『マルキ・ド・サド』

篠崎俊樹

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『マルキ・ド・サド』

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 一七四〇年六月二日、その男は、フランスのパリに生まれた。マルキ・ド・サド。暴力的で、肉体的な快楽を高度に追求した小説を数多く発表した作家は、放蕩と、数々の犯歴のため、パリの刑務所と精神病院に入れられ、獄中で創作を敢行した人間であった。サディズムという言葉は、彼に淵源がある。貴族の子弟だったサドは、イエズス会に学んだが、軍人としても活動した。爵位は、伯爵から侯爵に上がり、娼館で乱交などをして、その罪で収監された。獄中で、小説を多数書き、エロティシズムを高く追求したその作品群は、のちに高度な評価を受けたのだ。一八一四年に死没するまで、精神病院で暮らし、創作もそこで行った。日本の古典作家たちも、サドを高く評価している。サドの作風は、異常心理に基づくものだったらしい。私も、彼の作品を耽読して、そう感じた。精神医学者などが、彼の作品や人格などを研究している。ある種、快楽と満足を得ることだけが、サドの取り柄だったようだ。映像化や漫画化もなされていて、読者や愛好者は一定層いる。また、私もこの短編小説を綴りながら、思ったのだが、この作家は、非常に謎が多い。正直なところ、なぜ、こんなエロスや暴力を追求して楽しんだのか、分からない。単なる嗜虐的な作家と言ったところだろうか?私にも、正直、よく分からなかった。作中で、何を言いたいかが、だ。また、この作家は、メジャーであるにも関わらず、読者というのは、どうも少ないようだ。この作家に関して、小説にしようと考えていたのだけれど、どうも、史料などが、絶対的に少ないので、非常に書きづらく、この辺りに留めて、稿を結ぶこととする。
                                  (了)

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