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新たな友達
しおりを挟む「え……?」
マリヤ様の一言に耳を疑った。『力を隠している』その通りだったけど、先生でさえ気づかなかった事に気づいていたということ?
「入ってもいい?…もう入るね。」
マリヤ様は、驚き戸惑っている私の横を通り、部屋に入るとソファーに座った。
「ほら、あなたも早く座りなさいよ。」
なんてマイペースな人だろうと思いつつ、言われた通りソファーに座る。
「で、あなたはどうして力を隠しているの?」
二度目の質問で、冷静に考えられた私は逆に質問をした。
「どうしてそう思うのですか?」
マリヤは不思議そうな顔で、
「だってあなたの…リーアの力は私より強い。リーアを見た瞬間に、負けたって思ったわ。」
「私がマリヤ様よりも?」
確かに試験の度に、落第しない程度の結果しか出さないようにしてきた。目立ちたくなかったし、力が弱いと知れば、ギアル様が婚約を破棄してくれるかもしれないと思っていたから。この事は、親友だと思っていたシアにさえ話さなかった。
だけど、マリヤ様よりも強いだなんてあるはずがない。
「さっきの事だけど、周りであなた達を見ていた人に聞いたの。」
さっきのこと…ギアル様とシアとの事か。
「あなたの力なら、追い出すことなんて出来ないと思うけど?」
「え?」
「明日、1ヶ月に1度の試験があるでしょ。リーアが本気を出して結果を残せば、あの二人にリーアを追い出すことなんて出来ないって事。この学院、辞めたくないんでしょ?」
そっか…そんな方法があったんだ!確かに、この国は聖女が絶対的存在だ。私が聖女として認められたら、たとえ貴族でも手を出せない。…目立つことになっちゃうけど、お姉ちゃんを助けるためにはそれしかない!
「マリヤ様!ありがとうございます!」
「お礼なんていらないわ。私は私の都合で、あなたに本気を出して欲しいだけだから。」
「マリヤ様の都合?」
どういうことだろう?
「その話は、また今度!」
マリヤはそう言うと、特別寮へと帰って行った。
マリヤ様が言ったことは気になるけど、今はそれどころじゃない。この学院に残るためには、明日の試験を全力で受ける。正直、本気で力を使った事がないから、どれくらいの力があるかは自分でも分からない。だけど、絶対この学院に残ってみせる!
リーアは明日のことを考えながら、眠りについた。
そして試験の時間がやって来た。
「あら、まだいたの?さっさと田舎に帰ればいいものを、平民ごときがこの学院にいるなんて虫唾が走る!」
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