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第63話。
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九ヵ月後、ジミーは、最愛のパートナーを亡くした。
臨終間際、病院の簡易ベッドの上で、亜季はまるで赤ん坊のように、無邪気に笑っていた。しかし一方で、鎮痛剤でも抑えられないぐらい、下腹部に激痛が走るのを耐えながら、死んでいった。ジミーは頭を丸刈りにして、彼女の家族葬に出席した。
焼かれて骨壷に収まるぐらいの小さな骨になった亜季に、彼は思わず、号泣する。
号泣という言葉を知らないジミーも、思いっきり泣いて、溜め込んでいた涙全てを流し出してしまった。これで、体内の涙全部が枯渇する。果たして、亜季は何を望んでいたのか?と思う。
騒がしい福岡の街は住みづらい。自分に残された金を数える。生前、亜季が加入していた死亡保険の二千万が満額支払われていた。
それに逃亡資金の残りを足し合わせて、ざっと二千二百万ほどが手元に残った。それがジミーの全財産だ。
季節は、すでに二〇二三年三月に入っている。
これから行きたいところは……南国高知が浮かんだ。四国は暖かく、住みやすい。それに、警察も追ってこないだろう。彼は、竜馬の銅像がある桂浜に、まず行ってみたかった。
亜季の位牌を抱え、火葬場を出たジミーはそんなことを、率直に思った。
九ヵ月後、ジミーは、最愛のパートナーを亡くした。
臨終間際、病院の簡易ベッドの上で、亜季はまるで赤ん坊のように、無邪気に笑っていた。しかし一方で、鎮痛剤でも抑えられないぐらい、下腹部に激痛が走るのを耐えながら、死んでいった。ジミーは頭を丸刈りにして、彼女の家族葬に出席した。
焼かれて骨壷に収まるぐらいの小さな骨になった亜季に、彼は思わず、号泣する。
号泣という言葉を知らないジミーも、思いっきり泣いて、溜め込んでいた涙全てを流し出してしまった。これで、体内の涙全部が枯渇する。果たして、亜季は何を望んでいたのか?と思う。
騒がしい福岡の街は住みづらい。自分に残された金を数える。生前、亜季が加入していた死亡保険の二千万が満額支払われていた。
それに逃亡資金の残りを足し合わせて、ざっと二千二百万ほどが手元に残った。それがジミーの全財産だ。
季節は、すでに二〇二三年三月に入っている。
これから行きたいところは……南国高知が浮かんだ。四国は暖かく、住みやすい。それに、警察も追ってこないだろう。彼は、竜馬の銅像がある桂浜に、まず行ってみたかった。
亜季の位牌を抱え、火葬場を出たジミーはそんなことを、率直に思った。
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