悪役令嬢は言いたい

みみみ

文字の大きさ
7 / 20

剥がせないと思うよ?※カインベルト視点

しおりを挟む
 早いもので、学園も最終学年になり、幼少期からデューク殿下との交流があり、側近候補であったハリスとアレックス、そして僕は無事に正式な側近となった。デューク殿下は、文武に優れ、冷静に広くを見、王太子として抜け目なく王族の威厳を纏った方だ。ただし、婚約者のカトリーヌ嬢の事が絡まなければ…。
それを知ってるのは側近である僕達と身内だけ。(まぁ王宮に出入りしている者は多分気がついてるけど…)
 そんな殿下と、ハリスは脳筋、アレックスは生真面目、僕はこんなんで(笑)皆んな得意な事も違うけど幼少の頃から妙に馬が合う。

「キャー!足が滑ったぁー」

僕達4人が階段を上がろうとしたら…マジか…いつも僕達をチラチラ見ながら転んだり転がったり、バケツの水をぶちまけたり被ったり、教科書を窓から落としたり破ったりナドナドを披露してくるキャサリン・ユーキリアスが階段の踊り場から落っこちて来た。足が滑ったのに頭から手を広げてなっ

「なっ、危ない!」

 殿下とアレックス、俺は咄嗟に避けたが、脳筋ハリスがつい叫んで受け止めた。
どうせ保護者が助けるから避けるのが正解だよハリス君。その子、離れないよ?剥がせないと思うよ?あーあー、両手両足使ってハリスにへばり付いてるわー。

「ぐうっえっ~でぼ、は、な、さ、な、い~!」
「グッ」
「バカ女が失礼した様で申し訳ございませんでした。回収し処理させて頂きます。」
「おぅえぇぇ、ま、ま、げ、る、も、ん、がぁ」
「く、苦し、は、離してく、れぇぇ」

「……。」

 ハリスごと引きずって行くユーキリアス嬢の保護者(僕達が保護者認定してるだけ)ことロベルト・サーキュリー。身体強化?学園内で使えないよね?魔道具?それも禁止だよ?あ、ハリスを剥がしてポイッてした。あらぁ、ロベルト君とユーキリアス嬢が先生に捕まって連れて行かれたわっ(笑)

「えらい目にあった…」

 ハリスがヨロヨロと戻って来る。ちょっ殿下、アレックス腹抱えて笑ってる場合じゃないよ。

「殿下、ハリス、アレックス、あっち見て。」

3人が僕の指した方をみる。

「カトリーヌ!」
「アリア…」
「ロッティ!」

 そして僕の婚約者フィーネの4人が何とも困った顔をして顔を見合わせていた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

溺愛王子の甘すぎる花嫁~悪役令嬢を追放したら、毎日が新婚初夜になりました~

紅葉山参
恋愛
侯爵令嬢リーシャは、婚約者である第一王子ビヨンド様との結婚を心から待ち望んでいた。けれど、その幸福な未来を妬む者もいた。それが、リーシャの控えめな立場を馬鹿にし、王子を我が物にしようと画策した悪役令嬢ユーリーだった。 ある夜会で、ユーリーはビヨンド様の気を引こうと、リーシャを罠にかける。しかし、あなたの王子は、そんなつまらない小細工に騙されるほど愚かではなかった。愛するリーシャを信じ、王子はユーリーを即座に糾弾し、国外追放という厳しい処分を下す。 邪魔者が消え去った後、リーシャとビヨンド様の甘美な新婚生活が始まる。彼は、人前では厳格な王子として振る舞うけれど、私と二人きりになると、とろけるような甘さでリーシャを愛し尽くしてくれるの。 「私の可愛い妻よ、きみなしの人生なんて考えられない」 そう囁くビヨンド様に、私リーシャもまた、心も身体も預けてしまう。これは、障害が取り除かれたことで、むしろ加速度的に深まる、世界一甘くて幸せな夫婦の溺愛物語。新婚の王子妃として、私は彼の、そして王国の「最愛」として、毎日を幸福に満たされて生きていきます。

婚約破棄したら食べられました(物理)

かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。 婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。 そんな日々が日常と化していたある日 リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる グロは無し

将来の嫁ぎ先は確保済みです……が?!

翠月るるな
恋愛
ある日階段から落ちて、とある物語を思い出した。 侯爵令息と男爵令嬢の秘密の恋…みたいな。 そしてここが、その話を基にした世界に酷似していることに気づく。 私は主人公の婚約者。話の流れからすれば破棄されることになる。 この歳で婚約破棄なんてされたら、名に傷が付く。 それでは次の結婚は望めない。 その前に、同じ前世の記憶がある男性との婚姻話を水面下で進めましょうか。

侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています

猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。 しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。 本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。 盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

【完結】私の事は気にせずに、そのままイチャイチャお続け下さいませ ~私も婚約解消を目指して頑張りますから~

山葵
恋愛
ガルス侯爵家の令嬢である わたくしミモルザには、婚約者がいる。 この国の宰相である父を持つ、リブルート侯爵家嫡男レイライン様。 父同様、優秀…と期待されたが、顔は良いが頭はイマイチだった。 顔が良いから、女性にモテる。 わたくしはと言えば、頭は、まぁ優秀な方になるけれど、顔は中の上位!? 自分に釣り合わないと思っているレイラインは、ミモルザの見ているのを知っていて今日も美しい顔の令嬢とイチャイチャする。 *沢山の方に読んで頂き、ありがとうございます。m(_ _)m

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

処理中です...