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お帰りください。
全てを聞いた私は、色々な事を冷静になって考えました。最初のきっかけは私の勘違いでしたが、それを知っていて、スチュワート様は何も言いませんでした。それどころか、勘違いで俺に惚れたバカ女とまでモニカさんに言っていました。
契約結婚のことも、私には嘘をついていた。女性の事や条件の事は、スチュワート様の問題ですが、私が断らないとわかっていて、気持ちを利用しました。ですが、やっぱり借金を肩代わりして頂いた事には感謝しています。今はもう、それだけです。自分でもびっくりですが、モニカさんを捨てたスチュワート様に魅力を感じなくなりました。契約結婚最後の日に、私に言った言葉さえ真実ではなかったからです。
『愛する人』とは、スチュワート様にとってはとても軽いもの……それが、私には許せないみたいです。
「理由など、どうでもいいではないか! 俺は君を愛してると言っているのだぞ? 嬉しいだろ!!」
数ヶ月前なら、嬉しかったでしょう。ですが、今は全く……
「嬉しくありません。スチュワート様の愛は、1日で心変わりするものではありませんか。それに、私はあなたをなんとも思っていません。」
なんとも思ってない。それどころか、嫌悪感まで抱くようになっていた。スチュワート様が、私に手を出さなかったのは、契約期間が終わった後に離婚する事を拒まれたら困ると思ったからですよね。私は手を出さないスチュワート様を、誠実な方だからだと思っておりました。ただ、めんどくさい事がお嫌だったのだと、今なら分かります。
「なぜだ!? 君の命を救ったのは、俺だぞ? そのおかげで、今君は生きているんじゃないか!」
「……助けてくれたのは、ロナルド様ですよね? あなたは何もせずに、ただ私の名を呼んでいただけ。」
「くそ!! あの野郎、話しやがったのか!!」
本当に私は、この方のどこが好きだったのでしょう?
「スチュワート様、お帰りください。もう、二度とお会いすることはありません。契約結婚はすでに完了していますので、私達は赤の他人です。この邸に来て、妻を呼べなどと、二度と言わないでください。」
「マリアンヌ!! 頼む!! 俺の元に戻って来てくれ!!!」
ガチャ
応接室の扉が開き、使用人達が数人入って来た。最後に、フリードが入って来て、
「お話はお済みのようですので、スチュワート様を邸の外へとお連れします。」
そう言って、スチュワートの両腕を掴み、外へと無理矢理連れて行った。
「マリアンヌー! マリアンヌーー!! 愛してるんだーーー!!」
さようなら、スチュワート様。さようなら、私の間違いだった初恋。
私も反省しなければ、いけませんね。ずっとロナルド様が私を見てくれていたことに、全く気付きませんでした。
あの日助けてくれたのは、ロナルド様だと知りましたが、もうあの事が理由で好きになることはないようです。
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