『雨天殺人事件』

篠崎俊樹

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第22話。

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 その日の午後は、ベッドに突っ伏して、寝てしまった。また、明日も、新聞店の仕事がある。忙しい。俺は、睡眠導入剤を服用した後だって、動き回るときがある。別に、朝倉市は、平和なのだし、俺自身が、元々、健康体で、寝ようと思っても、寝付けないのだ。眠れない時は、洗濯とか、掃除とかをやる。別にいい。俺にとって、インターネットがあれば、当面、楽に暮らせる。俺自身が、元々、ネットオタクで、ずっと、インターネットを見ているからだ。今回の雨天殺人事件も、秋吉亮太の遺体が見つかったということで、警察は、まともに、相手しないだろう。俺にも、そう思える。俺は、新聞店の仕事が終われば、あとは、自宅の自室で寝るだけだ。睡眠導入剤が効けば、よく眠れる。実際、寝付くときは、寝付くときで、ゆっくり眠って、翌朝、新聞店に行く。俺の仕事など、その繰り返しだった。そう思ってもらっていい。また、俺の生活というのも、幾分、他人のそれよりも、ひん曲がっているものと思ってもらっていい。
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