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私の愛する人達
しおりを挟む考えた末に、私はドリクセン公爵に話す事にしました。話した事で、ビンセント様にどう思われるか怖い……ですが、このままではダメな気がします。
いつものようにパンを配り終えると、
「ドリクセン公爵、少しお話がしたいのですが、よろしいでしょうか?」
ドリクセン公爵を呼び止めた。
マギー王女には先に帰ってもらって、ドリクセン公爵のお邸にお邪魔する事になりました。
「話って、やっと俺の気持ちに応えてくれる気になった?」
応接室へと通された後、冗談を言われましたが、笑ってあしらえるような心境ではありません。
「……今日は、かなり重いお話をします。」
私はロンに聞いた事を、全てドリクセン公爵にお話しました。黙って静かに聞いてくれて、取り乱す様子もありません。
「よかった……」
そう一言。
「それって……」
「兄上の事をずっと恨んで来たけど、王妃様に会って少しずつ考え方が変わっていった。
兄上は、俺を愛してくれていた……っ……ぅっ……」
ドリクセン公爵は、せきをきったように涙を流し、子供のようにわんわん泣いたあと、
「兄上に会いたい。」
そう笑顔で言いました。
私達はそのまま、王城へと向かいました。
馬車に揺られながら、ドリクセン公爵は何かを考えているみたいです。
邪魔をしないように、王城に着くまでずっと見守っていました。
王城に着くと、少し帰りが遅くなった事を心配したのか、ビンセント様がすごい勢いで馬車まで走って来てくれました。
「よかった……何かあったんじゃないかと心配したよ!」
「申し訳ありません。今日は、お客様をお連れしたんです。」
私の後に、馬車から降りてきたドリクセン公爵を見て、ビンセント様は目を見開いた。
「兄上、お久しぶりです。」
「……ジョシュア、元気そうだな。」
素っ気なく返すビンセント様。そんなビンセント様を、ドリクセン公爵は抱きしめた!
「兄上……申し訳ありませんでした!!」
「ジョシュア……まさか……」
「全部知りました! 兄上がどんな気持ちだったか、知りもせずに俺は……!!」
ビンセント様は、ドリクセン公爵の頭をポンポンとした。
「お前は何も悪くない。お前を傷付けて、本当にすまない。」
こうして兄弟の誤解は解け、ドリクセン公爵は毎日夕食を食べに来るようになりました。
マギー王女も、夕食に参加する事を許され、毎日賑やかな食事です。
「兄上なら仕方ないから、王妃様を諦めるよ。」
冗談だと思っていたドリクセン公爵の気持ちは、本物だったようです。
「いくら愛する弟でも、セリーナだけは譲れない。」
「なんなら私、ドリクセン公爵で我慢してあげます。私達、結婚しましょう。」
マギー王女はいきなりプロポーズをしました。
「なんで俺がお前なんかと!? 」
ドリクセン公爵は目を剥き出しにして怒っています。
「私はナーガブルクの王女よ! そんな私が結婚してあげると言ってあげてるんだから、喜びなさいよ!」
最近は、マギー王女は皆の前でも素でいられるようになりました。少し偉そうですが、ツンデレも可愛いです。
愛する人達との夕食はいつも楽しい……でも、ビンセント様との2人きりの時間がちょっぴり減ってしまいました。
ドリクセン公爵が城を訪れた日から、ビンセント様は仮面をしなくなりました。最初は傷を気にしていたけど、国民の前に出る時は少しお化粧をして見えなくしています。
いつでもビンセント様のお顔が見れる事が、すごく嬉しい。
―1年後―
「セリーナ、ありがとう。
君に出会えて、本当に良かった。
永遠に君を愛してる……」
ビンセント様が私を見つめながら、愛を囁いてくれる……
「……兄上、今日は俺達の結婚式なんだから、イチャイチャするのは帰ってからにしてください。」
あれ程嫌がっていたのに、ドリクセン公爵はマギー王女と結婚する事になりました。
「陛下は本当にお義姉様がお好きなのですね。でも、負けないくらい私もお義姉様が好きです!」
「マギー……私達の結婚式だぞ!?」
「私、皆が大好きです! 私の愛する人達は、最高です!!」
END
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感想ありがとうございます♪
ちょっと内容忘れてしまってますが笑
前向きな主人公いいですよね(*´ `*)
全体的にほんわかした感じで面白かったです。
ただ気になったのは、王妃がパンを配っている事。これって根本的な解決にはならないのでは?
野菜畑を作ったなら、斡旋所に来ている人たちの雇用をしたり、何かしら手に職付ける手立てを考えた方がいいのでは?
ちょっと気になってしまいました。
感想ありがとうございます!
パンを配るのは、待ち時間が長すぎて、待ってる人や一緒に来た子供達の為でした。
仕事がないから待ち時間が長いとも言えますね(´;ω;`)
かわいいお話でした♡
ざまぁもいい感じ!!
楽しかったです!
ありがとうございます(*´`*)
嬉しいです!