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不思議な不思議な龍族のお話
しおりを挟む昔、人間が誕生する遥か大昔。
龍族という部族が存在していました。
龍族には三つの部族があり、決して仲がいいとはいえませんでしたが、それぞれが天と地と間の空を支配するエネルギーを司り、三つの部族にはその部族に一人、長がいて自分の部族をまとめていました。
天の竜族には羽があり、風を操り軽やかに空を飛び回る。
地の竜族は土と火を操って、豪快な性格。
そして、間の空にいる龍族は、時の管理。
三つの部族には共通する約束事、つまり掟がありました。
それは、それぞれの部族の領域には絶対に立ち入らない事。
仲違いはしていたものの、みなお互いにルールを守って穏やかな生活を送っておりました。
三つの部族の長が集まってそれぞれの環境について話し合いをすることもありました。
ただ『空』の龍族だけは、少し特殊で繊細なことを引き継いできました。
それは時を刻んだ水晶を引き継いで、また次に繋いでいくこと。
龍族には龍族の歴史があり、更に前には多種族の歴史があった。
初めの龍族の長がその歴史を引き継いで、代々の龍族の長で守ってきた。
しかし、全ての事象には永遠に続くものは無い。
龍族の歴史も例外なく、終末を迎えることがわかってきた。
その時に最期の龍族の長となる龍を、みなで育てていこうと決めました。
最期の龍族の長。
つまり時のバトンを担う龍。
小さな時からいろいろな部族のところに飛び回り、なんだかんだで可愛がってもらっている、ちょっと変わった龍。
成長して長になっても変な龍。
でもどこか憎めないところがあり、みなが大好きな龍の長。
その頃には緊張感のあった龍族の長会議も、子供の勉強会みたいな雰囲気になっておりました。
その変わった龍の長が一番大好きだった部族の長が、地を司る竜。
兄弟のようにいつもくっついて回っていました。
龍族は両生具有の竜族と別別の竜族があり、『空』の龍族は別別の性別になる一族でした。
ある時、地の竜族の長が言いました。
「何故そなたには、両方ともあるのか?」
と。
『空』の龍族の長は言いました。
「私は最期のときの龍だから、特別ならしい」
本当に仲が良い義兄弟の二人。
いつしか、『空』の長の心に、ある感情が芽生えてしまいました。
それが人間でいう
『恋』
だとは分からず、いつのまにか、恋が愛に変わった時に、とんでもないことになりました。
禁忌を犯した。
その後、三部族大変な騒ぎになり、結果的に全員一致で、ある結論を出しました。
それは、『空』の長の女性性を封印すること。
全員一致で可決したことだったにもかかわらず、地の竜族の長が最後の最後で反対しました。
つまり『空』の長の女性性だけではなくて、自分も一緒に封印するべきだ、と。
結果的に『空』の長の男性性の中に、『空』の長の女性性と地の竜族の長の御霊をおさめて永遠に封印しました。
二度と境界線は越えないように、絶対に分からない深淵の闇に葬り去った。
時間の水晶には書きこまれないように、忘れてしまうくらいに慎重に…
悠久の時の中へ……
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