〖完結〗二度目は決してあなたとは結婚しません。

藍川みいな

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向き合います。

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 思いもよらなかったシェイドの言葉に、ロディアは驚きのあまり声が出ない。

 「私は奥様が幸せならそれでいいと思っていました。奥様に拾われたあの日から、ずっと好きでした。」

 シェイドは真剣な目でロディアを見つめた。

 シェイドは2年前、川岸で意識を失い倒れていた。
 ロディアがシェイドを見つけ、屋敷に連れ帰り医者を呼んだ。
 シェイドは自分の名前しか覚えていなかった。
 ロディアがサミュエルに頼み、この家の使用人として働いてもらうことになったのだ。

 「奥様が居なければ、私は今頃どうなっていたのか...。あの日からずっと奥様を見てきました。」

 今の弱ってる心には、とても温かくて嬉しい言葉だった。
 だけど...その気持ちを利用するなんて卑怯だ。
 私は夫と、ちゃんと向き合わなければいけない。

 「シェイド...ありがとう。でも、私は逃げない。旦那様とちゃんと話すわ。」

 シェイドは少し寂しそうな顔をしたが、すぐにいつもの笑顔になり、

 「何があっても、私は奥様の味方です。辛い時は頼ってくださいね!」

 シェイド...私なんかより、ずっと不安なはず。
 記憶をなくして、自分の名前しか覚えてなくて...。
 そんなシェイドに心配させるわけにはいかない。
 
 ロディアは気持ちを強く持ち、サミュエルの元へ向かった。

 先程の部屋の前で、息を整える。
 そしてノックをした。

 コンコン

 「旦那様、いらっしゃいますか?」

 本当はいきなり入りたいとこではあったが、あの光景は二度と見たくなかった。

 「入りなさい。」

 その言葉を聞いて扉を開くと、そこには先程の女性がいた。
 女性はサミュエルの向かいの椅子に座り、お茶を飲んでいたが、立ち上がり挨拶をして来た。

 「奥様、初めまして。ジュリアと申します。」

 丁寧にお辞儀をし、顔を上げた時に私を見た目が少し怖かった。

 「初めまして...。」

 「ジュリアはテイラー伯爵の一人娘だ。テイラー伯爵からの書状を持ってきたのだ。」

 テイラー伯爵は宮中伯...それが彼女と結婚しなかった理由なのですね。
 
 「旦那様、少しお話よろしいでしょうか?」

 ロディアはサミュエルに向き直った。

 「お客様に失礼だろう。後には出来ないのか?」

 失礼なのは、そのお客様なのでは?
 そう思ったけど、口にするのはやめた。

 「後には出来ません。ジュリアさんにも関係あるお話ですから。」

 この場ではっきりさせようと思った。
 旦那様がこの人を愛しているなら、私は身を引こう...そう思っていた。

 「私は先程の...旦那様とジュリアさんのしていた事を見てしまいました。」



 
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