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2学期 1−1
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2学期が始まると同時に、実力考査が行われた。私は、テストなんかより、提出物の答え写しに必死だった。テストを終えた科目から順番に提出物が回収されていく。テスト開始の直前まで答えを写す。そしてテスト終了直後に再開しギリギリで間に合わせた。家でゴロゴロする時間はたっぷりあったが、やる気が出ず放置していたツケが回ってきた。なんとか、すべての提出物を終わらせる。実力考査を終えた次の日からは普通に授業が始まった。
2学期の中間考査を終えると、文化祭の準備が始まった。クラスのみんなは文化祭を楽しみにしているようだ。3年生は受験のため、文化祭の出し物は1,2年生が行う。その内、飲食の出店ができるのは2年生だけだった。だから、2年生は主に飲食店を出し物に選ぶ。1年生は劇や飲食以外の店が主となるようだ。私たちのクラスでも劇をする事になった。演目は「不思議の国のアリス」をアレンジしたものにするそうだ。1回のホームルームで、主な配役も担当も決まった。早速、その日の放課後から文化祭の準備に取り掛かる。ただ驚いた事が1つあった。それは、ホームルームで文化祭を楽しみにしていた人たちが足早に帰宅していった事だ。それに加え、クラスの半分以上が部活動で準備に参加できない。最初は私も帰宅部を極めようと考えていた。しかし、あまりにも準備に参加する人が少なく、人手が足りなさそうだ。仕方なく、私は数少ない彼らと一緒に文化祭の準備をすることにした。取り敢えず、今日は近所の商店街で段ボールを集めてきた。その段ボールで木や花の形を作る。次の日には少し遠くのホームセンターへペンキを買いに行った。歩いては行けないため、部活中の自転車通学者に自転車を借りて行った。私は全く道が分からなかったのでただただついて行った。ホームセンターに着くと、入口付近がペットショップになっていた。
「ねえ、見てめっちゃ可愛い。」
「ほんとだ。プードルル?トイプードル?わかんないけど可愛い。」
一緒に来ていた女子生徒たちが子犬へ駆け寄っていく。私も彼女たちに倣って子犬のそばへ行く。動物に恐怖心を持ちやすい私でもその子犬は可愛く見えた。男子たちも少し遠くでその子犬を見ている。1人の男子生徒が私たちと同じように子犬のそばまでやってきた。すると急にその子犬が激しく吠えだした。
「めっちゃ、吠えられるじゃん。加賀史《かかし》。」
加賀史裕太《かかしゆうた》、彼は子犬に吠えられ、一斉に女子生徒たちから揶揄われた。ひと通りみんなで犬や猫が可愛いと眺めてからペンキ売りコーナーへ向かった。筆や必要な色のペンキをカゴに入れていく。支払いは先生からあらかじめ貰っていたお金で払った。買い物を終えると爆速で学校へ戻る。みんなで競争し合うように自転車を走らせた。背の低い私は他人の自転車になんとか乗っていた。私は置いていかれないように、乗り慣れない自転車で必死に漕いだ。その日はこれから作業をするには遅く、自転車をクラスメイトたちに返しそのまま家へ帰った。それからほとんど毎日放課後に作業を進めた。夜遅くまで作業をする日もあった。
2学期の中間考査を終えると、文化祭の準備が始まった。クラスのみんなは文化祭を楽しみにしているようだ。3年生は受験のため、文化祭の出し物は1,2年生が行う。その内、飲食の出店ができるのは2年生だけだった。だから、2年生は主に飲食店を出し物に選ぶ。1年生は劇や飲食以外の店が主となるようだ。私たちのクラスでも劇をする事になった。演目は「不思議の国のアリス」をアレンジしたものにするそうだ。1回のホームルームで、主な配役も担当も決まった。早速、その日の放課後から文化祭の準備に取り掛かる。ただ驚いた事が1つあった。それは、ホームルームで文化祭を楽しみにしていた人たちが足早に帰宅していった事だ。それに加え、クラスの半分以上が部活動で準備に参加できない。最初は私も帰宅部を極めようと考えていた。しかし、あまりにも準備に参加する人が少なく、人手が足りなさそうだ。仕方なく、私は数少ない彼らと一緒に文化祭の準備をすることにした。取り敢えず、今日は近所の商店街で段ボールを集めてきた。その段ボールで木や花の形を作る。次の日には少し遠くのホームセンターへペンキを買いに行った。歩いては行けないため、部活中の自転車通学者に自転車を借りて行った。私は全く道が分からなかったのでただただついて行った。ホームセンターに着くと、入口付近がペットショップになっていた。
「ねえ、見てめっちゃ可愛い。」
「ほんとだ。プードルル?トイプードル?わかんないけど可愛い。」
一緒に来ていた女子生徒たちが子犬へ駆け寄っていく。私も彼女たちに倣って子犬のそばへ行く。動物に恐怖心を持ちやすい私でもその子犬は可愛く見えた。男子たちも少し遠くでその子犬を見ている。1人の男子生徒が私たちと同じように子犬のそばまでやってきた。すると急にその子犬が激しく吠えだした。
「めっちゃ、吠えられるじゃん。加賀史《かかし》。」
加賀史裕太《かかしゆうた》、彼は子犬に吠えられ、一斉に女子生徒たちから揶揄われた。ひと通りみんなで犬や猫が可愛いと眺めてからペンキ売りコーナーへ向かった。筆や必要な色のペンキをカゴに入れていく。支払いは先生からあらかじめ貰っていたお金で払った。買い物を終えると爆速で学校へ戻る。みんなで競争し合うように自転車を走らせた。背の低い私は他人の自転車になんとか乗っていた。私は置いていかれないように、乗り慣れない自転車で必死に漕いだ。その日はこれから作業をするには遅く、自転車をクラスメイトたちに返しそのまま家へ帰った。それからほとんど毎日放課後に作業を進めた。夜遅くまで作業をする日もあった。
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