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二度目の結婚式
しおりを挟む「マリベル! やっと会えた……」
「イーサン様、もうここに来るのはやめてください。」
私の事は忘れて、ドーラさんと、生まれてくる子供を大切にして欲しい。
「君がいないと……私はダメなんだ……」
「そんな事はありません。私は、イーサン様を忘れる事が出来ました。イーサン様も、私の事は忘れて、ドーラさんを大切になさってください。」
「無理だ! 君でなくてはダメなんだ! 君を愛しているんだ!!」
「……申し訳ありませんが、私はもう、あなたを愛する事はありません。もうすぐ結婚をするんです。二度と、個人的にイーサン様にお会いする事はないでしょう。」
「そんな……私を捨てるのか!?」
裏切ったのはあなたですよ。これ以上、あなたに振り回されたくありません。不思議と、イーサン様との事が辛くなくなっていました。イーサン様の事より、ケール侯爵の事ばかり考えています。一度会っただけなのに、どうしてなのかは自分でも分かりません。
イーサン様の問いに答えることなく、私は邸に入りました。
バタバタと結婚準備が進み、一週間後、結婚式の日が訪れました。
「まさかまた、結婚式をする事になるとは思いませんでした。」
「絶対に一回目より綺麗です!」
「ふふっ。そんな事に対抗しなくてもいいのでは?」
ビンセント様は、子供のような方みたいです。
「辛い思いをした分、私が幸せにしたいと思っています。この先何があろうと、マリベルを守り、愛し続ける。」
もう男性を信じられないと思っていた私の心は、いつの間にか彼を信じはじめていました。まだ始まったばかりの私達ですが、二人でゆっくり幸せになれたらと思います。
「ビンセント様、絶対に幸せにしてくださいね?」
そう言って微笑んだマリベルから、ビンセントは目が離せなかった。
結婚式は盛大に行われ、幸せそうな二人を皆が祝福した。
END
おまけ
イーサンはマリベルの結婚式を見届けた後、ドーラの元に向かったが、ドーラはすでに結婚をしていた。
どうやら、ドーラの子は、イーサンの子ではなかったようだ。
「マリベルーーーー!!」
愛していたマリベルを失い、愛人にも捨てられたイーサン。愛人がいた事は、ミシェルが流した噂で、貴族の令嬢達に知れ渡り、誰もイーサンと結婚したいとは思わず、一人きりの人生を送った。
ピエール男爵に嫁いだミシェルは、先に囲われていた愛人達に毎日いじめられた。ピエール男爵は、愛人も妻も関係なく、長く傍にいる順で大切にする度合いを変えていた。
一番後に来たミシェルは、たとえ妻であっても、優先順位が低かった。
「どうして私がこんな目に!?」
お金も自由に使う事は出来ず、新しい服はほとんど買ってもらえなかった。出かけることも許されず、毎日邸の掃除をさせられる。まるで使用人のような扱いを受けているようだ。
END
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みんなの感想(45件)
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ドーラ、よく結婚できましたね。
旦那も自分以外と肉体関係を持っていて、自分の子供かも怪しい上に托卵される恐れのある女を嫁にするとか凄いなと思いました。
とてもスカッとしましたぁ😄
他の作者さんの作品は、その後の事を書かれる事なく終わりで若干モヤモヤですが、こちらの作品は素晴らしくスッキリです!
ありがとうございました👏👏
冒頭の自己紹介で「わたしはマリベル·アンダーソン」とありますが「マリベル·ジーベル」なのでは?
ざまぁもありで上手くまとまっていたと思います。
ただ、ケール侯爵は結婚申し込むのに相手が独身かすらも調べもしなかったのか?
そりゃ、留学に出た3年前は間違いなく独身だったでしょうけど、普通に考えて適齢期の女が3年も売れ残ってると、本気で思っていたのだろうか。
ほぼ同時期からジーベル伯爵に求婚されていたくらいなんだから、3年前の時点で社交界デビュー済みのはず。実際、そこから1年で結婚してるんだし。
あとはまあ、結婚以来2年間も「白い結婚」のままで、マリベルはどうして納得してそれでも愛していると言い続けられたのか、という部分が気なりました。
ありがとうございます。
結婚していた時の自己紹介なのに、間違えてましたね。修正致しました。
気になる事がなくなるような作品を書いていきたいと思います。ご指摘ありがとうございました。