〖完結〗妹は病弱を理由に私のものを全て欲しがります。

藍川みいな

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ローレンの誘惑


 アイシャは軟禁されたまま、夜が開けた。

 早くここから出ないと、リアム様が来てしまう! でもどうしたら……

 「お姉様、起きてる? お話があるの。入ってもいいかしら?」

 ローレン!?

 「どうぞ。」

 ローレンは鍵を開けて部屋へと入ってくる。その後にメイドがお茶を運んで来た。

 「お茶を用意させたわ。飲みながら話しましょう。」

 ローレンはソファーに座り、私は向かいに座ると、メイドがお茶を注いで部屋から出て行った。

 「話って何?」
 
 「昨日の事、お姉様に謝りたかったの。良く考えたら、お姉様にとってリアム王子は幼い頃からの婚約者ですもの、私に譲るなんて嫌よね。ごめんなさい。」

 まさかローレンが謝ってくるとは、思いもしなかった。あんなにわがままを言っていた子が、こんなに素直に謝ってきた事に少し混乱した。

 「昨日はあまり眠れなかったでしょ? 心が落ち着くお茶を淹れて来たから、飲んで。」

 「ありがとう。」

 豹変したローレンに驚きつつ、言われるがままお茶を一口飲んだ。

 「でもね、リアム王子は私のものよ。」

 「え……?」

 その時、視界が揺らいだ……

 バタッ……アイシャはその場に倒れ込んだ。

 「あまり眠れなかったのだから、ぐっすり寝てね。リアム王子は私に任せて。」

 ローレンが用意させたお茶には、眠り薬が入っていた。




 アイシャとの約束の時間ピッタリに、リアム王子はブルーク侯爵邸を訪れた。

 「リアム王子、大変申し訳ないのですが、アイシャは出かけてしまいました。」

 「それは、どういう事でしょうか?」

 「立ち話もなんですし、中へお入りください。」

 ブルーク侯爵は、リアム王子を応接室へと案内した。

 「アイシャはリアム王子との約束を忘れ、友達の所へ行ったようなのです。」

 「そうですか……。それならば、また明日出直します。」

 リアム王子が帰ろうと立ち上がった所へ、

 コンコン……

 「入りなさい。」

 「失礼します。お茶をお持ちしました。」

 ローレンがお茶を運んで来た。

 「ローレンがリアム王子の為に淹れたお茶です。どうか、飲んでやってください。」

 「……分かりました。」

 ローレンはリアム王子にお茶を注いだ後、となりに座った。

 「熱いうちにどうぞ。」

 「ローレンは気が利く子でして、リアム王子が来たと知り、美味しいお茶をお出ししたかったようです。」

 「リアム王子は、オレンジティーがお好きだとお聞きしたので……」

 「よくご存知ですね。」
 
 「お姉様はリアム王子の事を、何も知りませんでした。不出来な姉で、本当に申し訳ありません。」

 「お恥ずかしい話ですが、アイシャは少し性格が歪んでいまして……。ローレンは病気がちで、身体が弱いのですが、アイシャはその事を気にもとめず、自分だけ友達を作り、今日のように遊び歩いているのです。」
 
 「お姉様は私が嫌いなんです。病弱な妹をもって、不幸だっておっしゃっていました。」

 ローレンは上目遣いでリアム王子を見た後、泣き真似をした。

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