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蜜月
初体験の裏側
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二人で黙々と歩いたが、先輩の部屋にたどり着く頃には、しっかりと体の芯まで冷え切っていた。ちょっと気になって廊下の先、冷蔵庫の辺りへ視線をやると、遮光カーテンに隙間があるのか、僅かに中の灯りが漏れている。普段はあまり気にした事がなかったが、今からしようとしている事を思うと少しだけ罪悪感……どちらかと言うと背徳感かな、妙な気持ちが自分の中に芽生えてしまう。
「今までも、その、オレが泊まりに来てた時、髭は冷蔵庫で勉強してたの?」
先に部屋に入り、電気ストーブを点けてくれる先輩の背中になんとなく尋ねる。「髭じゃなくて真山」と根気強く訂正した後、先輩は机をセッティングしながら肯定した。
「真山の部屋みたいなもんだしな。毎日ではないが、しょっちゅう来てるぞ」
オレとしては割と衝撃的な答えだった。ヤってる最中は周りってか、部屋の外まで意識出来る余裕なんてないんだが、もしかしたら、こう、オレが情けない声を上げている時にドア越しの廊下を髭が歩いていたかもしれないとか……ちょっとした悪夢だ。
「ん、どうしたんだ?」
一瞬オレがフリーズしていると「寒いだろ」と言いながら先輩が腕を引いて部屋へ連れ込んでくれる。ぎこちなく頷くと、先輩は困ったように笑ってオレの頭を撫でた。
「セイシュンが部屋に来てる時は、事前に伝えてあるって言ってなかったか? 俺たちが起きてる時間帯はこっち側に来るのは控えて欲しいって頼んでるから、そんな心配そうな顔しなくても大丈夫だ」
髭はそれをどういうふうに理解しているのか、いや、髭には先輩との関係は知られている訳で、まあ、ヤってる事は筒抜けって事だな。腹の底がキューっと痺れるような感覚に陥る。
「初めての時、ちょっと驚かせたからな。結構ショック受けてたみたいで真山の方からセイシュンが来る時は一声かけろって言ってきたんだよ」
男同士が抜き差しやってる現場に居合わせたら、そりゃ苦情の一つや二つ言いたくもなるよな……。
「ッ! それマジかよ! 初めての時って、え? そんなん先輩一言も言わなかったじゃん!」
オレが突然大声を出したので、先輩は慌てて扉を閉めた。そして、ちょっと怒った顔で『静かにしろ』のジェスチャーをしやがった。
「初めてヤった時、外に髭が居たって事かよ!」
声量は思い切り落としながらも、勢いはそのままに先輩に詰め寄ると、先輩は「ずっとじゃないぞ」とフォローになってない言葉でオレを宥めようとする。
「さすがに最初から鑑賞されてたなんて聞いたら、今から髭の所に殴り込みに行くぞ」
恥ずかしさではなく怒りで、声量を気にしなくてもいいくらい声がどんどん低くなる。
「いくら真山に頼まれても、そんな事は絶対にさせない」
オレのテンションが移ったのか、先輩も真顔でそう答えた。それなら、どうしてそんな状況になったんだと聞けば、申し訳なさそうに先輩は言葉を濁す。
「ストップ出来る状況なら真山が通り過ぎるまで動かずにやり過ごすんだが、その、俺も余裕がなかったと言うか、な? 初めてセイシュンに挿入して、外野にまで気が回らなかったんだ…………すまん」
と言うことは、髭が通りかかった時ってのは、オレらの初体験のクライマックスだった訳だな。そうかアレを聞かれてしまったのか。正直、自分がどれくらい酷い声を出していたかはうろ覚えなのだが、頭のネジがいくつかぶっ飛んだ状態だったのは覚えている。それを聞かれたなんて…………。思わずその場で膝から崩れ落ちてしまう。
「今までも、その、オレが泊まりに来てた時、髭は冷蔵庫で勉強してたの?」
先に部屋に入り、電気ストーブを点けてくれる先輩の背中になんとなく尋ねる。「髭じゃなくて真山」と根気強く訂正した後、先輩は机をセッティングしながら肯定した。
「真山の部屋みたいなもんだしな。毎日ではないが、しょっちゅう来てるぞ」
オレとしては割と衝撃的な答えだった。ヤってる最中は周りってか、部屋の外まで意識出来る余裕なんてないんだが、もしかしたら、こう、オレが情けない声を上げている時にドア越しの廊下を髭が歩いていたかもしれないとか……ちょっとした悪夢だ。
「ん、どうしたんだ?」
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「セイシュンが部屋に来てる時は、事前に伝えてあるって言ってなかったか? 俺たちが起きてる時間帯はこっち側に来るのは控えて欲しいって頼んでるから、そんな心配そうな顔しなくても大丈夫だ」
髭はそれをどういうふうに理解しているのか、いや、髭には先輩との関係は知られている訳で、まあ、ヤってる事は筒抜けって事だな。腹の底がキューっと痺れるような感覚に陥る。
「初めての時、ちょっと驚かせたからな。結構ショック受けてたみたいで真山の方からセイシュンが来る時は一声かけろって言ってきたんだよ」
男同士が抜き差しやってる現場に居合わせたら、そりゃ苦情の一つや二つ言いたくもなるよな……。
「ッ! それマジかよ! 初めての時って、え? そんなん先輩一言も言わなかったじゃん!」
オレが突然大声を出したので、先輩は慌てて扉を閉めた。そして、ちょっと怒った顔で『静かにしろ』のジェスチャーをしやがった。
「初めてヤった時、外に髭が居たって事かよ!」
声量は思い切り落としながらも、勢いはそのままに先輩に詰め寄ると、先輩は「ずっとじゃないぞ」とフォローになってない言葉でオレを宥めようとする。
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恥ずかしさではなく怒りで、声量を気にしなくてもいいくらい声がどんどん低くなる。
「いくら真山に頼まれても、そんな事は絶対にさせない」
オレのテンションが移ったのか、先輩も真顔でそう答えた。それなら、どうしてそんな状況になったんだと聞けば、申し訳なさそうに先輩は言葉を濁す。
「ストップ出来る状況なら真山が通り過ぎるまで動かずにやり過ごすんだが、その、俺も余裕がなかったと言うか、な? 初めてセイシュンに挿入して、外野にまで気が回らなかったんだ…………すまん」
と言うことは、髭が通りかかった時ってのは、オレらの初体験のクライマックスだった訳だな。そうかアレを聞かれてしまったのか。正直、自分がどれくらい酷い声を出していたかはうろ覚えなのだが、頭のネジがいくつかぶっ飛んだ状態だったのは覚えている。それを聞かれたなんて…………。思わずその場で膝から崩れ落ちてしまう。
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