〖完結〗妹は私の物が大好きなようです。

藍川みいな

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閉じ込められたブレア

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 「お父様!私は嫌です!エルヴィン様は私の物です!」

 相手が拒絶したにも関わらず、諦めないマリベル。
   
 婚約発表の日、朝からマリベルに呼び出され地下へと行くと...

 ドンッ!!

 え...?

 マリベルに突き飛ばされ、地下の部屋へと入れられた。
 そして...

 ガチャッ

 外から鍵をかけられた。

 「マリベル!?どうしてこんな事を!?ここから出して!」

 「お姉様...私は今日からお姉様になります。顔は同じなのですから、バレないように上手くやります。お姉様はマリベルとして生きるか、そこで一生を過ごすか、考えておいてください。そろそろエルヴィン様との婚約発表があるので失礼しますね。」

 何を言っているの!?

 「そんなことやめて!お願いだから、ここから出して!」

 マリベルはブレアの声に振り返りもせず、地下から出て行った。

 「どうして...!?私になりすますなんて...バレたら大変な事になるのに...。そんなにエルヴィン様の事を...!?」

 地下を出たマリベルはブレアになりすまし、会場へと馬車で向かった。

 「マリベルが可哀想に...。なぜブレアにこだわるのかしら...」

 「もうよそう...仕方がない事だ。ブレア、マリベルは体調不良だと言う事にしなさい。」

 マリベルは両親も騙していた。
 ブレアになりきる為には、邪魔だと思ったからだ。
 会場に到着し、ダリアル公爵とエルヴィンに挨拶をする。

 「初めまして、エルヴィン様。」

 ダリアル公爵もエルヴィンも、偽物だとは気付かなかった。
 このままブレアになりすませると、マリベルは確信した!
 婚約発表パーティーが無事に終わり、屋敷に戻ってきたマリベルは、地下へと向かった。

 「お姉様、お食事です。」

 ドアに付いている食事用の小窓を開け、中に食事を入れた。
 
 「マリベル...こんな事やめて。」

 「エルヴィン様は私をお姉様だと思ってます。お姉様は諦めて、マリベルとして生きてください。」

 「こんな事をしても、幸せになんてなれない。あなたはマリベルなのよ!?」

 「はぁ...」

 マリベルはため息をついた...

 「マリベルとして生きる気がないなら、ずっとここにいてください。叫んでもムダですよ。誰も助けには来ませんから。」

 そう言い、マリベルは戻って行った。

 私はどうすればいいの?
 マリベルとして生きるなんて出来ない。
 私はブレアなのだから...。

 次の日からは、マリベルはブレアの元には来なかった。
 マリベル付きの使用人が、毎日無言で食事を運んできた。
 ブレアが何を話しかけようと、口を開くことはなかった。

 マリベルが何日も姿を見せなくなって、両親は入れ替わった事に気付いたが、見て見ぬふりをしていた。
 


 ブレアを地下に閉じ込めたまま数ヶ月が経ち、エルヴィンとブレア(マリベル)の結婚式が始まった。



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