圏ガク!!

はなッぱち

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新学期!!

リベンジ開始!

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「こ、これが、ローションかぁ」

 思わず手に取って眺めてしまう。当たり前だが、工作用の小さな水のりと違って、ズッシリ重い。

「どうしたの、これ」

 すぐに使う事になるだろうと、遠慮なくキャップを開封しながら、先輩に聞いてみた。まさか闇市ではアダルトグッズまで取り扱っているのかと、一体いくらしたんだと先輩を問い詰める前に「生徒会」と入手先を教えてくれる。

「生徒会の備品は、生徒会だけじゃなくて全校生徒の物ならしくてな。必要なら持って行けってさ」

 ローションが備品として常備してある学校って全力で嫌だな。生徒会の現状を思い返せば、必需品なのかもしれないが……単なる恐いモノ見たさだが、他にはどんな物があるのか気になってしまった。

「本当は羽坂に頼むつもりだったんだけど取り込み中で、代わりに六岡が準備してくれたんだ」

 六岡って会長のメイドやってる奴か。中身は性悪だが、見てくれはアレな奴だ。そんな奴と先輩が仲良くローション片手に語らっていたなんて想像すると、なんか胸がムカムカしてきた。

 自分の狭量さから目を逸らす為に、オレは適当に相槌を打ちながら、ローションを指先に垂らす。ほんの一滴垂らしただけなのに、指先で軽く揉んでみると、いつまでも糸を引いて零れ落ちない。かと言って、水のりのように接着されるような感覚もなく、ずっとヌルヌルしていて面白い。

「セイシュン、ちょっと貰うぞ」

「うわっ!」

 自分の目の前でネバネバを実践していると、何故か先輩が指先に吸い付いてきた。指に付いたローションを舐め取られ、予期せぬエロい絵に心臓が暴れる。

「お……美味しい?」

 味を確かめるような真剣な顔をする先輩に恐る恐る聞いてみた。

「ん、特に何も入っていないみたいだ」

 味に関して聞いたのに変な答えだ。聞いた事で気になって、オレはボトルに直に口を付けて軽く吸ってみる。当然ではあるが食用ではないので、美味しくはない。

「美味くはないだろ」

「うん」

 成分表やら注意書きを見ると、口に入っても問題はなさそうだが、好き好んで飲む(食べる?)ような物ではないな。

「なんでローション舐めてみたの?」

 オレがローションで戯れているのを見て興奮したのか! と、尋ねながら逆にオレが興奮してしまったが、先輩は真面目な顔で答えてくれた。

「お前の体に使う物だからな。あの生徒会から譲り受けた物だし、確認しないと安心して使えないだろ」

 オレの体に使う、先輩の言葉に興奮が散らず、ゆっくり渦を巻く。

「セイシュン……なにか、飲むか?」

 耳元で囁かれる声に、首を左右に振る事で答える。恥ずかしさと緊張と興奮が混ざり合って、上手く声が出なかった。

 先輩の唇が額に触れる。焦らしているのか、躊躇っているのか、唇はゆっくりと眉間や頬に触れながら下りてくる。

 唇が離れる度、僅かに零れる吐息が熱い。先輩のエロスイッチが入った事を肌で実感して、更に緊張が高まった。

 このまま、口にちゅーする所からセックスが始まるんだ。半分溶けながら回る思考が、体にゴーサインを出し、グッと唇を突き出させた時。

 ぶぢゅぅぅーと、オレと先輩の間で下痢便でも漏らしたような下品な音がした。

「勢いよくやったなぁ」

 キスを中断させられた先輩は、オレの悲惨な胸元を見ていつもの暢気な表情で笑う。

「うえぇ、気持ちわりぃ」

 軽く閉めたキャップを弾き飛ばすくらいの勢いで、オレはローションを胸元で握り締めていた。

 ボトルを机に置き、デロデロがこれ以上床に零れないよう、シャツを引っ張り受け止める。

 先輩がタオルを持って来てくれたが、拭う程度では済まなそうなので、オレはシャツを慎重に脱いだ。それでも、少し顎がかすってしまい気持ち悪かったので、先輩の服を引っ張りゴシゴシと拭いてやる。

「おい、タオルあるぞ。こっちを使え」

 オレの行動に先輩は嫌そうな声を上げやがったので、背伸びをして可愛げのない口を塞ぐ。

「いいじゃん。どうせ脱ぐんだし」

 首に腕を回し、超至近距離で言ってやると、先輩は困ったように笑って見せた。

「ん、わかった。じゃあ電気消そう」

「なんでだよ。いいだろ点けたままで。あ、まだ裸見られるの恥ずかしいとか言う気か! そんなの許さねぇぞ。このままだ、このままヤるからな」

「全部は消さないぞ? ほら、見ろ。懐中電灯だ。これがあれば十分じゃないか」

 ちっちゃい懐中電灯を引っ張り寄せ「どうだ!」とばかりに突き付けてくるので、それを瞬時に奪いポイと布団に投げ捨て、呆気にとられている先輩の服を毟り取ってやった。

 オレと同じく上半身を裸に剥いてやると、先輩は申し訳なさそうな顔を見せた。

「オレはケツの穴まで先輩に晒すんだぞ。ケチ臭い事言ってんじゃねーよ」

 痛々しい傷痕を見ると、バカみたいに浮かれていた興奮は冷めた。先輩はそうさせたくなかったんだろうな。

「オレの全部アンタにやるから、オレにもくれよ。先輩の全部を」

 最低でもいい。先輩の触れられたくない部分に触れたい。オレは先輩の中に土足で入って大の字に寝転がり居座りたいのだ。

 今度はオレからキスをする。先輩の気持ちなんてお構いなしに、ただしたいからする。

 最初から倒すつもりで体重を押しつけ、先輩に尻餅をつかせ、更に上からプレスするみたいに口を押しつける。布団の上だから、少しくらい頭を打っても大丈夫だろうと、完全に先輩を組み敷いた。

 緊張の糸が切れたんだろう。恥ずかしさは消えて、ただ先輩への欲情だけが体を突き動かす。

「先輩、早くしよう」

 窒息させる勢いでキスをかましたせいで、ガチッと歯が当たり舌に少し鉄の味が滲む。

「セイシュン、ちょっと待て」

 ガツガツと盛りまくるオレを先輩は問答無用で抱きしめた。

「待たねぇし、てか離せよッ! 今更ビビったなんて言わせねえからな!」

 先輩の抱擁は、抱きしめるなんて生ぬるい物ではなく、がっつくオレを絞め殺す勢いで拘束する。身動き出来ず怒鳴って応戦すれば、また溜め息が降ってくる。

「いいからちょっと落ち着け。時間なら十分にあるだろ」

 完全に興奮が冷めているらしい先輩の態度に、焦りながらも従う。体の力を抜くと、先輩も腕を緩め、今度は普通に抱きしめてくれる。

「口が切れてるぞ。ほら、血が出てる」

 オレの口元をソッと拭った親指は、僅かに血で汚れていた。それから、消毒するみたいに傷口に舌を這わせた。

「止めろよ。血とか舐めるのヤバイだろ。オレがなんか変な病気とかあったら、どーすんだよ」

「変な心配するんだなぁ。俺はお前の肛門も舐めた事があるんだぞ。それこそ今更だ」

 あははと笑い飛ばされてしまったが『肛門を舐めた』って言葉にされると、申し訳なさが半端なくてヘコむ。

「落ち着いたか?」

 先輩の言葉に大人しく頷く。すると、オレを抱きかかえたまま、先輩がグルンと布団の上で転がり、ポジションが逆になった。

「今回は俺が上になるぞ。お前に任せると、また無茶しそうだからな」

 そう言うと先輩は軽くキスをしてきた。

「ゆっくり時間をかけて、お前の体を慣らす」

 優しいはずなのに有無を言わさぬ迫力を感じ、知らず体が緊張で固くなる。手のひらで撫でるように肩から腕に触れると、それに気付いた先輩が困ったように笑った。

「セイシュンの全部を貰うぞ」

 照れ臭そうな、でも嬉しそうな先輩の言葉を聞いて、オレの体は無意識に動いた。

「おっしゃあぁ! 来やがれッ」

 覆い被さっていた先輩を爪先で器用に避けて、寝転んだまま足を屈め下に着ていた物も全て脱ぎ捨てる。

 煮るなり焼くなり好きにしやがれ! くらいの気持ちで先輩の下でマッパになると、先輩が驚きで軽く目を見開いた。そして、暫し絶句した後「セイシュンは潔いな」と呆れたように呟かれてしまった。

「……バカでごめん」

 沈黙の中で省みると、先輩の絶句の意味を痛感して、自発的に謝罪する。

 これからオレが女役をやる訳で、そんな奴が自分からパンツ脱いで、仁王立ちするみたいに大の字で寝っ転がっていたら、先輩はどう思うか。今から熊と相撲取りする体の女相手に勃起など、超特殊な性癖でも持ち合わせないと無理だ! その上、オレは女でもないので、更に難易度は上がる。

 甚だ不本意だが、今オレがすべき事は、男らしく自分の全てをさらけ出す事ではなく、先輩の欲情を煽る女のような色気を出す事だ。

 いや、それは言い過ぎだな。女の真似をするなんてオレには無理だ。仮にやったとしても気持ち悪いだけだ。クソッ、じゃあどうすりゃいいんだ、この野郎!

「じゃあ、遠慮なく始めるぞ。男らしく、ジッとしてろよ」

 自己嫌悪で心の中で号泣していると、先輩がふにゃっとした顔を引っ込めた。『ジッとしてろよ』と言われたので、反射的に動かないよう体に力を入れた……直後、首筋を襲った感覚に「うひゃ」と妙な声を上げてしまう。

「ちょ、せんぱい……それ、すげぇくすぐったいし」

 首筋から耳元へ熱い感触が這い上がってくる。そのまま先輩の舌が、オレの耳の中に侵入してきて、思わず肩を竦めて情けない声が出た。

「んぁっ、まって、ちょっと、ちょっとたんま」

 耳の中を舌が這い回り、背中がゾクゾクとして、思わず先輩を押しのけようと手が出てしまった。けれど、オレの手は先輩を押し返すどころか、逆にしっかり掴まれ布団に押さえつけられてしまう。
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