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25、父との再会
しおりを挟む「お久しぶりです、陛下」
「久しぶりだな、レイチェル。元気だったか?」
前の時と同じで、応接室での面会になった。
「はい、元気です。急なお願いを聞いてくださり、ありがとうございます」
久しぶりの父との再会。初めての時よりは、上手く話せている。
「ディアムも、相変わらずレイチェルにくっ付いているのだな」
「当然です。レイチェルを、愛していますから。今日は追い出さないでくださいね!」
今日は陛下も、ディアム様を追い出す気がないようだ。
「陛下、先ずはこの手紙を読んでいただけますか?」
陛下に、ケリーが書いた手紙を渡す。
その手紙を読みながら、悲しげな表情を見せる。私とオリビア様の入れ替えのことは、とっくに気付いていた。殿下が動いていたことも、知っていただろう。陛下自ら行動をしなかったのは、初めて会ったあの日に、私が何も言わなかったから。私が話すまで、何か事情があることを察して待ってくれていたように思う。
「ようやく、話す気になってくれたのだな。どれほどこの日を、待ちわびていたか……」
陛下の目から、涙が溢れる。
本当は、少しだけ不安だった。十六年もの間、陛下も王妃様も、オリビア様を実の娘として大切に育てて来た。十六年も私達は何も知らずに他人として生きて来たのだから、今更血が繋がっているからと受け入れてもらえるものだろうかと……
「私を、受け入れてくださるのですか?」
「当たり前だ! 私が動かなかったことで、不安にさせてしまったのならすまない。お前に初めて会った時、私の娘だと確信した。あの時、お前は全てを知っていたのだろう? それでも話さない理由があると思い、ダニエルのしていたことも知らないフリをした。いつかこうして、私に理由を話してくれると信じ、ずっと待っていた」
慈しむように私を見つめる陛下。
「申し訳……ありませんでした。今日は、陛下にお願いがあって参りました」
「願いとは? 何でも言いなさい」
「ありがとうございます。その手紙を書いたのは、私の侍女です。彼女は昔、母の侍女をしていました。そして、手紙に書かれていたように、母に命じられ、私とオリビア様を入れ替えました。侍女の名前は、ケリーと申します。ケリーの罪を、問わないでいただきたいのです」
「……それは、難しいかもしれぬ」
難しいのだと、分かっていた。だから、ガードナーさんを探したのに、彼は入れ替えを最初から知っていたわけではなかった。
実行犯であるケリーの話がなければ、いくらガードナーさんの自白があっても、クライド伯爵夫妻の罪を証明することが難しくなる。
だから、ケリーに手紙を書いてもらった。
「分かっています。ですから、ケリーは死んだことにします」
「それは、どういう意味だ?」
罪を問わないで欲しいというのは、ケリーという侍女に対してではなく、彼女自身の罪を問わないで欲しいというお願いだった。
「先日、ケリーはクライド伯爵夫人の雇った者達に襲撃を受けました。ケリーの命を狙って来ることは予想していたので、襲撃された馬車にケリーは乗っていなかったのですが……その時、ケリーは命を失ったということにして欲しいのです」
その為に、襲撃した男に『ケリーを始末した』という内容の手紙を母宛に書いてもらった。ガードナーさんのことも始末したことにしたのは、クライド伯爵夫妻が逃げ出さないようにする為だ。
ケリーの手紙があれば、全てを明らかにすることが出来る。ケリーには、別人として生きてもらう。
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