44 / 59
第三章
生着替えしてやりました。
しおりを挟む
成金様に相応しい、実に高級な銘柄のボトルをケースごとテーブルに置かれ、なんとシスターはグラスを使わずラッパ飲み。それに倣ってかサリー様も同じようにワインをがぶ飲みしました。
「かーッこりゃあ上等な酒だねぇ。アンタの飲みっぷりも変わりないねぇ、こうでなくちゃ話はできねーわな」
ガハハと山賊の頭のような野太い笑い声を上げるサリー様の横で、上品さをワインで洗い流したのか、目の据わったシスターがジロリと私を睨んで来ます。
「聖女になりたいだなんて、ここ意外では口にしない方が身のためだよ、嬢ちゃん」
口調すらも違います。けれど、それはシーザライ様に一瞬向けられたソレと同質で、こちらがこのユリア様の素なのだと認識致しました。
「そもそも聖女聖女って言う割に、何も知らないってふうだ。どこまで知っているのか、まずはそこからお話よ」
ワインボトルの注ぎ口を向けられ、そう問われましたので、私は素直にありまのままお答えしました。
「私以外に聖女を名乗る方がいらっしゃるのを、今日ユリア様の口からお聞きするまで存じませんでしたわ」
「アンタが聖女だなんだ騒ぎ出したのも今日じゃないか。その妙な芝居を始めるまでは、この服にさえ唾を吐きかけるような子だったのにさ」
「なんですって! ちょっとサリー様、それは本当ですの。この服に唾ですって!」
ありえません。私は飲んだくれのシスターユリア様に即刻替えを要求しました。
さすがに同じ脅威的な胸囲をお持ちの女性です。少々、ウエストの辺りに布地が余りますが、許容範囲でしょう。ご厚意で用意して下さった服に着替え席に戻ると、ユリア様は実に不躾な視線を私に向けてきました。
「マザーを知らず聖女を語るって、貴女……聖女をなんだと思っているのかしら」
私が着替えている最中に、少し頭が冷えたらしいユリア様は、グラスにワインを注ぎながら口調も元の調子に戻られていました。
「かーッこりゃあ上等な酒だねぇ。アンタの飲みっぷりも変わりないねぇ、こうでなくちゃ話はできねーわな」
ガハハと山賊の頭のような野太い笑い声を上げるサリー様の横で、上品さをワインで洗い流したのか、目の据わったシスターがジロリと私を睨んで来ます。
「聖女になりたいだなんて、ここ意外では口にしない方が身のためだよ、嬢ちゃん」
口調すらも違います。けれど、それはシーザライ様に一瞬向けられたソレと同質で、こちらがこのユリア様の素なのだと認識致しました。
「そもそも聖女聖女って言う割に、何も知らないってふうだ。どこまで知っているのか、まずはそこからお話よ」
ワインボトルの注ぎ口を向けられ、そう問われましたので、私は素直にありまのままお答えしました。
「私以外に聖女を名乗る方がいらっしゃるのを、今日ユリア様の口からお聞きするまで存じませんでしたわ」
「アンタが聖女だなんだ騒ぎ出したのも今日じゃないか。その妙な芝居を始めるまでは、この服にさえ唾を吐きかけるような子だったのにさ」
「なんですって! ちょっとサリー様、それは本当ですの。この服に唾ですって!」
ありえません。私は飲んだくれのシスターユリア様に即刻替えを要求しました。
さすがに同じ脅威的な胸囲をお持ちの女性です。少々、ウエストの辺りに布地が余りますが、許容範囲でしょう。ご厚意で用意して下さった服に着替え席に戻ると、ユリア様は実に不躾な視線を私に向けてきました。
「マザーを知らず聖女を語るって、貴女……聖女をなんだと思っているのかしら」
私が着替えている最中に、少し頭が冷えたらしいユリア様は、グラスにワインを注ぎながら口調も元の調子に戻られていました。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
71
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる