女子だけどダンジョンマスターやってます

ストロボフェア

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番外編2 ブラドの研究

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貴方は初対面の会話すらした事の無い方に、自身の存在を否定された事はありますか?

私はあります。

しかも同じ方から2回も


その新しいダンジョンのテコ入れにと、お声がかかった時は
「新人のダンジョンマスターを輝かしい未来へと導いて差し上げましょう。
ヴァンパイアの長たる私の一族が眷属を呼び寄せヴァンパイアダンジョンもいいかもしれない、新人にはやや過剰な戦力ですかね?」そのような気持ちでおりました。

ところが私が暗がりからダンジョンマスターの前に颯爽と現れました所、ダンジョンマスターからは畏怖の言葉はおろか、変質者あつかいを受け直ちに退去を言い渡されました

その絶望たるや!
ダンジョンのマスターから自身を否定される事がこんなにつらいとは思いもよりませんでした。
さらには周囲も腫れ物をあつかうかの様な対応、私の心は地底よりも深く沈み込みました

しばらく誰にも会わない日々が続き、これではいけないと思うようになった頃、本部からガチャのSレアとして登場しないかと要請がありました。

新しいダンジョンマスターと巡り合う事が人生の新天地を切り開くのではと藁にもすがる思いで承諾いたしました。

待機期間中は規模は小さくても、同僚に恵まれてやりがいのあるダンジョンに配属される事を夢想しました。愚直だが芯の通ったゴブリンやオーク達と汗を流す日々、派手ではないですが堅実で世の中に確実に必要とされる職種です

おお、ガチャから呼び出しの光が!いざ!新天地へ!



「うげっ!
やっぱりあの変態おっさんだよーー

きもーーーー!」


「精一杯がんばりますので、どうか!」

なんとか声を絞り出しました

フラッシュバックするあの日のトラウマ

同じダンジョン、同じダンジョンマスター

呼吸が苦しい

それは封印していた記憶などではありませんでした
まがいなく現実の光景でした

しかし、あの日と異なる事が起こりました
「渋いー!」
「悪くないんじゃない?」
「男手も必要」


優しいお嬢様方から優しいお声をかけていただき、ダンジョンマスターからまさかの試用期間をいただきました。


それからはもう必死です

ミカリ様(お名前を呼ぶお許しをいただきました)のお好きなマリアーシュのお品以外にも紅茶を各種取り寄せ研究いたしました。茶葉の量、適切な温度、マナー、器や水にも十分こだわっております。

もちろんダンジョンに訪れるお嬢様方はすべて私の恩人ですから、よいお茶さえ提供すればよろしいということはなく、いつも気持ちよくおすごしいただける様に心くばりをしております

おかげさまでカフェはなんとか私にお任せいただけるようになりました。


その中で出会ったのが、チーズケーキです。

ベイクド、レア、スフレ、ニューヨークスタイル、コンビネーション、、、種類もさることながら奥が深いのです。
理想のチーズケーキを探し発注と試食を繰り返しましたが、さらなる至高のチーズケーキは自ら作れば良いと気がつきました。

地下1階にいただいた自室に業務用の冷蔵
庫とオーブンを設置して時間の許す限り試作を繰り返しました。

チョコさんも毎回試食にお付き合いいただきました。
どんな物でも捨てるという事はいたしません。エコではございませんし、材料だってミカリ様からしたらほんの僅かかもしれませんが、大切なDPですから

チーズケーキはカフェにも数種類提供しておりますがいまだ至高にはほど遠く、試行錯誤の中におります。
ミカリ様はどちらかというとベイクドのさっぱり目にアールグレイを合わせるのがお好みのようです。先日ついに「悪くないんじゃない」とのお言葉をいただきました。私嬉しくて嬉しくて、恥ずかしながらその夜は自室で泣いてしまいました。

今はパフェなるもの提供せよとお命じいただき、合わせて絶賛研究中です

皆様もどうぞM’s cute のカフェにおいでください。心よりお待ちしております
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