〖完結〗婚約破棄ですか?あなたを婚約者だと思った事はないけど、ありがとうございます。

藍川みいな

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試験

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 みんなに聞こえるように、大きな声で私をバカにしたシア。シアはもう、前のシアじゃなかった。これが本性なのだろう。それでもまだ、心の片隅でシアとの楽しかった日々を思い出す。私に見せた優しさは全部嘘だったのだと分かってる…だけど、私にとっては初めての友達だった。

 「今日の試験は、魔物の封印をしてもらいます。3体の魔物から弱い順に封印を行い、1体で残留、2体で昇級、3体で上級昇級とします。」

 聖女学院には階級があり、私は下級聖女だ。下級ランクは5段階。私の階級は下から2番目の4級だった。下級の上が中級で、下級と同じく5段階。その上が上級で、同じく5段階ある。そして、上級の上に特級があり、特級は3段階だ。シアは中級の4級で、マリヤ様は特級の1級。
 初級中級はごちゃまぜクラスで、全部で5クラスある。上級からは、階級通りのクラス分けになり、クラスは全部で13クラスある。
 この学院に残るためには、上級に上がらなければならない。3体全ての封印に成功しないとならないということだ。

 「魔物の封印を行うのは、地下二階のソールの間です。今は隣のグーゼの間で、特級3級クラスが試験をしてるから、くれぐれも邪魔しないように静かにしている事!では行きましょう。」

 ソールの間に着くと、階級が高い順から封印を行った。私も含め、全員が無事に初級魔物の封印を成功させた。

 次は中級魔物ボアウルフだから、上級はゴーレムかな。

 と、その時だった!

 ドッカーーーーン!!!!!

 隣のグーゼの間からものすごい音が聞こえた!

 「「「キャーーーーーーーッッッ!」」」

 続けて悲鳴が聞こえてきたと思ったら、

 ガガガガッ!ドカーーーーッッン!!

 グーゼの間とソールの間を隔てていた頑丈な壁に巨大な穴が開き、見るからに強そうな魔物、キマイラがソールの間へと入って来た!

 「な、な、な、なんでこんな魔物が!?」

 一般クラスの生徒たちは、足がすくんで動くことも出来ない。キメイラは特級2級でも封印できるかどうか分からない魔物だ。それを特級3級の試験で出すわけがない。
 
 「先生!何とかしてください!」

 「無、無理よ!こんな魔物…私にはどうにも出来ないわ!」

 一般クラスの先生は、上級1級を卒業した者が多い。先生にはキマイラを封印することなど出来ない。
 魔物はシアの方へと向かっていき、大きな前足を振り上げた!

 「シアッッッッッ!!!!」

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