33 / 64
32 とある侯爵夫人
しおりを挟む
「侯爵夫人のおなりである。ひかえよ」
ノイバン侯爵夫人こと私、アリタリア・スノーク・ノイバンはスノーク領の奥地に出来たダンジョンに来ていた
きっかけは冒険者の真似ごとをして冒険者ギルドに出入りしているノイバン侯爵家4男のカールだ
そこで聞きおよんできた情報によると、スノークの街から2時間ほど行った所に新たにダンジョンができた。
そこは人に有益なダンジョンと判断され、王都からもしばしば高ランクのパーティが訪れているという
出来たばかりのダンジョンとは本来すごく不安定な物。
いつモンスターが溢れてくるかも知れない所に入場規制までしいているとはどういう事だと聞いたが、聞きかじっただけのカールでは要領をえず、私が直に出向く事にした
武闘派の辺境伯の家に産まれ、王都の隣とはいえ魔物の多いこの土地に戦闘力を買われ嫁いではや30年。
昔のようにひとりで魔物討伐に向かう機会は無くなったが、未だ腕は衰えてはおらぬ。
ギルドがダンジョンとこざかしい協定など交わしているからおかしな事になるのだ。
生まれたてのダンジョンなど些細な益にとらわれず武力で蹴散らせばよい
ギルドがどうしても一週間後にしてくれというので、ダンジョンの視察という名の討伐は今日となった。
スノークの街を出てダンジョンまで馬車で道なき道を2時間と聞いていたが、街道から整備された1本道ができているではないか!
それに日々の討伐が行き届いているのか道中は魔物の気配がほとんどない。
1時程で黒い扉の前に降り立った。
今日のお付きの侍女はアイノとエーダ。
どちらも私が教育した剣士達だ。
「ふんぬ」
長年の間馴染んだ戦闘服に身をつつみ、いざ参る!
ここは本当にダンジョンなのだろうか?
質実剛健のノイバン家よりはるかに豪奢なしつらえだ
ダンジョン特有のトラップの気配どころか、ピンクと黒の華奢な装飾は王都の貴族の館を夜会用に飾り立てたかのようだ。
思わずハンカチを引っ張りだして汗をぬぐう
深く頭をたれる女たちに案内された先にはなんと温室があった。
王家主催の園遊会で見た事があるが、王家の温室より規模こそ小さいが、明らかにこちらの方が見事な作りだ
曲線で構成されたフレームと複雑にカーブする透明度の高いガラスは、室内に咲き乱れる花々と相まってまるで宝石箱の中に迷いこんだようだ
外からは全く伺いしれぬ内部展開は明らかなダンジョンの特徴ではあるが
店主と名のった女とメイドは、その立ち振る舞いから明らかに戦いになれていない。
おそらくゴブと呼ばれる美しい人形の様な女が唯一の戦闘員だろう。まだ向こうから何かを仕掛けてくる気配はない
流れるように紅茶と菓子をサーブしてくる。
紅茶からは花のように甘い香りがして、菓子は工芸品のようなに繊細だ。
白い花の咲き乱れる美しい温室でのこのような茶会など、王妃殿下でも味わった事が無いのではないか?
菓子はどんどん追加されテーブルの上はにぎやかになっていった。
驚く事にティーカップは当家の家紋をイメージしてもちよったとは
アイノとエーダにも同席させた。菓子に毒は無いようだ。
待ちきれず紅茶を口に含む。今まで飲んだ紅茶の中で群を抜いて上質なものだ。菓子も見た事のない果実がのっているが実に美味い。手が止まらない。アイノ、それは私の分
タルトという菓子を3つ程食べてようやく落ちついた。目的であった視察に戻らねば。
人気のシートマスクとやらは肌がつるんとなって王都のかしましい女どもにはさぞ人気がでそうだと思うが、私はあのバナナのタルトを持ち帰えらねばならぬ。息子どもに2ホール、私に2、いや3ホール、夫君には黙っておれば良いだろう
アイノ、エーダおまえたちも1ホールづつよね、おそらくこれがタルトを壊さないようにに持って帰る限界だわ
侍従2人は案内役冒険者の馬車に乗せて帰ればなんとか
なになにタルトはまだ多くの種類があると?モモにブルーベリー?聞いたことはないけれど美味しいことはわかるわ。今度来た時はそちらもいただくわ
さて、視察で来たのだから釘くらいは刺しておきましょう。
「なかなかの手練れね
あなたとはじっくりお話ししたいわ」
人形のような女に呼び出しをかけておく
ガラス玉のような目が是と返してくる
さて、思わぬ長居だったと腰をあげかけた所で
「ブモ」
小鳥のような声がして振り向くとて、そこには天使がいた。あんなにかわいい生き物はいまだかつて見た事がない。
短い手足、つぶらなおめめ。がっちり詰まった骨格、タルトをほうばるなんとも愛らしい仕草。チョコちゃん、お名前もかわいいのね。
ノイバン侯爵夫人こと私、アリタリア・スノーク・ノイバンはスノーク領の奥地に出来たダンジョンに来ていた
きっかけは冒険者の真似ごとをして冒険者ギルドに出入りしているノイバン侯爵家4男のカールだ
そこで聞きおよんできた情報によると、スノークの街から2時間ほど行った所に新たにダンジョンができた。
そこは人に有益なダンジョンと判断され、王都からもしばしば高ランクのパーティが訪れているという
出来たばかりのダンジョンとは本来すごく不安定な物。
いつモンスターが溢れてくるかも知れない所に入場規制までしいているとはどういう事だと聞いたが、聞きかじっただけのカールでは要領をえず、私が直に出向く事にした
武闘派の辺境伯の家に産まれ、王都の隣とはいえ魔物の多いこの土地に戦闘力を買われ嫁いではや30年。
昔のようにひとりで魔物討伐に向かう機会は無くなったが、未だ腕は衰えてはおらぬ。
ギルドがダンジョンとこざかしい協定など交わしているからおかしな事になるのだ。
生まれたてのダンジョンなど些細な益にとらわれず武力で蹴散らせばよい
ギルドがどうしても一週間後にしてくれというので、ダンジョンの視察という名の討伐は今日となった。
スノークの街を出てダンジョンまで馬車で道なき道を2時間と聞いていたが、街道から整備された1本道ができているではないか!
それに日々の討伐が行き届いているのか道中は魔物の気配がほとんどない。
1時程で黒い扉の前に降り立った。
今日のお付きの侍女はアイノとエーダ。
どちらも私が教育した剣士達だ。
「ふんぬ」
長年の間馴染んだ戦闘服に身をつつみ、いざ参る!
ここは本当にダンジョンなのだろうか?
質実剛健のノイバン家よりはるかに豪奢なしつらえだ
ダンジョン特有のトラップの気配どころか、ピンクと黒の華奢な装飾は王都の貴族の館を夜会用に飾り立てたかのようだ。
思わずハンカチを引っ張りだして汗をぬぐう
深く頭をたれる女たちに案内された先にはなんと温室があった。
王家主催の園遊会で見た事があるが、王家の温室より規模こそ小さいが、明らかにこちらの方が見事な作りだ
曲線で構成されたフレームと複雑にカーブする透明度の高いガラスは、室内に咲き乱れる花々と相まってまるで宝石箱の中に迷いこんだようだ
外からは全く伺いしれぬ内部展開は明らかなダンジョンの特徴ではあるが
店主と名のった女とメイドは、その立ち振る舞いから明らかに戦いになれていない。
おそらくゴブと呼ばれる美しい人形の様な女が唯一の戦闘員だろう。まだ向こうから何かを仕掛けてくる気配はない
流れるように紅茶と菓子をサーブしてくる。
紅茶からは花のように甘い香りがして、菓子は工芸品のようなに繊細だ。
白い花の咲き乱れる美しい温室でのこのような茶会など、王妃殿下でも味わった事が無いのではないか?
菓子はどんどん追加されテーブルの上はにぎやかになっていった。
驚く事にティーカップは当家の家紋をイメージしてもちよったとは
アイノとエーダにも同席させた。菓子に毒は無いようだ。
待ちきれず紅茶を口に含む。今まで飲んだ紅茶の中で群を抜いて上質なものだ。菓子も見た事のない果実がのっているが実に美味い。手が止まらない。アイノ、それは私の分
タルトという菓子を3つ程食べてようやく落ちついた。目的であった視察に戻らねば。
人気のシートマスクとやらは肌がつるんとなって王都のかしましい女どもにはさぞ人気がでそうだと思うが、私はあのバナナのタルトを持ち帰えらねばならぬ。息子どもに2ホール、私に2、いや3ホール、夫君には黙っておれば良いだろう
アイノ、エーダおまえたちも1ホールづつよね、おそらくこれがタルトを壊さないようにに持って帰る限界だわ
侍従2人は案内役冒険者の馬車に乗せて帰ればなんとか
なになにタルトはまだ多くの種類があると?モモにブルーベリー?聞いたことはないけれど美味しいことはわかるわ。今度来た時はそちらもいただくわ
さて、視察で来たのだから釘くらいは刺しておきましょう。
「なかなかの手練れね
あなたとはじっくりお話ししたいわ」
人形のような女に呼び出しをかけておく
ガラス玉のような目が是と返してくる
さて、思わぬ長居だったと腰をあげかけた所で
「ブモ」
小鳥のような声がして振り向くとて、そこには天使がいた。あんなにかわいい生き物はいまだかつて見た事がない。
短い手足、つぶらなおめめ。がっちり詰まった骨格、タルトをほうばるなんとも愛らしい仕草。チョコちゃん、お名前もかわいいのね。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように
柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」
笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。
夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。
幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。
王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる