悪役令嬢は言いたい

みみみ

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はじめまして!

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「はじめまして!うわぁー、やっぱりすごく素敵!私ずっと、ずーーっとデューク様にお会いできる日を楽しみに、勉強も、魔法も死ぬほど頑張って来ました!だから必ずデューク様のお役にたって見せます!」

 淡い金髪の、大きな瞳をこれでもかと見開いた少女が、拳を振り回しながら、ぶつかってしまった殿下に勢いよく話しかける。


 今日は、15歳になった貴族と一部の優秀な平民が入学する事の出来るダリック学園の入学式。わたくしと、わたくしの婚約者である殿下が、共に学園の門をくぐった所でした。何故か?空を見ながらフラフラしている少女が殿下のほうに突撃して来たのです。
咄嗟に転がりそうになった少女の腕に、殿下は手を伸ばし支え、「大丈夫か?」と声をお掛けしましたら…先の発言です。
 …ありえません。先ずは殿下にぶつかってしまった事の謝罪をして下さい。そして、支えてくださった事のお礼をお伝え下さい。少女が平民であったとしても、貴族、平民問わず当たり前の事ではないでしょうか?この少女の為にも、このままではいけません。それと…お名前呼びは、問題外です。あぁ殿下…お顔、お顔が…耐えて下さい。ここは、わたくしがしっかり注意させていただきますから。

「貴方は、」

「ぐぅえっっ」
「バカ女が失礼した様で申し訳ございませんでした。お目汚し?かと思いますので回収させて頂きます。」

 私が言葉を発すると同時に、何処からともなく現れた黒髪琥珀色の瞳をした少年が、彼女の首の後ろの襟を掴んで連れ去ってしまいました。
彼女は無抵抗でしたけど…大丈夫でしょうか?おそらく、呼吸止まっていましたけど…

「何だったんだ?」
「何だったんでしょうね…」

殿下は眉間に皺を寄せわたくしに問いますが、わたくしにも分かりませんよ?



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