時間を反省文と格闘していると、もう一つの檻から鉄格子を蹴り飛ばす音が響いてくる。
「おい、夷川! テメェの謹慎はあと何日残ってるんだ」
苛立ちを全力でぶつけてくるような声に、思わず黙ってろと返しそうになるのを我慢して「あと四日くらい」と簡潔に答えると、捕獲された熊のような唸り声が聞こえてきた。
鉄格子をぶっ壊して脱走するつもりなのか、一人暴れ出した稲継先輩を放置して、霧夜氏への謝罪の気持ちを伝えるべく鉛筆を走らせる。
このままでは女神の到着予定日も反省室の中だ。別に稲継先輩の為だけではないが(切実にこの中で、反省室で生活するのは回避したい)先輩をもり立てようとして牢屋にぶち込んでどうするという話だ。
なんとか霧夜氏に許しを請う。反省とは程遠い気持ちで机に向かっていると、地上へ続く階段から誰かが下りて来た。
「稲っち、外まで音が聞こえてるぞ。もうすぐ先生も戻って来るから、静かにしてないとずっと出して貰えないぞ」
大量の本を抱えた小吉さんは、オレの前をスルーして奥の部屋に慌てて駆け寄る。稲継先輩が小吉さんに八つ当たりするんじゃないかと心配したが、チッと舌打ちが聞こえた後、ベッドのスプリングが軋む音がした。
ふて寝を始め大人しくなった稲継先輩にホッとしたのか、小吉さんは本を抱えたままオレの方へとやって来る。器用に目線がギリギリ遮られない程度に積まれた本を視線で指して、オレは口を開く。
「それって霧夜先生から? 謹慎中の課題図書とか?」
読書感想文がどうのこうの言っていたのを思い出し、そう尋ねてみたが、小吉さんの答えは違った。
「んー違うんじゃないかな? 特にお前らに渡せとか言われてないぞ。多分、霧夜先生が読むんだろ」
前回の時と同じように担任が一緒に寝泊まりするものと思っていたのだが、その役割すら霧夜氏が引き受けると申し出たそうだ。
「そんでな、今回は稲っちが奥の部屋使ってるだろ? だからな、おれが寝る所がないんだ。だから、夷川、おれも中に入れてくれ。一緒に寝かせてくれ」
ちゃんともう一組布団を持ってくるからと、本を隣の部屋へ置いて空いた手を合わせ拝む小吉さんに、思わず首を傾げてしまった。また、山センが酒盛りだかオナカップだか、はた迷惑な暇つぶしを催そうとしているのだろうか。
「……悲しいお知らせがあるんだ」
オレの予想が当たっているのか、小吉さんの声も表情も暗くなる。けれど、それは予想以上に悲しいお知らせだった。
「矢野が入院した」
第二回オナカップ開催を阻む為、課外活動に参加してくれた矢野君だったが、二日連続で山センのハーレムに足を踏み入れるのは無謀だったようで、帰りのバスに自力で乗り込めない程に衰弱していたらしい。
「響先生に診てもらったんだけどな、念の為、数日は入院させた方がいいって言われて、そのまま市民病院に連れて行かれちまった」
ちゃんと骨拾ってやれなかった……ごめん、矢野君。そう心の中で詫びながらも、改めて山センの恐ろしさを矢野君の身を以て知ってしまった。
「風呂の時な、山センが今日はみんないないから、おれに特訓させてやるとか言ってくるんだ……じーっとおれのちんこ見ながら」
そりゃ恐いな。生徒会の連中とは別の意味で恐い。山センは持久力やらを上げる為に、ちんこでダンベル上げとかしてそうだからな。
怯える小吉さんを追い返すなど出来るはずもなく、霧夜先生が許してくれたらと条件付きで寝る場所を提供すると約束した。安堵する小吉さんが布団を取りに行こうとした時、防寒対策か真冬の格好をした霧夜氏が階段を下りてきた。
「小吉君、助かりました。どうもありがとう」
一体この反省室で何冊の本を読破するつもりなのか、霧夜氏も十冊近い本を抱えている。小吉さんが飛びつくようにそれらの本を受け取り、隣の部屋へと運び込むと、氏は柔和な顔を見せ、もう一度「ありがとう」と言った。
小吉さんを反省室に滞在させる件について、どう切り出そうか考えていたが、小吉さん本人が「おれもここで寝ていいですか?」と口にしてくれる。
「構いませんよ。私はこの通路に椅子と机があれば十分ですから、小吉君は真ん中の部屋のベッドを使って下さい」
どうやら徹夜で読書をするつもりらしい。確か一昨日も徹夜だったんじゃなかったか、この人。眠気や疲労感が全く見えない霧夜氏は、すっかり昼夜が逆転しているようだ。
小吉さんの鼾は霧夜氏の読書の邪魔になるのではないかと、要らぬ心配をしてしまったが、氏の鼾対策は万全で、席に着くなり耳栓を装着されていた。
矢野君が先輩の椅子に座りながら舟を漕ぎだしたので、遠慮無く布団に横になる。自分の血だと分かっているので、気持ち悪いとかそういう感覚が非情に薄くなっているのだ。小吉さんと一緒に使った時みたいに裏返せばよかったのか、そう気付いた時には意識はゆっくり溶けていった。
次に目が覚めたら昼だった……を二日連続やらかす訳にはいかない。いくら霧夜氏が温厚そうに見えても、担任に報告されたら、ひとたまりも無いのだ。
しかし、絶対に起きるという気合いで起きられたら、誰も苦労はしない。オレは二日連続でやらかす所だった。スマホのアラームは人を起こす気がないのだろう。起床予定時間を過ぎてもオレは眠り続けていた。それを見かねた小吉さんが起こしに来てくれたおかげで、なんとか約束の時間までに図書室に滑り込む事が出来た。
ちなみに薄情な矢野君は、眠り続けるオレを放置して冷蔵庫に朝飯を食いに行っていた。
課題の『当て』は出来たので、ラノベを読み漁る必要はなくなった。けれど、霧夜氏にバレたら面倒だと思い、本を読む振りで謹慎中をやり過ごそうとしたのだが、その退屈さは際限なく眠気を引き寄せ、気を抜けば氏の前で爆睡してしまいそうになる。自分の限界を見極め早々に読書の振りは止め、体を動かす事をやろうと隣の第二図書室へと足を向けた。
オレと同じく読書に向かない体質らしい稲継先輩が先に居座っていて、部屋に入るなり「何しに来た」と言わんばかりの視線に射貫かれたが、チラリと女神の話を口にすると「お前はそっち側を片付けろ」とぶっきらぼうな声でご一緒するお許しが出た。
女神の情報に相当飢えているのか、かなりがっついてくるので、霧夜氏から得られた分では全く足りず、オレの想像力でだいぶ水増ししたが、まあバレる事はないだろう。稲継先輩の人見知りは筋金入りだ。本人にはもちろん、霧夜氏に確認を取る事さえ難しそうだからな。それを物語るように、その日の午後には、遠回しにアレを聞けだのコレを聞いてこいだの言ってくるようになった。
「女神と霧夜先生が愛人関係にあるのか聞いてこいって事でいいですか?」
女神のスリーサイズを聞いてこいと言い出した無駄に持久力のある童貞にそう聞き返すと
「どう聞き間違えればそうなるッ! あの人が干物ジジイなんぞ相手にするわきゃねーだろがッ!」
人の胸ぐら掴んで怒鳴りやがるので
「どこの世界にただの教え子のスリーサイズ暗記してる教師がいるってんだ! そんなの知ってるとしたら、ただの変態だろが!」
頭突きくらいの勢いをつけて睨み返してやった。
例え常識が働かなくなった童貞が相手でも、勢いよく言い返してしまうのはよろしくなかった。
生意気な後輩に手を出し足を出す稲継先輩、そして理不尽な怒り方をする先輩の暴力に応戦するオレ。この二つが揃ってしまっては、もはや1+1の答えくらい明確に、本日の片付けの成果を無に帰した。も一つ残念な事にそれだけでは済まず、無事に残っていた山も全て崩してしまった。
騒ぎに気付いたらしい霧夜氏が、第二図書室の様子を見に来た時には、責任の押し付け合いがエスカレートして、雪合戦ならぬ本合戦を繰り広げている真っ只中で、今までは穏やかだった氏の仮面は剥がれ落ち、大目玉を食らった。
図書室での蛮行は担任にも報告され、その日はオレだけでなく稲継先輩も反省室に放り込まれる事になった。香月たちの件で入った時は単に寝る場所だったが、今回は完全に本来の目的、反省室として機能しており、一片の慈悲すら与えられなかった。
残りの謹慎期間を反省室で過ごす事になってしまったのだ。謹慎中は、第二図書室で起こした騒ぎの反省を文章にまとめろ、との事だった。勿論この反省文、かわいらしい量ではなく、霧夜氏直々に真っ新な封すら切っていないコピー用紙を手渡された。
「今までに読んだ本の感想文でも構いませんよ」
元に戻った穏やかな表情で分かりにくいが、その下では怒りが燻っているように思える。コピー用紙が二人で一つではなく、一人につき一つ用意されていたからな。読書より反省文の方がいいとぼやいていた時が既に懐かしい。
缶詰の食事を取る気になれず、担任が戻ってくるまでの時間を反省文と格闘していると、もう一つの檻から鉄格子を蹴り飛ばす音が響いてくる。
「おい、夷川! テメェの謹慎はあと何日残ってるんだ」
苛立ちを全力でぶつけてくるような声に、思わず黙ってろと返しそうになるのを我慢して「あと四日くらい」と簡潔に答えると、捕獲された熊のような唸り声が聞こえてきた。
鉄格子をぶっ壊して脱走するつもりなのか、一人暴れ出した稲継先輩を放置して、霧夜氏への謝罪の気持ちを伝えるべく鉛筆を走らせる。
このままでは女神の到着予定日も反省室の中だ。別に稲継先輩の為だけではないが(切実にこの中で、反省室で生活するのは回避したい)先輩をもり立てようとして牢屋にぶち込んでどうするという話だ。
なんとか霧夜氏に許しを請う。反省とは程遠い気持ちで机に向かっていると、地上へ続く階段から誰かが下りて来た。
「稲っち、外まで音が聞こえてるぞ。もうすぐ先生も戻って来るから、静かにしてないとずっと出して貰えないぞ」
大量の本を抱えた小吉さんは、オレの前をスルーして奥の部屋に慌てて駆け寄る。稲継先輩が小吉さんに八つ当たりするんじゃないかと心配したが、チッと舌打ちが聞こえた後、ベッドのスプリングが軋む音がした。
ふて寝を始め大人しくなった稲継先輩にホッとしたのか、小吉さんは本を抱えたままオレの方へとやって来る。器用に目線がギリギリ遮られない程度に積まれた本を視線で指して、オレは口を開く。
「それって霧夜先生から? 謹慎中の課題図書とか?」
読書感想文がどうのこうの言っていたのを思い出し、そう尋ねてみたが、小吉さんの答えは違った。
「んー違うんじゃないかな? 特にお前らに渡せとか言われてないぞ。多分、霧夜先生が読むんだろ」
前回の時と同じように担任が一緒に寝泊まりするものと思っていたのだが、その役割すら霧夜氏が引き受けると申し出たそうだ。
「そんでな、今回は稲っちが奥の部屋使ってるだろ? だからな、おれが寝る所がないんだ。だから、夷川、おれも中に入れてくれ。一緒に寝かせてくれ」
ちゃんともう一組布団を持ってくるからと、本を隣の部屋へ置いて空いた手を合わせ拝む小吉さんに、思わず首を傾げてしまった。また、山センが酒盛りだかオナカップだか、はた迷惑な暇つぶしを催そうとしているのだろうか。
「……悲しいお知らせがあるんだ」
オレの予想が当たっているのか、小吉さんの声も表情も暗くなる。けれど、それは予想以上に悲しいお知らせだった。
「矢野が入院した」
第二回オナカップ開催を阻む為、課外活動に参加してくれた矢野君だったが、二日連続で山センのハーレムに足を踏み入れるのは無謀だったようで、帰りのバスに自力で乗り込めない程に衰弱していたらしい。
「響先生に診てもらったんだけどな、念の為、数日は入院させた方がいいって言われて、そのまま市民病院に連れて行かれちまった」
ちゃんと骨拾ってやれなかった……ごめん、矢野君。そう心の中で詫びながらも、改めて山センの恐ろしさを矢野君の身を以て知ってしまった。
「風呂の時な、山センが今日はみんないないから、おれに特訓させてやるとか言ってくるんだ……じーっとおれのちんこ見ながら」
そりゃ恐いな。生徒会の連中とは別の意味で恐い。山センは持久力やらを上げる為に、ちんこでダンベル上げとかしてそうだからな。
怯える小吉さんを追い返すなど出来るはずもなく、霧夜先生が許してくれたらと条件付きで寝る場所を提供すると約束した。安堵する小吉さんが布団を取りに行こうとした時、防寒対策か真冬の格好をした霧夜氏が階段を下りてきた。
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小吉さんを反省室に滞在させる件について、どう切り出そうか考えていたが、小吉さん本人が「おれもここで寝ていいですか?」と口にしてくれる。
「構いませんよ。私はこの通路に椅子と机があれば十分ですから、小吉君は真ん中の部屋のベッドを使って下さい」
どうやら徹夜で読書をするつもりらしい。確か一昨日も徹夜だったんじゃなかったか、この人。眠気や疲労感が全く見えない霧夜氏は、すっかり昼夜が逆転しているようだ。
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