『拳銃』

篠崎俊樹

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第15話。

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 農薬は、烏集院の岸川の自宅に、何らかの方法で運び込まれ、水で希釈されて、対象者に盛られた。ドアノブに付着して、残っていた指紋から、犯人は、室内を物色せずに、岸川を殺害してすぐに退室し、そのあと、蛇口の使用跡を誤魔化した。これが、仕掛けられたアリバイ工作の全貌だ。東山が感じたのは、難事件になるとすれば、この三つのうち、ホシが一つでも工作を誤ることだった。そうなれば、事件は迷走する。烏集院の現場は、間違いないにしても、後のことは、おかしな過程と結末になり、警察は振り回されかねない。朝倉署内は騒然とし出した。実際、刑事たちは、一部が捜査に出ていて、内勤の人間もいるのだが、警察がフェアなら、事件の解決過程もフェアなはずだ。この岸川陽一殺害事件は、アンフェアとなりかねないヤマだった。刑事たちには、一様にそう思えた。実際、もう、この時点で、迷走し掛けている。農協での、農薬の購買履歴がはっきりと確認できなかった時点で、警察は、半ば負けたようなものだ。実際、警察関係者が引き上げた後の烏集院は、ひっそりと静まり返っていて、柿農家が、柿の栽培を続ける田園風景があった。実際、警察の対応が後手に回ったのが、事実であると、刑事たちには思えていた。(以下次号)
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