『拳銃』

篠崎俊樹

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第7話。

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 東山と鍋島、それに、駐在三名の、合計五人で、辺りを捜索していると、駐在の一人が、
「東山刑事、これ、銃弾じゃなかとですか?」
 と言って、柿の木の幹に撃ち込まれていた弾丸を発見した。野田がすぐに来て、幹から弾と思しきものを取り出し、ピンセットで摘まんで、形状を確認する。そして言った。
「間違いねえな。これは、発見された拳銃専用の弾丸だ。ここで一発、撃ったんだろう。試し撃ちだろうな」
「でも、だったら、銃声を誰かが耳にしてるはずです」
 鍋島が応酬すると、野田が、
「だよな?……拳銃が保管庫から奪われたのが、今日、朝倉署に電話があった時間の前で、ホシが試し撃ちしたとすれば、昨日か、一昨日以前ということになる」
 と言って、ゆっくりと弾丸を見渡し、撃ち込まれていた木の幹を見て、硝煙反応がないかどうか、確かめた。銃から出た煙は、木には及んでいないようだった。ということは、銃弾が撃ち込まれたのは、かなり前の時間ということになる。
 東山が、近くにいた農家の男に声を掛けて、ここ数日間で、銃声などが聞こえなかったかどうか、訊いた。すると、その男性が、
「ああ、確か、聞こえとったよ。昨日の夜やったかな。真夜中の、確か……、そうそう、午前二時過ぎに、この近くでパーンってな」
 と言った。間違いない。銃は拳銃保管庫から銃弾ごと盗まれて、ここで試し撃ちされたのだ。香田を名乗るホシは、現金一億円を引き換えに要求しているが、刑事たちの勘が確かなら、銃器を素直に引き渡すというより、犯人サイドは、現金のほうを求めているものと思えた。実際、銃は、その撒き餌に過ぎない。単に、拳銃保管庫から上手く盗み出され、持ち出されたに違いない。しかし、あの保管庫には、二重でセキュリティーシステムが掛かっていた。それを突破できるのは、警察関係者だけだ。ということは、犯行を手引きしたのは、警察にいる人間の誰かということになる。(以下次号)
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