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情けない夫
しおりを挟む「なんの事だ?」
夫はシラを切り通す気だ。
あんなに愛していた夫のはずなのに、少しづつ冷めてきていた。
「はっきり言わなければいけませんか?それなら...ジュリアさんが旦那様の膝の上に乗り、濃厚な口付けをしながら、旦那様の手がジュリアさんの体をまさぐっていたのを見ました。」
「なっ!?」
サミュエルはかなり驚いた顔をした。
見られていたこともそうだが、ロディアの口からそんなはしたない言葉が出るとは思ってもみなかったからだ。
口にしたら...夫はもう、違う人のように感じてきた。
シェイドのおかげ...あの時見つかっていたら、私も動転していて冷静に話すことなど出来なかった。
「旦那様は...妻など愛してはいない。おまえのような可愛い女が好きだ。あいつはただの金を生み出す人形だ...とおっしゃっていました。ですから、私は旦那様と離縁いたします。」
言えた...自分で口にするなんて、悲しくなってくる。
でも自分で口にした事で、それが私のことなのだと実感した。
「そんなわけないだろ!?ロディアを愛してるに決まってるじゃないか!?」
予想通り、言い訳するのですね。
「もう旦那様の言うことなど、信じられません。」
「私にはおまえしかいないんだ!!」
サミュエルはロディアの足にすがりついた!
「おやめ下さい旦那様!」
こんな姿が見たかったわけじゃない...。
そんなに別れることが嫌だったのならば、なぜあんな事をしたのですか!?
見つからなければ、ずっと続けてたくせに...。
「今更遅いのです。旦那様...私はもう...あなたを愛する事が出来そうにありません。」
私の愛した旦那様は...もういない。
「ロディア...頼む!私を捨てないでくれ!」
それでもロディアにすがりつくサミュエル。
「サミュエル様...もういいじゃないですか。私がそばにいますから。」
ジュリアはサミュエルの肩に触れた...瞬間、
「触るな!何度か抱いたくらいで調子に乗るな!おまえなどただの遊びだ!」
その時、私の心は完全に夫から離れた。
「ロディア...ロディア...愛してる。愛してるんだ...。」
足元にすがりつく夫に気を取られ、背後に回ったジュリアに気づかなかった...。
グサッ!!
何かの音が響いた...。
何が起きたかわからなかった。
ただ...背中に鈍い痛みが.........あれ?
私...もしかして...刺された?
ドサッ!!
ロディアは意識を失い、その場に倒れ込んだ!
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