〖完結〗私との婚約を破棄?私達は婚約していませんよ?

藍川みいな

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婚約破棄?


 「エリーサ、すまないが君との婚約を破棄させてもらう!」

 とあるパーティーの場で、ラルフ様から突然そう告げられた。

 「え……?」

 あまりに突然のことで、何も言葉が出て来ないエリーサにラルフは話を続ける。

 「お前は私が大好きだから、私との婚約を破棄されるのはとても辛いと思うが、諦めて欲しい。」

 ラルフの話を聞いていると、あまりにも突然で自分勝手……ではあるが、そもそも……

 「ラルフ様……私とラルフ様は、婚約なんてしていませんよ?」

 「そうか、そんなに辛いのか。それならば…………………………え?」

 自分に酔っていたラルフはやっと我に返り、ものすごく慌てだした。

 「な、な、な、何で!?き、き、きみは私の婚約者じゃないか!」

 確かにエリーサとラルフは幼い頃から婚約をしていたが、

 「お忘れですか?ラルフ様は先程と全く同じセリフで、3年前に私との婚約を破棄したじゃないですか。」

 「な!?そんなはずはない!私が君との婚約を破棄するはずがないじゃないか!!」

 ラルフ様の言ってることが全く分からない。たった今、婚約を破棄すると言った口で、婚約を破棄するはずはないとはどういう事なのだろう……?

 ラルフは最初から、婚約を破棄するつもりなどなかったのだ。婚約を破棄すると言ったのは、『嫌です!』と泣いてすがって欲しかったからだった。
 
 3年前、同じセリフで婚約破棄を告げたラルフは、エリーサが泣いてすがるのを待っていた。突然の婚約破棄にエリーサは言葉も出なかったが、受け入れる事にし、『分かりました。』と、一言だけ残しその場を去った。
 『嫌です!』という言葉を待っていたラルフには、エリーサが婚約破棄を受け入れた言葉など耳に入ってこなかったのだ。そのままエリーサが何も言ってこなかったので、婚約破棄を告げた事自体を忘れてしまっていた。

 「と、とにかく!お前は私の婚約者だ!!」

 「ラルフ様は変わった方ですね。先程、婚約を破棄するとおっしゃったのに、今度は婚約者ですか……。ですが、私はラルフ様の婚約者ではありません。」

 「ダメだ!絶対にダメだ!お前は私の婚約者なのだ!!3年前に破棄したというのなら、もう一度婚約する!!」

 子供みたいに駄々をこねるラルフに、戸惑いながらも真実を告げる事にした。

 「それは無理です。私は既に、他の方と婚約しております。」

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