13 / 60
第二章 森の中
第十二話 【白狼】【魔熊】【緑子鬼】VS俺一人 後編
しおりを挟む
一人で戦うのは圧倒的不利だが、どうしようもないので、俺は構える。
「かかってこいよ」
手で相手を挑発する。
まず引っ掛かったのは熊だ。ストレートのパンチ。体をずらして避ける。
逆にこっちはがら空きの鳩尾を殴る。
それでも、まだ足りない。
俺はそのままゴブリンの方を向き、跳び蹴りをする。ゴブリンはこちらの攻撃に不意を突かれて、攻撃を喰らう。
あいつは倒れた。まだ死んでないが、戦闘不能。これで二匹。
俺は倒れたやつから、剣を奪い取り、構える。
狼は魔術を起動し、俺に球を打ってくる。
俺は身体を捻ったり、屈んだりして避ける。【火球】のように操ってるのか、正確に俺に向かってくる。俺は剣でそれを防ぐ。
ゴブリンが使っていた剣はそこまで良品じゃないのか、ダメージを完全にいなせなかった。技術不足かもしれないが……
俺はゴブリンに【火球】を打ち、攻撃を当てる。
そして、俺が【火球】を起動した瞬間、頭の中で言葉は反響した。
【【火属性魔術】に【使用可能魔術】が追加されました】
その声が反響し終わった瞬間、俺の頭の中に無数の式が飛び回る。無数の文字や記号がそれを形成していた。式の演算が終わった後、俺はそれを理解した。
――新しい魔術だ。
【火弾】
※火の弾丸を飛ばす。直線状に飛ばすので、【火球】のように操作はできないが、威力と速度は【火球】の倍以上
説明文を瞬時に見る。大体、こんな感じだ。
早速、使ってみる。俺は技名を叫ぶ。
「【火弾】!」
俺は魔術を穿つ。火でできた弾丸は一直線に敵に向かい、敵を貫いた。拳銃のような銃器みたいに早いわけではなく、あくまで【火球】と比べて速いというだけのようだ。でも、この速度なら急所に当てるだけで殺せるだろう。
【技能《スキル》【下級短剣術】【体術】を【緑子鬼《ゴブリン》】から奪いました】
【技能《スキル》【体術】を【体術】の経験値へと変化させました】
そんな声が響く。殺したってことか。
俺は嫌悪感を感じるが、この世界では普通のことなんだ。仕方がない。手加減なんてできない。
俺は更にもう一体に手をかける。
【技能《スキル》【下級短剣術】【体術】【指揮】を【緑子鬼《ゴブリン》】から奪いました】
【技能《スキル》【下級短剣術】を【下級短剣術】の経験値へと変化させました】
【技能《スキル》【体術】を【体術】の経験値へと変化させました】
俺はそのまま剣を振るいながら、魔術を穿つ。
弾丸のように速い魔術と自由に操作できる球体の魔術。俺は敵を圧倒していた。
最後まで抵抗していた狼が地面に倒れこむ。
【技能奪取】の通知が来ないということは殺せていないのだろう。止めを刺そうと術式を巡らせようとする。だが、途中で俺は殺すのを止めた。
ここまで来たら殺してしまえばいいと思うが、間違っている気がする。本当はゴブリンたちも殺す必要はなかったはずだった。熊だって技能を奪うだけにすればよかったのだ。殺す必要もなかった。
命を奪うべきではないのだ。
俺は葛藤していた。
確かにこいつを殺せば技能が手に入るという利己的な考えとこいつを殺せば倫理観が崩壊するという道徳的な考えが争っていた。
俺は結局、殺すのを止めた。術式を止める。魔力は雲散し、形成されかけていた炎も雲散した。
「……元気に生きろよ」
白い毛が赤く染まっている。もしかしたら、何もしなくても死ぬかもしれない。だが、微かな声で鳴いた。
「ガゥッ」
弱弱しかったが、確固たる意志を感じた。
――戦いは終わった。
結果は俺の勝ちだった。
「かかってこいよ」
手で相手を挑発する。
まず引っ掛かったのは熊だ。ストレートのパンチ。体をずらして避ける。
逆にこっちはがら空きの鳩尾を殴る。
それでも、まだ足りない。
俺はそのままゴブリンの方を向き、跳び蹴りをする。ゴブリンはこちらの攻撃に不意を突かれて、攻撃を喰らう。
あいつは倒れた。まだ死んでないが、戦闘不能。これで二匹。
俺は倒れたやつから、剣を奪い取り、構える。
狼は魔術を起動し、俺に球を打ってくる。
俺は身体を捻ったり、屈んだりして避ける。【火球】のように操ってるのか、正確に俺に向かってくる。俺は剣でそれを防ぐ。
ゴブリンが使っていた剣はそこまで良品じゃないのか、ダメージを完全にいなせなかった。技術不足かもしれないが……
俺はゴブリンに【火球】を打ち、攻撃を当てる。
そして、俺が【火球】を起動した瞬間、頭の中で言葉は反響した。
【【火属性魔術】に【使用可能魔術】が追加されました】
その声が反響し終わった瞬間、俺の頭の中に無数の式が飛び回る。無数の文字や記号がそれを形成していた。式の演算が終わった後、俺はそれを理解した。
――新しい魔術だ。
【火弾】
※火の弾丸を飛ばす。直線状に飛ばすので、【火球】のように操作はできないが、威力と速度は【火球】の倍以上
説明文を瞬時に見る。大体、こんな感じだ。
早速、使ってみる。俺は技名を叫ぶ。
「【火弾】!」
俺は魔術を穿つ。火でできた弾丸は一直線に敵に向かい、敵を貫いた。拳銃のような銃器みたいに早いわけではなく、あくまで【火球】と比べて速いというだけのようだ。でも、この速度なら急所に当てるだけで殺せるだろう。
【技能《スキル》【下級短剣術】【体術】を【緑子鬼《ゴブリン》】から奪いました】
【技能《スキル》【体術】を【体術】の経験値へと変化させました】
そんな声が響く。殺したってことか。
俺は嫌悪感を感じるが、この世界では普通のことなんだ。仕方がない。手加減なんてできない。
俺は更にもう一体に手をかける。
【技能《スキル》【下級短剣術】【体術】【指揮】を【緑子鬼《ゴブリン》】から奪いました】
【技能《スキル》【下級短剣術】を【下級短剣術】の経験値へと変化させました】
【技能《スキル》【体術】を【体術】の経験値へと変化させました】
俺はそのまま剣を振るいながら、魔術を穿つ。
弾丸のように速い魔術と自由に操作できる球体の魔術。俺は敵を圧倒していた。
最後まで抵抗していた狼が地面に倒れこむ。
【技能奪取】の通知が来ないということは殺せていないのだろう。止めを刺そうと術式を巡らせようとする。だが、途中で俺は殺すのを止めた。
ここまで来たら殺してしまえばいいと思うが、間違っている気がする。本当はゴブリンたちも殺す必要はなかったはずだった。熊だって技能を奪うだけにすればよかったのだ。殺す必要もなかった。
命を奪うべきではないのだ。
俺は葛藤していた。
確かにこいつを殺せば技能が手に入るという利己的な考えとこいつを殺せば倫理観が崩壊するという道徳的な考えが争っていた。
俺は結局、殺すのを止めた。術式を止める。魔力は雲散し、形成されかけていた炎も雲散した。
「……元気に生きろよ」
白い毛が赤く染まっている。もしかしたら、何もしなくても死ぬかもしれない。だが、微かな声で鳴いた。
「ガゥッ」
弱弱しかったが、確固たる意志を感じた。
――戦いは終わった。
結果は俺の勝ちだった。
75
あなたにおすすめの小説
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由
瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。
神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる