『記憶の中で』

篠崎俊樹

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第7話。

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     7
 俺は、記憶の中で生きてきている。舞子もそうだ。磯崎家にいながら、外資系企業で事務員をやっていて、夜帰れば、ゆっくりと寛いで、十分な時間、眠ってから、翌朝は普通に職場に行く。互いに、記憶の中で生きてきているのだった。ささやかな幸せというのもある。俺は、気にしていた。夜、寝れないにしても、仕事をして、疲れれば、ベッドに潜り込む。目さえつぶっていれば、寝付けなくても、精神は休まる。無理が利かないから、どこかで寝る。
 妻の寝室と俺の自室は隣り合わせで、一階に、紘一の引きこもり部屋があった。取り壊してやってもいい。そう思える。俺は、あの人間に全く興味がない。俺にとって、夜寝るにしても、昼寝るにしても、睡眠導入剤が必要だ。常に持ち歩いていた。寝たほうがいいことだってある。そんなときは、迷わず服用する。俺にとって、睡眠時間は大事だ。寝付けなくても、目をつぶっておいて、精神を休める。実際、四時間睡眠でも、頑張れた。人間は、簡単に死なない。修羅場を経験しているので、分かっていた。
 俺は疲れていた。実際、世の中、仕事をし続ければ、倒れてしまう。どこかで、睡眠時間が必要だった。俺はやりたい放題やっているから、実際、寝る場所はどこだっていい。障碍者施設への送迎車の中では、目をつぶれないけど、寝るときは、どこでだって寝る。
 睡眠導入剤は、即効くから、いい。今は、いいものが出ている。効果が六時間ぐらいで、俺は四時間寝れればいいから、どこかで起き出す。実際、俺は自室で作業して、徹夜すれば、翌日はどこでだって、寝れる。小説の原稿は、ぶっ続けで四時間とか、五時間書いて、クタクタに疲れてしまうから、寝るのだ。パソコンを閉じて、ケースに仕舞ってから、また持っていく。俺自身、目は悪くない。視力は、近視の眼鏡を掛けて、両目とも、ちゃんと見える。それに、食事を食べたくなれば、食べてから、仕事をする。夜中だって、食べる。運動不足がネックだけど、実際、俺は食べてから、仕事をするのだ。それに、もし眠くなれば、ベッドに潜り込んで、仮眠を取る。仕事は面白くないことだってあるけど、小説の仕事は例外だ。面白いから、没頭してしまう。実際、夜も昼もない感じで、仕事をする。仮眠は、四時間ぐらいでいい。そう思っていた。実際、がっつり食べないと、いい仕事はできない。心からそう思える。また、俺も仕事をしていて、食べることの大事さを感じるのだ。実際、夜一食だけ食べても、イケた。元々、食の贅沢はある。特に精神安定剤を服用する前は、ちゃんと食べる。そうしていた。実際、仕事となると、食べる。俺自身、元々そうだった。その代わり、アルコールは控える。仕事をする以上、お酒は飲めない。また、飲まないように心がけている。それが、俺のやり方だった。(以下次号)
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