〖完結〗二度目は決してあなたとは結婚しません。

藍川みいな

文字の大きさ
4 / 12

巻戻り

しおりを挟む

 バンッ!!

 様子を伺っていたのか、シェイドが扉を勢いよく開け、部屋の中に入って来た!

 「奥様っ!!」

 シェイドはロディアの身体を抱き起こした!
 サミュエルはロディアの真っ青な顔を見て、オドオドしていた。
 ジュリアの手には血の滴るナイフが...
 ジュリアはロディアを殺す機会をずっと狙っていた。
 サミュエルを手に入れる為なら、なんだってする...それほどサミュエルを愛していた。

 「ロディア!?ロディア!?」

 「奥様!!ロディア様!!」

 ロディアの体から、流れ続ける真っ赤な血...。
 何度呼んでも、ロディアが目を開けることはなかった。




 「...ん。」
 
 目を覚ますと、そこは実家の自分の部屋だった。 

 あれ?確か私は...死んだはずじゃ...? 
 どうなってるの?背中...に傷はない。痛くない...。

 ロディアは鏡を覗き込んだ。

 「............若い。」

 私はどうなってしまったのだろう...
 旦那様と話し合いをしていたら、ジュリアに背中を刺されて...最後に聞こえたのは、シェイドの声だった。

 コンコン...

 ノックをする音が聞こえた。

 「...はい。」

 扉を開け入ってきたのは、旦那様に嫁ぐ前にリーベルト家で幼い頃から一緒だった使用人、エマだった。

 「お嬢様!まだ寝てるのかと思ったら、起きてるじゃないですか!お客様がお待ちしてるのにー!まったく!私がちょっといないと、いつもこれなんですから!」

 エマは急いで着替えを用意し、着替えるように圧力をかけてきた。

 「エマ怖いー!」

 エマ...また会えて嬉しい!

 エマは4年前に事故で亡くなっていた。

 姉妹のように育った大好きだったエマ...
 もしもこれが現実なら、エマを守りたい!

 エマの圧力に負け、ロディアは急いで着替えた。

 「お嬢様、お客様がすでにお待ちなので急いで行きますよ!」

 お客様......待って!待って!待って!!
 この日のこと、覚えてる!
 この日は初めて旦那様に会った日だ!
 どうしよう...どうしたらいいの!?
 
 ロディアの状況など、分かるはずのないエマは、ロディアの背中を押す。

 「もたもたしないで!ほら!行きますよ!」 

 「待って!ムリ!」

 エマは聞く耳を持たず、ロディアの背中を押しながらサミュエルの待つ応接間へと向かった。
 応接間に着くと、サミュエルは笑顔でロディアを迎えた。

 「ロディア嬢!初めまして、サミュエル・ゼバスと申します。噂通りの美しさで、とても緊張しております。」

 あの日、この笑顔がとても素敵だと思った。
 冷静に...これが旦那様に会う初めての日なのだから...。

 「初めまして。サミュエル様...。」

 もう二度と、あなたを愛することはありません。

 ロディアは心の中で、そっと呟いた。

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

そんなにその方が気になるなら、どうぞずっと一緒にいて下さい。私は二度とあなたとは関わりませんので……。

しげむろ ゆうき
恋愛
 男爵令嬢と仲良くする婚約者に、何度注意しても聞いてくれない  そして、ある日、婚約者のある言葉を聞き、私はつい言ってしまうのだった 全五話 ※ホラー無し

白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』

鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」 華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。 王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。 そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。 レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。 「お願いだ……戻ってきてくれ……」 王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。 「もう遅いわ」 愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。 裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。 これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。

妹を選んで婚約破棄した婚約者は、平民になる現実を理解していなかったようです

藤原遊
恋愛
跡継ぎとして育てられた私には、将来を約束された婚約者がいた。 ――けれど彼は、私ではなく「妹」を選んだ。 妹は父の愛人の子。 身分も立場も分かったうえでの選択だと思っていたのに、 彼はどうやら、何も理解していなかったらしい。 婚約を破棄し、妹と結ばれた彼は、 当然のように貴族の立場を失い、平民として生きることになる。 一方で、妹は覚悟を決めて現実に向き合っていく。 だが彼だけが、最後まで「元に戻れる」と信じ続けていた。 これは、誰かが罰した物語ではない。 ただ、選んだ道の先にあった現実の話。 覚悟のなかった婚約者が、 自分の選択と向き合うまでを描いた、静かなざまぁ物語。

失った真実の愛を息子にバカにされて口車に乗せられた

しゃーりん
恋愛
20数年前、婚約者ではない令嬢を愛し、結婚した現国王。 すぐに産まれた王太子は2年前に結婚したが、まだ子供がいなかった。 早く後継者を望まれる王族として、王太子に側妃を娶る案が出る。 この案に王太子の返事は?   王太子である息子が国王である父を口車に乗せて側妃を娶らせるお話です。

悪役令嬢として、愛し合う二人の邪魔をしてきた報いは受けましょう──ですが、少々しつこすぎやしませんか。

ふまさ
恋愛
「──いい加減、ぼくにつきまとうのはやめろ!」  ぱんっ。  愛する人にはじめて頬を打たれたマイナの心臓が、どくん、と大きく跳ねた。  甘やかされて育ってきたマイナにとって、それはとてつもない衝撃だったのだろう。そのショックからか。前世のものであろう記憶が、マイナの頭の中を一気にぐるぐると駆け巡った。  ──え?  打たれた衝撃で横を向いていた顔を、真正面に向ける。王立学園の廊下には大勢の生徒が集まり、その中心には、三つの人影があった。一人は、マイナ。目の前には、この国の第一王子──ローランドがいて、その隣では、ローランドの愛する婚約者、伯爵令嬢のリリアンが怒りで目を吊り上げていた。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

〈完結〉だってあなたは彼女が好きでしょう?

ごろごろみかん。
恋愛
「だってあなたは彼女が好きでしょう?」 その言葉に、私の婚約者は頷いて答えた。 「うん。僕は彼女を愛している。もちろん、きみのことも」

どうか、お幸せになって下さいね。伯爵令嬢はみんなが裏で動いているのに最後まで気づかない。

しげむろ ゆうき
恋愛
 キリオス伯爵家の娘であるハンナは一年前に母を病死で亡くした。そんな悲しみにくれるなか、ある日、父のエドモンドが愛人ドナと隠し子フィナを勝手に連れて来てしまったのだ。  二人はすぐに屋敷を我が物顔で歩き出す。そんな二人にハンナは日々困らされていたが、味方である使用人達のおかげで上手くやっていけていた。  しかし、ある日ハンナは学園の帰りに事故に遭い……。

処理中です...