11 / 27
2学期 2−3
しおりを挟む
先生の説明が終わるとクラス全員で演劇会場であるホールへ向かう。ホールに着くと、閉じられた幕の後ろで準備を整えていく。準備が終われば、時間になるまで待つだけだ。演者ではない私は、演者たちのサポートという名目で舞台袖に立った。若菜は、ほんの少しだけ出番のある仁香ちゃんや、他の演者たちの補佐をしていた。まあ、彼らに準備なんてほとんど必要ないからメンタルサポートみたいなものだ。一方私は、演者たちと格段仲がいいわけではなかった。だから、どうしたらいいのかわからず周りを見渡す。誰かの役に立てている若菜が羨ましくなる。開演の時間になり演者たちが、舞台に上がった。ナレーションに沿って劇が進んでいく。幕が閉まると演者たちが一斉に左右の舞台袖に戻ってくる。主役である上津は私がいる方に戻ってきた。上津は金髪のカツラが顔にかかって邪魔なのか、鬱陶しそうに髪を撫でつける。カツラの前髪を切ることになっていたが、結局誰も切らなかったようだ。上津を挟んで私と反対側に立っている女子生徒がカツラの髪をピンで止め直していた。それを真似て私も落ちてきている髪をピンで止め直す。すぐに幕が開き上津はまた、舞台へ上がった。幕が閉まる度に私たちは上津の髪をピンで直す。それでも舞台の上でセリフを言っている間、上津は髪を撫でつけていた。無事演劇を終え、また文化祭を楽しみにみんなバラバラと散っていった。今度は若菜も一緒に唯と3人で回った。ただ、午前中にある程度、観てしまっていたため若菜の行きたいところだけ回った。文化祭を満喫し、少し早いが教室へ戻った。
1
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる