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気付き
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(あら、何かしらこの手・・・)
1番初めに見たのは、目の前に見慣れない手だった。
私のよりもほっそりとしたそれは、とても白くて若々しい。
そして、その手は小さな背中に添えられて、今にも押そうとしているみたいに見える。
そして――
(おかしいわね。そこは私の手がある所なんだけど?)
違和感に気づいて、手を眺めようと引っ込めたその時。
「見てください、律!池に鯉がいま――え?」
「りつ?――あ、」
小さな背中の持ち主である3.4歳くらいの少年がこちらを振り向き、聞きなれない「りつ」言う名前を言ったと思ったら、次の瞬間には身体が傾き、少年の先にある池に向かって倒れていた。
そして、私は咄嗟に伸びた手で、少年の着物の袖を掴んだ。
「僕!危ない!」
叫んだ時には既に遅く、私も少年も二人揃って池に落ちていた。
「ぷはっ!」
焦って、私は顔を水面目掛けてぶつけた。
池は存外深く、私の首までの高さがあるらしい。
私は急いで一緒に落ちた少年を探した。
すると、まだ少年は水面に上がっていない事がわかった。
少年は確か私の腰ぐらいの身長だった筈。
そう思った私は水中を探った。。
だが、思ったよりも多くの抵抗がかかり、思ったようには動けなかったため、少年は見つからなかった。
見つからない少年のことを考えると心配で、私は潜って探すことにした。
幸い、池にはそんなに広くない。
辛いけど、水の中で目を開けると、少し離れたところで少年が苦しそうに水泡を吐きながらもがいているのが見えた。
やっぱり少年は水中にまだいた。
「待ってて、すぐ助けるから!」
私は水上に顔を出すと、前に進むために水をかいた。
だが、その動きに足が着いて行かない。
足に何かが絡みついているのだ。
見ると自分は少年と同じく、着物を着ていた。
動けなかったのは、それが原因だ。
(これはまずい!でも、あの子に少しでも呼吸させてあげないと死んじゃう)
「誰かぁ!助けて!あの子が死んじゃう!」
私は助けを求めながら、必死に少年に向かって進んだ。
すると、何とか少年の腕を掴んで引き上げることに成功した。
少年はぐったりしていて、息をしているのかすら怪しい状態だった。
(とりあえず、水面に上げないと!)
そう思った私は早かった。
自分が水に沈んででも、少年を上に押し上げた。
「ま――てろ!い――ける――か――」
そして、だんだんと自分の意識も薄れていって、そこからの事は覚えてない。
でも、最後に何か聞こえた様な気がした。
気のせいかしら?
1番初めに見たのは、目の前に見慣れない手だった。
私のよりもほっそりとしたそれは、とても白くて若々しい。
そして、その手は小さな背中に添えられて、今にも押そうとしているみたいに見える。
そして――
(おかしいわね。そこは私の手がある所なんだけど?)
違和感に気づいて、手を眺めようと引っ込めたその時。
「見てください、律!池に鯉がいま――え?」
「りつ?――あ、」
小さな背中の持ち主である3.4歳くらいの少年がこちらを振り向き、聞きなれない「りつ」言う名前を言ったと思ったら、次の瞬間には身体が傾き、少年の先にある池に向かって倒れていた。
そして、私は咄嗟に伸びた手で、少年の着物の袖を掴んだ。
「僕!危ない!」
叫んだ時には既に遅く、私も少年も二人揃って池に落ちていた。
「ぷはっ!」
焦って、私は顔を水面目掛けてぶつけた。
池は存外深く、私の首までの高さがあるらしい。
私は急いで一緒に落ちた少年を探した。
すると、まだ少年は水面に上がっていない事がわかった。
少年は確か私の腰ぐらいの身長だった筈。
そう思った私は水中を探った。。
だが、思ったよりも多くの抵抗がかかり、思ったようには動けなかったため、少年は見つからなかった。
見つからない少年のことを考えると心配で、私は潜って探すことにした。
幸い、池にはそんなに広くない。
辛いけど、水の中で目を開けると、少し離れたところで少年が苦しそうに水泡を吐きながらもがいているのが見えた。
やっぱり少年は水中にまだいた。
「待ってて、すぐ助けるから!」
私は水上に顔を出すと、前に進むために水をかいた。
だが、その動きに足が着いて行かない。
足に何かが絡みついているのだ。
見ると自分は少年と同じく、着物を着ていた。
動けなかったのは、それが原因だ。
(これはまずい!でも、あの子に少しでも呼吸させてあげないと死んじゃう)
「誰かぁ!助けて!あの子が死んじゃう!」
私は助けを求めながら、必死に少年に向かって進んだ。
すると、何とか少年の腕を掴んで引き上げることに成功した。
少年はぐったりしていて、息をしているのかすら怪しい状態だった。
(とりあえず、水面に上げないと!)
そう思った私は早かった。
自分が水に沈んででも、少年を上に押し上げた。
「ま――てろ!い――ける――か――」
そして、だんだんと自分の意識も薄れていって、そこからの事は覚えてない。
でも、最後に何か聞こえた様な気がした。
気のせいかしら?
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