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37 違和感の正体
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「うーーん、何かおかしいような気がするんだよね~」
朝食のパンを食べながらぼそりと口にした
「ミカリ様何か不都合がございました?
はッ!スープにこっそりお嫌いなブロッコリーをすり入れたのをお気づきに?!」
いや、全然気付いてなかったし
今日のメニューはビシソワーズと温野菜サラダ、ヨーグルト、全粒粉とクルミのパン。多分パンもブラドが焼いている。
前は朝ごはんにコンビニのサンドイッチとか発注してたんだけど、ブラドが栄養のバランスがーとか言い出してうるさいので、結局はブラドが作っている。
ジャンクフード食うなとか、無農薬とか、添加物とかめっちゃうるさいんだよ。おまえは意識高い系オカンか
「今日もすっごく美味しいですよ!
大丈夫です!ミカリ様は隠し味とか絶対わからないタイプです」
「黙れ、メイド。
チョコ、そいつのヨーグルト食べちゃっていいから」
「ブモ」
「いやぁー、チョコちゃんーー、それ私のーー」
「ミカリ様、ブラドのスープで無いならば何がおかしいのでしょうか?」
「うーん、なんか上手く言えないんだけど、、、
なんかいろいろおかしいような気がするんだよね
ぶっちゃけ、ここって普通じゃ無いでしょ?
メイドは猫耳だし、謎技術多すぎだし、犬にツノ生えてるし」
言ってからしまったと思った
ゴブとブラドは困った顔をしていた。そうだよね、これが普通の人には「おかしい」って言われると傷ついちゃうよね。
チョコがすり寄ってきた。ごめんねツノ生えてておかしいとか言っちゃって。
ツノついているからって可愛くない訳じゃ無いんだよ。顔がヨーグルトまみれだからスリスリは遠慮しておくわ
「ミ、ミカリ様ーー!やっと気づいてくださったんですか!
ここがミカリ様の世界でいうゲームの様な魔法と冒険の世界ってことなんですよ!
毎日ドキドキワクワクですよーー!
だ、か、ら、ダンジョン強化しましょーーー!!!
いっぱいモンスター入れて、どんどんどんどん人間からDP奪っちゃいましょーーー!!!
最強ダンジョン目指しましょーーー!!!!!」
メイドって空気読む機能ゼロだよね。
まじ友達いなさそう
私もここが日本とは違うって気づいてる
普通の人は剣なんて持って歩かないし、ドラゴンなんていい大人が真顔で口にしたりしない
お金の代わりに人のエネルギーも奪ったりしないよね
きっと私が代わりに呼ばれることにならなかったら、その人はメイドが望むように怖いヤツをいっぱい雇って人間からDPを稼いだんだろう
私はゲームなんてツムンツムンくらいしかしないし、ショップの経験しかないからダンジョンは今のM’s cuteっていう形になった
「でも、今、結構充実してるの」
スルッと答えが出た
何?
私自分でわかってたんじゃんよ
ここが魔法とか剣とか冒険の世界とかであるのはわかるけど、それは割とどーでもいいの
そんなの比べる意味ないくらい渋谷はドキドキする場所だったし、多分これからも渋谷以上にあがる場所はない
ただ、渋谷とか109とかもう二度と行けなくて、今街で何をみんなが着てるとかわかんなくっても大丈夫になってる
この「大丈夫」がなんとなく違和感の正体だ
私はあの日渋谷で私の時間が止まった事実をとっくに受け入れてた
ゴブとか、チョコとか、リンさんとか、いっぱいのお客様さんに、M’s cuteに来てよかったっていう笑顔にめっちゃすっかり癒されてた
一気にぶわぁって気持ちが高まって、ぼろぼろ涙が溢れた。舞や夕実や家族に言いたい
「私、幸せだよ」
ゴブにギュッて抱きついて泣いた。
ゴブはただよしよしと頭を撫でてくれた
こんなふつうの朝ごはんの時に泣きだして戸惑う以外何も無いと思うけど、しかも幸せだから泣くなんて、ゴブはずっと撫で続けてくれた。プリンセス名乗るだけあるよ。
ブラドも黙ってあったかいココアを入れてくれた。さすがオカン
「えーーー、えーーー、
モンスター召喚しましょうよーー!
やっぱりモンスターこそダンジョンの醍醐味ですよーー!」
メイドはクビにしようかな
「あら、別にモンスターは召喚しなくてもいいわよ」
見たことのない女の人が立っていた。緑の髪でマットの赤い口紅をひいたスーツの人
まだ開店2時間前だ
私はスエットでメイクもまだだし、ここはスタッフ用のダイニングで、ブラドがここにいるって事は誰も表を開けていないはず
「パメラ課長!どうしてこちらに?!」
「あら、視察よ」
この絶妙な雰囲気の中にカットインしてくるのはメイドの関係者で間違いない
メイドの関係者なんて嫌な予感しかしない
朝食のパンを食べながらぼそりと口にした
「ミカリ様何か不都合がございました?
はッ!スープにこっそりお嫌いなブロッコリーをすり入れたのをお気づきに?!」
いや、全然気付いてなかったし
今日のメニューはビシソワーズと温野菜サラダ、ヨーグルト、全粒粉とクルミのパン。多分パンもブラドが焼いている。
前は朝ごはんにコンビニのサンドイッチとか発注してたんだけど、ブラドが栄養のバランスがーとか言い出してうるさいので、結局はブラドが作っている。
ジャンクフード食うなとか、無農薬とか、添加物とかめっちゃうるさいんだよ。おまえは意識高い系オカンか
「今日もすっごく美味しいですよ!
大丈夫です!ミカリ様は隠し味とか絶対わからないタイプです」
「黙れ、メイド。
チョコ、そいつのヨーグルト食べちゃっていいから」
「ブモ」
「いやぁー、チョコちゃんーー、それ私のーー」
「ミカリ様、ブラドのスープで無いならば何がおかしいのでしょうか?」
「うーん、なんか上手く言えないんだけど、、、
なんかいろいろおかしいような気がするんだよね
ぶっちゃけ、ここって普通じゃ無いでしょ?
メイドは猫耳だし、謎技術多すぎだし、犬にツノ生えてるし」
言ってからしまったと思った
ゴブとブラドは困った顔をしていた。そうだよね、これが普通の人には「おかしい」って言われると傷ついちゃうよね。
チョコがすり寄ってきた。ごめんねツノ生えてておかしいとか言っちゃって。
ツノついているからって可愛くない訳じゃ無いんだよ。顔がヨーグルトまみれだからスリスリは遠慮しておくわ
「ミ、ミカリ様ーー!やっと気づいてくださったんですか!
ここがミカリ様の世界でいうゲームの様な魔法と冒険の世界ってことなんですよ!
毎日ドキドキワクワクですよーー!
だ、か、ら、ダンジョン強化しましょーーー!!!
いっぱいモンスター入れて、どんどんどんどん人間からDP奪っちゃいましょーーー!!!
最強ダンジョン目指しましょーーー!!!!!」
メイドって空気読む機能ゼロだよね。
まじ友達いなさそう
私もここが日本とは違うって気づいてる
普通の人は剣なんて持って歩かないし、ドラゴンなんていい大人が真顔で口にしたりしない
お金の代わりに人のエネルギーも奪ったりしないよね
きっと私が代わりに呼ばれることにならなかったら、その人はメイドが望むように怖いヤツをいっぱい雇って人間からDPを稼いだんだろう
私はゲームなんてツムンツムンくらいしかしないし、ショップの経験しかないからダンジョンは今のM’s cuteっていう形になった
「でも、今、結構充実してるの」
スルッと答えが出た
何?
私自分でわかってたんじゃんよ
ここが魔法とか剣とか冒険の世界とかであるのはわかるけど、それは割とどーでもいいの
そんなの比べる意味ないくらい渋谷はドキドキする場所だったし、多分これからも渋谷以上にあがる場所はない
ただ、渋谷とか109とかもう二度と行けなくて、今街で何をみんなが着てるとかわかんなくっても大丈夫になってる
この「大丈夫」がなんとなく違和感の正体だ
私はあの日渋谷で私の時間が止まった事実をとっくに受け入れてた
ゴブとか、チョコとか、リンさんとか、いっぱいのお客様さんに、M’s cuteに来てよかったっていう笑顔にめっちゃすっかり癒されてた
一気にぶわぁって気持ちが高まって、ぼろぼろ涙が溢れた。舞や夕実や家族に言いたい
「私、幸せだよ」
ゴブにギュッて抱きついて泣いた。
ゴブはただよしよしと頭を撫でてくれた
こんなふつうの朝ごはんの時に泣きだして戸惑う以外何も無いと思うけど、しかも幸せだから泣くなんて、ゴブはずっと撫で続けてくれた。プリンセス名乗るだけあるよ。
ブラドも黙ってあったかいココアを入れてくれた。さすがオカン
「えーーー、えーーー、
モンスター召喚しましょうよーー!
やっぱりモンスターこそダンジョンの醍醐味ですよーー!」
メイドはクビにしようかな
「あら、別にモンスターは召喚しなくてもいいわよ」
見たことのない女の人が立っていた。緑の髪でマットの赤い口紅をひいたスーツの人
まだ開店2時間前だ
私はスエットでメイクもまだだし、ここはスタッフ用のダイニングで、ブラドがここにいるって事は誰も表を開けていないはず
「パメラ課長!どうしてこちらに?!」
「あら、視察よ」
この絶妙な雰囲気の中にカットインしてくるのはメイドの関係者で間違いない
メイドの関係者なんて嫌な予感しかしない
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