異世界でスキルを奪います ~技能奪取は最強のチート~

星天

文字の大きさ
49 / 60
第五章 叛逆

第四十八話 昇華

しおりを挟む
 「一つは美徳昇華……【美徳】へと昇華させます。もう一つは大罪昇華……【大罪】へと昇華させます」

 一つは純白に輝いており、もう一つは黒く光っている。どちらがどちらかわかりやすい。

 「【美徳】【大罪】は幾つかの技能を犠牲にして創られる技能です。統合され、昇華され、別物へと変わります」

 つまり、能力を別物に変えると……最強のアイテムだな。ゲームだったら、真っ先に使っている。昇華ということは能力も飛躍的に性能が上がると……【技能融合】の上位互換みたいな感じかな。

 「ただ、これを使うなら、我々と共に化け物を倒す契約をしてほしい。倒した後は、どうしようがお前の自由だが、それまでは契約によって制限さて頂く」

 【魂の契約書ソウルスクロール

 俺は息をのむ。それは世界最高峰の契約書だったからだ。薄く淡く仄かに光るそれは魔法が込められていることを証明している。水色に近い色の発光だ。
 込められた魔術は【絶対遵守】。契約したら、それを絶対順守させる強制力を持つ。それだけ彼らの本気が伝わってくる。

 俺は逡巡したが、すぐに回答した。

 「あぁ、わかった」

 俺は風を操り、指を切る。痛覚は殆ど感じない。深紅の血が指から零れるようにして垂れる。

 血が契約書に纏わり、光った。仄かな光は激しく光り出し、俺と創造神を包んでいく。光は鎖の形状へと姿を変えた。鎖の片方は俺へと向いた。そして、身体の中に溶け入るようにして侵入していく。まるで心臓が柔く包まれているようだ。もう片方は契約者。創造神の豊かな左丘に入っていた。鎖と鎖が結ばれる。

 光の鎖は俺の心臓を人質に取るようにして封印していくように縛っていく。物理的な痛みはないが、なんとなく感覚的にだが、わかる。俺と創造神が結ばれている。そして、俺の内側に鍵をかけるようにして、結びついていた。

 「契約完了だ」

 悪魔が言った。契約成立したことを確かめてから、創造神は種を差し出した。俺は受け取った。

 向日葵の種ぐらいのサイズだろうか。俺はまず、純白の種を口腔に放り込む。

 錠剤のように噛むないようにするべきだろうか。と俺は考え、

 苦い……どころじゃない。身体中が吐き出そうとする。

 【【美徳の種】を認証……承認……】

 微かに脳裏にアナウンスが響く。

 気持ち悪い。吐き気が止まらない。

 【【物理損害無効】【魔術攻撃耐性Ⅸ】【爆撃耐性Ⅸ】【孤独耐性Ⅹ】を生贄に、【忍耐】を獲得】

 身体の奥底、心の奥底でジュンッと燃えるような熱さが体中に響いた。

 「では、もうひとつお願いします」
 「わ、かった」

 俺は何とか返事をして、もうひとつの暗黒の種を喰らう。

 【【大罪の種】を認証……承認……干渉確認――キャンセルされました】

 頭の中にアナウンスが響いた。先ほどとは違う。身体が勝手に吐き出した。呑み込むことすらできなかった。

 【【美徳】を獲得したことにより、権限レベルが上昇……強制干渉不可能化……【称号】現人神を獲得……セット完了】

 頭の中が揺れるようにして、情報を整理しきる。

 俺は脳裏に【美徳】である【忍耐】の情報を見る。

 【忍耐】
  【分類】美徳
  【説明】×××(表示不可)
  【能力】
   【神撃軽減Ⅹ】
   【攻撃無効】
   【干渉無効】
   【状態異常無効】

 色々な耐性、無効の技能が東郷された【忍耐】は様々な無効化を得た。但し、神の攻撃までは無効化できない模様。だが、とても強力だ。

 攻撃無効は勿論、攻撃を無効かする。物理攻撃、魔法攻撃など、全ての攻撃を完全に無効化される。ただし、【現人神】もしくは神だと、攻撃は通る。

 干渉無効というのは、色々な干渉系の能力を無効化する。精神干渉である【魅了】や、情報干渉である【偽装】など、そういうのを全て無効化する。

 状態異常無効というのはそのままだ。ただし、死とかは無効化できないが……

 「それでは大丈夫か……」

 心配そうに覗き込まれる。何やら、能力を発動しているようだ。だが、完全に無効化する。

 「あぁ、大丈夫だ」
 「そうか。ならいい。だが、【大罪】の能力を獲得できなかったようだな」

 俺は頷く。

 「何故かわからないけどな」

 すると、悪魔は「ふーむ」と謎めいた声を出す。

 「まぁ、いいでしょう。【美徳】だけでも十分な結果です。本来なら、死んでしまう可能性もありましたから」

 神と悪魔は笑顔で俺を見る。

 「では、最後に、名前を聞いておこう」
 「天野翔だ」

 俺が答えたら悪魔が言った。

 「そうか。では、盟友よ。我らが同胞と共に世界を取り戻すぞ」
しおりを挟む
感想 32

あなたにおすすめの小説

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。 神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

処理中です...