異世界でスキルを奪います ~技能奪取は最強のチート~

星天

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第五章 叛逆

第四十九話 作戦

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 「世界を取り戻すといっても簡単ではない」

 ここは【世界樹】の中の一角にある会議室のような場所。そこに集まったのは、総勢三名。会話内容は壮大なのに、なぜか心細くなってくるようなメンツだ。

 「勿論、我らだけではない。数多の同胞と世界を救うことを決心した」

 悪魔は珍しく感情を激しく吐き出しながら話している。

 「だが! だが、しかし! あの忌々しい魔女はその度に、蠅をたたきつぶすかのように、我らを叩きつぶした!」
 「そうですか……」

 俺はとりあえず、肯定しておく。なんかハイテンションでついていけない。

 「あぁ……しかし、今回は! そう! 君がいる」

 悪魔は俺を見て言う。

 もう完全に頭がおかしいやつにしか見えない。

 「えーでは、作戦会議ですが、これからの方針を決めたいと思っています」

 何とか冷静に進めようとする【創造神】。俺は彼女に司会を頼んだ。

 「もう司会は【創造神】さんやってください」
 「わかりました。では、まず第一にですね。彼女はこの世界から倒す術はありません」

 いきなりすごい話だな。

 「彼女は常に自分の世界の中にいます。干渉は困難で、非常に難しいです」

 俺は声を上げる。

 「では、どうやって倒すんですか?」
 「彼女は確かに閉じこもっていますが、ある年だけそこから出る必要があります」

 【創造神】が手を横に振った。すると、空中に魔術で投影された映像が表示される。どうやら、現在の地上の様子。神官が沢山集まって、大規模な魔術を行使しようとしているのがわかる。

 「これは現、【創造神】を崇拝している宗教です。聖王国も国教にしていたあれです」

 確かに聖王国もフランを信仰していると言っていたな。でも、どうやらここは違う国のようだ。聖王国にはここまで大きな聖堂はない。王女様にも聞いているので間違いない。大きな教会を囲むようにして詠唱をしている神官たちの数も凄まじい。恐らく、数千人はいるだろう。


 「この国は神権国家です。王は神に寵愛されし者が選ばれ、数百年の時を生き、その国を豊かにします。本来、様々な神が降りれるチャンスなのですが、どっかの女が女神を抹殺したおかげで、現在、【創造神】しか降りません」

 話の流れが読めてきた。これはこのタイミングで殺すということだな。

 「聖王国にも伝わっているはずの予言、新たな【異界勇者】が選ばれるというものですが、恐らく地上で今、あなたは死んだということになっているはずです」

 一瞬、間が空く。

 「……はっ?」
 「まず、【世界樹】の中は生半可な力では干渉できませんし、干渉されたとしても、正確な位置まではわかりません。前にも説明したはずですが、ここは異空間です。だから、探知はまず不可能です」
 「しかもだ。吸血鬼が出て、その吸血鬼とあなたが一緒のタイミングで消えたのですから、あの王女は殺されたと思って、そう報告するでしょう」

 確かにそうだ。

 俺だって、眼の前で強力なモンスターと一緒に消えられたら、そう思ってしまう。というか死んだ者扱いされるってどうよ……

 「まぁ、それは置いておいて……あなたが【異界勇者】の最有力候補でしたが死んだら、次に選ばれるのは別国で召喚された、あの少女でしょう」
 「アルにも聞いたことがあるけど、それがどう関わってくるんだ」

 話が微妙につながらない。なんとなく言いたいことはわからんでもないんだが……

 そう思っていると、空中に投影された映像がまたまた変化する。

 「このように【異界勇者】の候補はまず、神卸しの儀式を行うのです」

 そこは教会の中だった。大聖堂のような場所で、一人の少女が傅いている。少女は大きなベールを被り、神聖な法衣を纏っている。そして、聖職者の如く、眼の前の像に向かって真剣な祈祷をささげている。

 「彼女は別の国で召喚された少女です。彼女の魔力で、先ほど外周にいた魔術師で、超大規模な魔術を行使します。それが神卸しの魔術なのです」

 なるほど。確かに神様を現世に顕現させる時には膨大な魔力が必要になるだろうからな。普通の召喚の魔術――空間属性の一部――を使用すると、魔力がかなり持ってかれるから、神様の場合なら、桁違いの魔力が必要なのだろう。

 「そして、その神卸しの儀式で彼女は現世に降臨します。その時に【創造神】の力はとても小さくなります。なぜなら、神がこの世界に降りる時、力が制限されてしまうためです。ある程度の力は持ち込めますがね」

 【創造神】は肩を竦めて言った。

 「その時を我ら悪魔、一同で襲撃するのです」


 そして、その時、扉をたたく音が響いた。

 「やってきたようです」

 そして、そこにいたのは――

 「紹介しましょう! 我らの同胞を!」

 ――悪魔……? とは思えない面面だった。
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