〖完結〗旦那様が私を殺そうとしました。

藍川みいな

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巻き戻り


 私は今、この世でたった一人の愛する旦那様に殺されそうになっている。いや……もう私は殺されるだろう。
 どうして、こんなことになってしまったんだろう……。
 私はただ、旦那様を愛していただけなのに……。

 そして私は旦那様の手で、首を絞められ意識を手放した……

 はずだった。

 「………………」

 何故か目を覚ました私の目に映ったのは、実家の自分の部屋の天井だった。

 どうしてここにいるんだろう?
 私は助かったの? 旦那様は思いとどまってくれたの?
 疑問ばかりが頭に浮かび、そしてどんなに考えたところで答えは出ない。

 コンコン……

 「お嬢様? お目覚めになりましたか?」

 この声は、使用人のレイリーだ。
 レイリーは幼い頃から一緒に育って来て、使用人だけど私の親友でもあった。

 「レイリー、入って。」

 ドアを開けて入って来たレイリーを見た瞬間、私の思考は停止した。
 レイリーの姿は、10歳くらい若返っていたのだ。
 これはどういう事!? 私は夢を見ているの!?
 それともやっぱり、私はあの時に死んでいて、ここは天国なの!?
 
 また頭の中が、疑問だらけになってしまった。



 私はアイラ・ブランカ。ブランカ侯爵の一人娘で、今は25歳……のはずなんだけど、レイリーの姿を見る限り、多分今は15歳くらいだと思う。

 15歳……そう、この頃に旦那様と出会い恋をした。
 旦那様は、デイブ・コリンズ。コリンズ侯爵の三男で、同じ学園に通う同級生だった。
 コリンズ侯爵には借金があり、私のお父様は裕福だった。私達が結婚し、旦那様が婿養子になった事で、お父様はコリンズ侯爵の借金を肩代わりし、多額の援助までしていた。
 そして半年前、お父様が亡くなり、旦那様がブランカ侯爵となった。
 父が亡くなり、金遣いの荒い旦那様のせいで、財産は瞬く間に減っていっていた。
 そして私は、コリンズ侯爵への援助を打ち切った。

 それが、私が殺された(殺されかけた?)原因だろう。……もう私は、必要なくなったのだ。

 ただ離縁しただけなら、借金返済した分と今までの援助金を返せとでも言われると思ったのだろう。
 旦那様はきっと、他の金ズルを探すつもりで私を……。
 

 旦那様のあの優しさも、あの眼差しも、愛を囁いた言葉も、全部が嘘だった。
 私は、偽りの旦那様を愛していた。


 「お嬢様、大丈夫ですか? お顔の色が優れないようですけど……。入学式は欠席いたしますか?」

 入学式? 今、入学式って言った?
 だとしたら、やっぱり今は15歳って事!?

 まさか……時間が巻き戻ったとか!?
 そんな都合のいい事、あるはずないか。
 でももし、巻き戻っていたなら……そう思い、急いでベッドから下りて鏡を覗いてみると、鏡に映っていたのは15歳の時の自分の姿だった。

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