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36、イザベラ 前編 *残酷な描写があります。このお話を読まなくても、物語の内容に影響はありません。
イザベラが、ブライト公爵に地下牢に閉じ込められてから1ヶ月が経っていた。
「旦那様……私は何もしていません……ここから出してください……」
オウムみたいに、毎日同じことを繰り返し言うイザベラ。暗い地下牢にずっと閉じ込められていることで、少し精神が壊れて来ているようだ。
「よくまあ、そこまで嘘をつき続けることが出来るな。だが、もう終わりだ。
正直に話す機会は十分あったのに、お前はずっと私を騙し続けた。連れて来い!」
ブライト公爵の命令を受け、使用人達が連れて来たのは、傷だらけの男達だった。その男達は全員、イザベラと関係を持った者たちだ。
「この者たちが、全て話した。お前に誘われて関係を持ったことをな」
イザベラの表情が変わった。男達は明らかに、酷い拷問をされている。自分も同じ目に合うのではと考え、顔が青ざめていた。
「……私を、拷問するのですか?」
「拷問? そんな事をする必要はない。お前の罪は明らかなのだから、お前に相応しい罰を与える」
使用人の男が、イザベラの手をロープで縛り、天井から吊り下げられているフックに吊るした。
「何をするの!? 下ろして!!」
「お前は男なら誰にでも股を開く淫乱だ。だから、お前を相応しいところに送ってやる」
「相応しいところってどこよ!? 私に相応しいのは、地位と名誉よ! 誰もが私に平伏すの!」
「本性を現したようだな。お前は、娼館に送る。だが、このまま送りはしない」
「娼館ですって!? ふざけないでよ! 私を娼婦にするつもり!?」
使用人がたいまつを持ち、それに火をつけ、ブライト公爵に渡す。たいまつを持ったブライト公爵が、ゆっくりイザベラに近づいて行く。
「な、何をする、おつもりですか?」
「お前は自分が美しいと思っている。だから、醜い姿にしてやる」
たいまつをゆっくりイザベラの腹に近づける……
「や、や、やめ……ぎゃああああああああああああああああああッッッッッ!!!!!」
服の焼け焦げた臭いと、皮膚が焼かれた臭いが辺りに充満する。あまりの痛みに気絶するイザベラ。構わず続けるブライト公爵。
「ぎゃああああああああああああッ!!!」
気絶しているはずのイザベラは、あまりの痛みに気絶したまま悲鳴をあげる。腹、腕、胸、腰、尻、太腿、ふくらはぎ……次々に、たいまつを押し付ける。焼けた皮膚に焼けた布がまとわりつく。
それをずっと見させられている男達。あまりの恐怖に、漏らした者までいる。
全身に火傷を負ったイザベラ……しかし、まだ終わりではなかった。
12時間後、イザベラは目を覚ました。
全身がヒリヒリとして、どこもかしこも痛みが襲ってくる。
「……痛い……痛いよ……薬を……ちょうだい……」
「目を覚ましたようだな」
ブライト公爵は、イザベラが目を覚ますまでずっと待っていた。
「旦那様……お願い……薬を……」
「生きているとはな。その根性だけは褒めてやる」
ブライト公爵は、もう一度たいまつを手に取り、使用人がそれに火をつけた。
「だ、旦那様? もう、終わりでしょう? もう、やめて……ください……ゆるして……」
たいまつを持ったブライト公爵が、ゆっくり近付く……
「終わりだなどど、誰が言った? そもそも、お前はほとんど気絶していたではないか。
許して……だと? 私を裏切り、侮辱しておいて、虫がよすぎるな」
「ごめ……んなさい……」
「謝る機会はやったではないか? それをムダにしたのは誰だ?
お前は容姿に絶対の自信を持っていた。だから、これからは醜い姿で生きなさい」
ブライト公爵は、たいまつの火をイザベラの顔の右半分に押し付けた!!
「ふぎゃああああああああああああぁあああああああああああああぁぁぁッッッッ!!!!!」
顔の皮膚が焼け焦げ、溶けていく……
肉が焼け、まるで化け物のようになったイザベラをじっと見つめたあと、ブライト公爵はたいまつを捨て、地下室から去って行った。
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