異世界でスキルを奪います ~技能奪取は最強のチート~

星天

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第一章 転生

第二話 【特殊技能】と【加護】

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 「【特殊技能ユニークスキル】には、数に決まりがあります。世界を維持していくのに必要な量を加減しなければいけません」

 そう言いながら、神々しい光は移動し、多層型のホログラムになった。いや、無数の文字列が描かれ、刻々とその数値を変えている。
 
 「【創造権能】【自由自在あるがまままに】。うーん【無限復活《リスポーン》】はとられてますね。【技能奪取】なんてのもありますね」

 どうやら、ホログラム内の【特殊技能ユニークスキル】を見ているようだ。

 「うーん。二個までなら、選んで大丈夫ですよ。これが一覧です」

 そう言って、彼女は一つのウィンドウをこちらに渡した。

 【創造権能】【自由自在あるがまままに】【技能奪取】などなど。沢山ある。
 【魔導辞典グリモワール】と【創造権能】が妥当なところかな。【神人交信】というのも面白そう。でも、安全性で言ったら【万能防護プロテクション】もいいな。いや、やっぱり…

 「【創造権能】【技能奪取】をください」
 「わかりました」

 彼女の声が響いた。身体に光がともった。

 「その光に触れてください」

 光を触ってみる。

 【世界干渉中……【世界之記憶書庫アーカイブ】を参照中……【第三世界】から【第八世界】へと転生申請……完了】
 【【世界之記憶書庫アーカイブ】へ情報変更……完了】
 【【第八世界】の世界軸を変更中……変更失敗…再変更《リトライ》…干渉を確認……対処】
 【干渉者【世界樹】の権限レベルをⅠに変更】
 【認証…対象【天野翔】に【特殊技能ユニークスキル】、【創造権能】【技能奪取】を授与】
 【情報を変更…完了】

 頭に情報が流れ込んできた。思わず、「うっ」と頭を抱える。

 「【特殊技能ユニークスキル】を渡せました。次はそうですね。私の加護を授けます」

 俺は頭を抱えながら聞く。

 「【加護】とはなんですか?」
 「説明してませんでしたね。加護とは上位存在が下位の者に与えることができる、まぁ特典のようなものです」

 ちなみにフランは第八世界において、最高神に当たる創世神であるので、第八世界での彼女の加護は最高位の中でも超レアなものである。

 「私の加護は【創世神の加護】というものです」

 そう言いながら、俺に手を向ける。

 「『我は神が一柱、【第八世界最高神】フレリアーナ・アレスト・ゼウス也』『我が力を汝に授けん』」

 そう言い終わると、彼女の手から燐光が漏れる。零れおちた光は俺に纏わりつき、頭の中で声がする。

 【【創世神の加護Ⅰ】を獲得しました】

 「さぁ、後はあなたを異世界に転移させるだけです」

 彼女が手を振った。一瞬で魔法陣のようなものが俺の足の下に展開された。大型の魔法陣が俺の下に広がり、それを起点に小さな魔法陣や文字が回っている。

 「【世界移動ワールドスワップ】」

 そう言った瞬間、視界が一瞬ぶれた。

 彼女がほほ笑んでいる。

 俺は身体が引っ張れる感じがして――


















 ――俺は転移しなかった。













 「【強制返還】」

 その冷静な声を聞いた時、俺はなぜか、あの白い空間に立っていた。
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