〖完結〗あんなに旦那様に愛されたかったはずなのに…

藍川みいな

文字の大きさ
8 / 9

お帰りください。


 全てを聞いた私は、色々な事を冷静になって考えました。最初のきっかけは私の勘違いでしたが、それを知っていて、スチュワート様は何も言いませんでした。それどころか、勘違いで俺に惚れたバカ女とまでモニカさんに言っていました。
 契約結婚のことも、私には嘘をついていた。女性の事や条件の事は、スチュワート様の問題ですが、私が断らないとわかっていて、気持ちを利用しました。ですが、やっぱり借金を肩代わりして頂いた事には感謝しています。今はもう、それだけです。自分でもびっくりですが、モニカさんを捨てたスチュワート様に魅力を感じなくなりました。契約結婚最後の日に、私に言った言葉さえ真実ではなかったからです。

 『愛する人』とは、スチュワート様にとってはとても軽いもの……それが、私には許せないみたいです。

 「理由など、どうでもいいではないか! 俺は君を愛してると言っているのだぞ? 嬉しいだろ!!」

 数ヶ月前なら、嬉しかったでしょう。ですが、今は全く……

 「嬉しくありません。スチュワート様の愛は、1日で心変わりするものではありませんか。それに、私はあなたをなんとも思っていません。」

 なんとも思ってない。それどころか、嫌悪感まで抱くようになっていた。スチュワート様が、私に手を出さなかったのは、契約期間が終わった後に離婚する事を拒まれたら困ると思ったからですよね。私は手を出さないスチュワート様を、誠実な方だからだと思っておりました。ただ、めんどくさい事がお嫌だったのだと、今なら分かります。

 「なぜだ!? 君の命を救ったのは、俺だぞ? そのおかげで、今君は生きているんじゃないか!」

 「……助けてくれたのは、ロナルド様ですよね? あなたは何もせずに、ただ私の名を呼んでいただけ。」

 「くそ!! あの野郎、話しやがったのか!!」

 本当に私は、この方のどこが好きだったのでしょう? 
 
 「スチュワート様、お帰りください。もう、二度とお会いすることはありません。契約結婚はすでに完了していますので、私達は赤の他人です。この邸に来て、妻を呼べなどと、二度と言わないでください。」

 「マリアンヌ!! 頼む!! 俺の元に戻って来てくれ!!!」

 ガチャ

 応接室の扉が開き、使用人達が数人入って来た。最後に、フリードが入って来て、

 「お話はお済みのようですので、スチュワート様を邸の外へとお連れします。」

 そう言って、スチュワートの両腕を掴み、外へと無理矢理連れて行った。

 「マリアンヌー! マリアンヌーー!! 愛してるんだーーー!!」

 さようなら、スチュワート様。さようなら、私の間違いだった初恋。
 私も反省しなければ、いけませんね。ずっとロナルド様が私を見てくれていたことに、全く気付きませんでした。
 あの日助けてくれたのは、ロナルド様だと知りましたが、もうあの事が理由で好きになることはないようです。
 
感想 36

あなたにおすすめの小説

婚姻契約には愛情は含まれていません。 旦那様には愛人がいるのですから十分でしょう?

すもも
恋愛
伯爵令嬢エーファの最も嫌いなものは善人……そう思っていた。 人を救う事に生き甲斐を感じていた両親が、陥った罠によって借金まみれとなった我が家。 これでは領民が冬を越せない!! 善良で善人で、人に尽くすのが好きな両親は何の迷いもなくこう言った。 『エーファ、君の結婚が決まったんだよ!! 君が嫁ぐなら、お金をくれるそうだ!! 領民のために尽くすのは領主として当然の事。 多くの命が救えるなんて最高の幸福だろう。 それに公爵家に嫁げばお前も幸福になるに違いない。 これは全員が幸福になれる機会なんだ、当然嫁いでくれるよな?』 と……。 そして、夫となる男の屋敷にいたのは……三人の愛人だった。

危ない愛人を持つあなたが王太子でいられるのは、私のおかげです。裏切るのなら容赦しません。

Hibah
恋愛
エリザベスは王妃教育を経て、正式に王太子妃となった。夫である第一王子クリフォードと初めて対面したとき「僕には好きな人がいる。君を王太子妃として迎えるが、僕の生活には極力関わらないでくれ」と告げられる。しかしクリフォードが好きな人というのは、平民だった。もしこの事実が公になれば、クリフォードは廃太子となり、エリザベスは王太子妃でいられなくなってしまう。エリザベスは自分の立場を守るため、平民の愛人を持つ夫の密会を見守るようになる……。

(完)婚約解消からの愛は永遠に

青空一夏
恋愛
エリザベスは、火事で頬に火傷をおった。その為に、王太子から婚約解消をされる。 両親からも疎まれ妹からも蔑まれたエリザベスだが・・・・・・ 5話プラスおまけで完結予定。

契約婚なのだから契約を守るべきでしたわ、旦那様。

よもぎ
恋愛
白い結婚を三年間。その他いくつかの決まり事。アンネリーナはその条件を呑み、三年を過ごした。そうして結婚が終わるその日になって三年振りに会った戸籍上の夫に離縁を切り出されたアンネリーナは言う。追加の慰謝料を頂きます――

この結婚には、意味がある?

みこと。
恋愛
公爵家に降嫁した王女アリアは、初夜に夫から「オープンマリッジ」を提案される。 婚姻関係を維持しながら、他の異性との遊戯を認めろ、という要求を、アリアはどう解釈するのか? 王宮で冷遇されていた王女アリアの、密かな目的とは。 この結婚は、アリアにとってどんな意味がある? ※他のサイトにも掲載しています。 ※他タイトル『沈黙の聖女は、ある日すべてを暴露する』も収録。←まったく別のお話です

【完結済】自由に生きたいあなたの愛を期待するのはもうやめました

鳴宮野々花
恋愛
 伯爵令嬢クラウディア・マクラウドは長年の婚約者であるダミアン・ウィルコックス伯爵令息のことを大切に想っていた。結婚したら彼と二人で愛のある家庭を築きたいと夢見ていた。  ところが新婚初夜、ダミアンは言った。 「俺たちはまるっきり愛のない政略結婚をしたわけだ。まぁ仕方ない。あとは割り切って互いに自由に生きようじゃないか。」  そう言って愛人らとともに自由に過ごしはじめたダミアン。激しくショックを受けるクラウディアだったが、それでもひたむきにダミアンに尽くし、少しずつでも自分に振り向いて欲しいと願っていた。  しかしそんなクラウディアの思いをことごとく裏切り、鼻で笑うダミアン。  心が折れそうなクラウディアはそんな時、王国騎士団の騎士となった友人アーネスト・グレアム侯爵令息と再会する。  初恋の相手であるクラウディアの不幸せそうな様子を見て、どうにかダミアンから奪ってでも自分の手で幸せにしたいと考えるアーネスト。  そんなアーネストと次第に親密になり自分から心が離れていくクラウディアの様子を見て、急に焦り始めたダミアンは───── (※※夫が酷い男なので序盤の数話は暗い話ですが、アーネストが出てきてからはわりとラブコメ風です。)(※※この物語の世界は作者独自の設定です。)

悪役令嬢と誤解され冷遇されていたのに、目覚めたら夫が豹変して求愛してくるのですが?

いりん
恋愛
初恋の人と結婚できたーー これから幸せに2人で暮らしていける…そう思ったのに。 「私は夫としての務めを果たすつもりはない。」 「君を好きになることはない。必要以上に話し掛けないでくれ」 冷たく拒絶され、離婚届けを取り寄せた。 あと2週間で届くーーそうしたら、解放してあげよう。 ショックで熱をだし寝込むこと1週間。 目覚めると夫がなぜか豹変していて…!? 「君から話し掛けてくれないのか?」 「もう君が隣にいないのは考えられない」 無口不器用夫×優しい鈍感妻 すれ違いから始まる両片思いストーリー

他の人を好きになったあなたを、私は愛することができません

天宮有
恋愛
 公爵令嬢の私シーラの婚約者レヴォク第二王子が、伯爵令嬢ソフィーを好きになった。    第三王子ゼロアから聞いていたけど、私はレヴォクを信じてしまった。  その結果レヴォクに協力した国王に冤罪をかけられて、私は婚約破棄と国外追放を言い渡されてしまう。  追放された私は他国に行き、数日後ゼロアと再会する。  ゼロアは私を追放した国王を嫌い、国を捨てたようだ。  私はゼロアと新しい生活を送って――元婚約者レヴォクは、後悔することとなる。