6 / 12
狙われたエマ
しおりを挟むエマの表情が明らかに変わった。
「申し訳ございません!お嬢様の結婚のお相手だなんて、知りませんでした!」
やっぱり...。
「エマが謝る事じゃない。悪いのはあの男...サミュエル・ゼバス。」
ごめんね、エマ。
私はずっと、あなたを傷付けていたんだね。
あんなに浮かれて...愛してると言われたと、あなたに言ったこともあった。
辛い思いをさせたまま、あなたを死なせてしまった。
もう同じ事は繰り返さない!
絶対に死なせない!
エマの話では、サミュエル様とエマが出会ったのは半年前の事だった。
お父様のお使いで王都に出かけた時、道に迷っていたエマにサミュエル様が声をかけ、親切に案内してくれたそうだ。
エマが王都でのお使いを終えるまでの数日間、毎日会いに来て想いを告げてきた。
そんなサミュエル様に、エマは恋をした。
...手口はいつも一緒なのですね。
そして今日、こちらにサミュエル様が来ると聞き、会いに向かったところ、サミュエル様の口から...
『私はロディア嬢に結婚を申し込む。おまえとは単なる遊びだ。なかったことにしてくれ。』
そう告げられたのだ。
「身分違いなのはわかっていたので、遊びだと言われても仕方ありません。ですが、サミュエル様の相手がお嬢様だったと知り...私はお嬢様を裏切ってしまいました...。」
身分違い...か。
恋愛結婚なんて幻想なのはわかってる。
伯爵令嬢として生まれたからには、親の決めた相手と結婚しなければならない。
なんて...両親の反対を押し切って、サミュエル様と結婚しちゃったんだけど...。
たとえ身分違いでも、エマがサミュエル様を本気で想っていた事実は変わらない。
その気持ちを、結婚の邪魔になるからとあっさり切り捨てたサミュエル様が許せない。
「私のことは気にしないで。サミュエル様と結婚するつもりはないから。ねえ、少し出かけない?」
エマを元気付けたかったのもあるけど、単純にエマとお茶したり買い物をしたりしたかった。
もう二度と会えないと思っていたエマが今、目の前にいるのが嬉しかった。
エマは使用人だけど、姉妹のように育ち、親友だと思っていた。
エマとお茶をし、道に出た時だった...!
「危ない!!」
突然馬車が暴走し、こちらに向かって来た!
エマに向かって一直線に走ってくる馬車...
「エマッ!!」
私はとっさにエマに飛びかかった!
ドサッ!!
ロディアが飛びかかったことで、馬車をすんでのところで避け、エマは無事だった...が、
「お嬢様ッ!!」
180
あなたにおすすめの小説
そんなにその方が気になるなら、どうぞずっと一緒にいて下さい。私は二度とあなたとは関わりませんので……。
しげむろ ゆうき
恋愛
男爵令嬢と仲良くする婚約者に、何度注意しても聞いてくれない
そして、ある日、婚約者のある言葉を聞き、私はつい言ってしまうのだった
全五話
※ホラー無し
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
妹を選んで婚約破棄した婚約者は、平民になる現実を理解していなかったようです
藤原遊
恋愛
跡継ぎとして育てられた私には、将来を約束された婚約者がいた。
――けれど彼は、私ではなく「妹」を選んだ。
妹は父の愛人の子。
身分も立場も分かったうえでの選択だと思っていたのに、
彼はどうやら、何も理解していなかったらしい。
婚約を破棄し、妹と結ばれた彼は、
当然のように貴族の立場を失い、平民として生きることになる。
一方で、妹は覚悟を決めて現実に向き合っていく。
だが彼だけが、最後まで「元に戻れる」と信じ続けていた。
これは、誰かが罰した物語ではない。
ただ、選んだ道の先にあった現実の話。
覚悟のなかった婚約者が、
自分の選択と向き合うまでを描いた、静かなざまぁ物語。
失った真実の愛を息子にバカにされて口車に乗せられた
しゃーりん
恋愛
20数年前、婚約者ではない令嬢を愛し、結婚した現国王。
すぐに産まれた王太子は2年前に結婚したが、まだ子供がいなかった。
早く後継者を望まれる王族として、王太子に側妃を娶る案が出る。
この案に王太子の返事は?
王太子である息子が国王である父を口車に乗せて側妃を娶らせるお話です。
悪役令嬢として、愛し合う二人の邪魔をしてきた報いは受けましょう──ですが、少々しつこすぎやしませんか。
ふまさ
恋愛
「──いい加減、ぼくにつきまとうのはやめろ!」
ぱんっ。
愛する人にはじめて頬を打たれたマイナの心臓が、どくん、と大きく跳ねた。
甘やかされて育ってきたマイナにとって、それはとてつもない衝撃だったのだろう。そのショックからか。前世のものであろう記憶が、マイナの頭の中を一気にぐるぐると駆け巡った。
──え?
打たれた衝撃で横を向いていた顔を、真正面に向ける。王立学園の廊下には大勢の生徒が集まり、その中心には、三つの人影があった。一人は、マイナ。目の前には、この国の第一王子──ローランドがいて、その隣では、ローランドの愛する婚約者、伯爵令嬢のリリアンが怒りで目を吊り上げていた。
〈完結〉だってあなたは彼女が好きでしょう?
ごろごろみかん。
恋愛
「だってあなたは彼女が好きでしょう?」
その言葉に、私の婚約者は頷いて答えた。
「うん。僕は彼女を愛している。もちろん、きみのことも」
どうか、お幸せになって下さいね。伯爵令嬢はみんなが裏で動いているのに最後まで気づかない。
しげむろ ゆうき
恋愛
キリオス伯爵家の娘であるハンナは一年前に母を病死で亡くした。そんな悲しみにくれるなか、ある日、父のエドモンドが愛人ドナと隠し子フィナを勝手に連れて来てしまったのだ。
二人はすぐに屋敷を我が物顔で歩き出す。そんな二人にハンナは日々困らされていたが、味方である使用人達のおかげで上手くやっていけていた。
しかし、ある日ハンナは学園の帰りに事故に遭い……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる