『今すぐ、会いたい』

篠崎俊樹

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第19話。

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 俺は、元々、感受性が鋭いほうで、寝付けない時は、延々、インターネット小説を書いて、過ごしていた。今でも、その姿勢に変わりはない。俺が、敵に回した人間も、だいぶいるが、別にいいと思う。俺は、常に、自宅2階のテーブルに、薬類を置いているし、怖くも何ともない。それに、俺にとって、今の最大の関心事は、陽一のことでも、隣のオヤジ、ババアのことでもなくて、インターネット小説になった。もうすぐ、この連載小説も、稿を結びたいと思うが、俺にとって、関心があるのは、小説のほうなのだ。あと、あるとすれば、妻の家族とのことであって、もう、陽一や妹夫婦だって、関心はなくなった。もうすぐ、この小説も書き終わって、稿末に了の字を入れる。俺にとって、小説というのは、永遠に続く、創作活動の一環なのだ。そう思って、やっている。他人様が許すか、許さないかは、別として……。それに、最近、妻が、朝倉郡筑前町のスーパーに、パートで働きに行くようになった。いいことだと思う。妻は接客が楽しいらしい。そんな妻と、俺はいつだって、今すぐ会いたいのだ。
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