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決意
しおりを挟むお姉ちゃんの病気が良くなり、聖女学院に入った目的は果たした。でも違う目的が出来てしまった。私は決意を伝えようと、マリヤ様の部屋に来ていた。
「リーア、ありがとう!本当にありがとう!」
マリヤはリーアの両手を握り、心から礼を言った。
「でも……私は大聖女になれるでしょうか?」
それがずっと不安だった。自分の力がどれほどのものか分からないし、平民の身で大聖女になれるのかも分からなかった。
「あなたはいつも、誰かの為に力を使って来た。元々強い力を持っているけど、誰かを救おうとする時、真の力を発揮する。国を、国民を守る大聖女に相応しいのはリーアしかいない。」
マリヤ様がそんな風に思ってくださっていたなんて……。
「それとね、私達聖女は大聖女も含めて、怪我を治すことは出来ても病気を治すことは出来ない。病を治すなんて事をやってのけたのは、リーアが初めてよ。」
「え……!?でも、モーラ先生はそんな事一言も……。」
「リーアなら出来るって信じてたからだと思う。私がそうだからね。ただ……その力は、もう使ってはいけないわ。」
お姉ちゃんを治療した時に感じたから、理由はわかってる。
「…病を治す代償は、自分の生命エネルギーだからですね。」
「さすがね。あなたの生命エネルギーがかなり減ったみたいなの。もう二度とその力は使わないと約束して?」
最初からただで済むとは思っていなかったから、覚悟していた事だ。あの力を2度は使えないことも、お姉ちゃんを治した時に気づいた。
「……はい。お約束します。」
「ありがとう。大聖女候補を選ぶ試験は今までの試験とは比べ物にならない。でもリーアなら必ず大聖女候補に選ばれるはず!頑張って!」
マリヤ様の部屋をあとにし部屋へと戻ったリーアは、ベッドに横になりながら考えていた。
大聖女候補を選ぶ試験かあ……この前の試験は魔物の封印だったから、次の試験はきっと魔物の浄化だと思う。浄化したのはホーク王子を助けた時の1度だけだけど、あの感覚は覚えてる。でも、あの時の魔物は子供の私でも浄化出来るくらいの弱い魔物だったけど、今度はそうはいかない。
大聖女候補になる為には、最上位の魔物を浄化しなくちゃ……。弱気になってなんていられない!
民のために頑張るホーク王子と、ホーク王子を想うマリヤ様の為にも頑張らなくちゃ!
試験まであと1週間……翌日からは、モーラ先生に浄化の力を徹底的に習う事にした。
「リーアはすごいな……私にはもう、教えられることなどない。」
リーアは一日で、モーラの浄化の力を超えてしまった。
リーアがモーラの力を上回り、有力な大聖女候補だという噂が学院内に広まっていた。そして、それをよく思わないもの達が動き出そうとしていた。
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